NTRK融合遺伝子保有の膵癌に新しい薬が認可
2021年1月29日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部は、新薬3製品の承認の審議を行い、承認を了承しました。
その中には、NTRK融合遺伝子陽性の固形がんを対象とした「ラロトレクチニブ」が含まれています。
膵臓がんでNTRK融合遺伝子陽性の場合、すでに中外製薬のロズリートレクカプセル(一般名:エヌトレクチニブ)があるので、インパクトは少ないですが、どの程度効果に違いがあるのか注目されます。
ラロトレクチニブは、チロシンキナーゼを阻害する低分子化合物。同薬は、NTRK遺伝子(NTRK1、NTRK2およびNTRK3遺伝子の各サブタイプ)によりコードされるtropomyosin receptor kinase(TRK)の各サブタイプ(TRKA、TRKBおよびTRKC)のリン酸化を阻害。下流のシグナル伝達分子のリン酸化を阻害することで、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。類薬には、中外製薬のロズリートレクカプセル(一般名:エヌトレクチニブ)がある。2020年10月時点で、NTRK融合遺伝子陽性の固形がんを効能・効果として42の国または地域で承認されている。
オンコロ「TRK融合遺伝子治療薬ヴァイトラックビなどがん関連2製品の承認を了承、報告事項2品目も」より
「膵癌診療ガイドライン」では、NTRK融合遺伝子陽性の場合は、二次療法としてエヌトレクチニブが推奨されています。