FreeStyleリブレを使って分かったこと
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4月の診療報酬改定によって、連続血糖測定器(Freestyleリブレ)が、ほとんどの糖尿病患者で保険適用で使えるようになりました。
私のように、持効型インスリンを1日に一回注射するだけの患者は、健康保険でFreestyleリブレを使うことはできませんでした。忸怩たる思いで眺めていたのですが、保険適用になったということで、やっと使ってみました。
期待に対してどうだったのか、良い点、悪い点を考えてみます。
Freestyleリブレとは?
Freestyleリブレはアボットジャパン社が提供している連続血糖測定器です。
- リブレセンサー(キット)
- Freestyleリブレ Reader
で構成されています。
Freestyleリブレ Readerの代わりにスマートフォンアプリ リブレLinkを使ってセンサーの値を読み取ることもできます。
Freestyleリブレ 使い方
センサーを腕に装着
リブレセンサーを腕に装着します。細い1cmほどの針がついていますが、痛くは有りません。
このセンサーで2週間の連続使用ができます。
1日に数回、リブレ Readerまたはリブレ Linkをセンサーに近づけてグルコース値を測定します。
グルコース値と血糖値の違い
FreeStyleリブレは、間質液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度を測定します。血糖値を直接測定するものではありません。
間質液とは細胞と細胞の間に存在する液体のことで、グルコースは血管を通って体中に運ばれ、毛細血管から間質液へ、さらに間質液から細胞に入って利用されます。
血管を流れる血液中のグルコース濃度が「血糖値」であり、血糖値と間質液中のグルコース値の間には、高い相関関係があることが証明されています。
ただし、血糖値と間質液中のグルコース値の違いには個人差があります。(誤差がある)
費用はいくら?
- FreeStyleリブレ センサー(1個:14日測定):7,480円(税込み)3割負担なら2,240円
- FreeStyleリブレ Reader:7,700円(税込み)※保険適用対象外のため実費
リブレ Readerは健康保険が適用とならないのですが、スマートフォンアプリ リブレLinkを使えばよいので無理に購入する必要はありません。
私は事前にこれを理解していなかったので購入をしてしまいました。
スマホアプリを使って月に一回(14日)のセンサーを使用すると、自己負担2,240円ですみます。
血糖自己測定(SMBG)の費用と比較すれば安いと思います。
FreeStyleリブレの長所
使ってみた感想です。
いちばんの効用は24時間連続でグルコース値が分かること。
針を指して血液を採取するSMBGでは、その瞬間の値しかわからず、食後高血糖値のピークが掴みづらかったのが分かるようになった。
私の場合は1.5時間後にピークが来る。食事の種類と最大値の関係もよりわかりやすくなった。
血液トレンドが得られる
AGP(Ambulatory Glucose Profile)とは、連続して測定・記録された血糖値や間質液中グルコース値を集約し、その傾向を視覚的に把握しやすくしてくれる解析方法です。
日によって異なる複数の血糖トレンドの曲線から、1日のうち「どの時間帯に」「どのような変動を」起こすことが多いのかを読み取ることは困難ですが、AGPで解析することで、
- 1日のうちで低血糖/高血糖となる可能性の高い時間帯
- 血糖値の変動が大きい時間帯
などが、視覚的に把握しやすくなります。
FreeStyleリブレの欠点
- 一番の問題点は、SMBGとの間に誤差があること。
血液から採取して測定した値よりも、FreeStyleリブレの方が約10%高くなりました。(私の場合)
- また、HbA1cの予測値も出るのですが、当然そちらも10%ほど高い値が予測値として算出されます。
この時期の実際のHbA1c値は7.1%ほどですので、10%ほど高くなっています。
- また、リブレReaderとスマホアプリ リブレLinkとの間にも誤差がありました。同じセンサーからの読み取り値なのにどうして違うのか。内部のデータ処理に違いがあるのかもしれません。
- 前回のセンサー測定から8時間を超えている場合、途中のデータが消失する。
取扱説明書にも書かれているのですが、
- センサーの内部メモリが8時間分しかないため、8時間毎に測定をする必要があります。
- 就寝前に測定を忘れると、翌朝起床時に測定しても8時間を超えているときがあって、途中のデータが消失していました。
結論
いろいろと欠点もあるが、それを考慮して使えば、合理的な血糖値管理が可能である。
私は以下の点の改善が必要だとわかった。
- 食後もっと頻繁に運動すること(運動で食後血糖値が下がることが確認できた)
- 間食は控える(羊羹など食ったら300mg/dLを超えた)
- 野菜を先に食べると良いと言われるが、私の場合は順番を変えても変化なし
- 昼食時の糖質量を減らす。外食も多いし、難しい面があるが、昼食後のピークがいちばん気になる。
日常の測定はSMBGで行い、ときどきFreeStyleリブレを使うという方法がよろしいのではないでしょうか。
手術で膵臓のほとんどを摘出し、膵頭部しか残っていない体にしては、血糖値管理は良好だと主治医のお墨付きはいただいているので、気の抜かず管理を続けたい。