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がん難民から、がん在宅難民へ

4月1日から診療報酬が改定されます。私のような団塊の世代が75歳の後期高齢者となる2025年には、4人に1人が75歳以上となる「超高齢社会」がやってきます。いわゆる「2025年問題」です。医療、介護、福祉サービスをどのように維持していくのかが大きな課題ですが、政府は国民の負担と医療施設への締め付けで乗り切るつもりのようです。「社会保障のため」として導入された消費税増税分は、企業減税と国土強靱化という名のばらまきの公共投資のために使われようとしています。

診療報酬の改定によって、病床削減による患者追い出し、大病院の外来縮小など医療費の徹底削減をねらう内容です。看護配置の手厚い「7対1病棟」(患者7人に看護師1人)には退院患者の割合などを基準に加えて締め付け、2年間で36万床のうち9万床を減らす方針です。

「超高齢社会」は「超多死社会」でもあります。それに対応するために、在宅医療を核とする
地域包括ケアシステムが提唱されています。サービス付き高齢者向け住宅や老人ホームやグループホームなど報酬を4分の1にして、金のかからない「在宅」での看取りを押し進めようというのです。病院からも老人ホーム・グループホームからも追い出して、何が何でも「在宅」で死ねという方針ですか。

我が家の近くでも、サービス付き高齢者向け住宅が建設中ですが、経営が成り立つのでしょうか。長尾先生のブログでも、

この春からサービス付き高齢者向け住宅や老人ホームやグループホームなどをオープンするお医者さんを何人か知っているが、みなさん泣いている。「もう医者を止めようかな」、と悲壮な顔でつぶやいた在宅医もいた。

と書かれています。(他の問題点も詳細に論じられています。)

主治医機能の評価のため地域包括診療料が新たに設けられたが、私のように、糖尿病管理とリパクレオン・アヘンチンキの投薬病院が別の場合、どちらを主治医にすべきか、医者から「当院を」と言われたときに困ることになります。主治医となる医療機関を一つに限定するため、受診する権利が侵されることになる。もっとも院内処方か24時間対応できる院外薬局を使えることが要件だと言うから、現実的にはどれほどが対象になるのか疑問ですが。

がん患者は、病院でも看取ってくれない、ホスピスも足りないし、在宅医は数こそ増えているが、悪質な医者もいる。もちろんまだ圧倒的に足りない。がんの最後は確かに「在宅」が理想ですが、家族の一定の介助や緊急時にも往診してくれる在宅医がいればこそ実現できるものでしょう。このままでは「がん在宅難民」がたくさん生まれるに違いありません。

われわれ団塊の世代は「ゆりかごから墓場まで」競争です。運命と言えばそれまでだが、小学校からして1クラスが50人以上だったし、大学進学も激しい競争率だった。これからさき、病院では死なせてもらえず、在宅死を選びたくても”運が良ければ”となる。多分、死んだときにも「斎場は抽選です」ということになりはしないだろうか。おちおち死んでもいられない。

年金問題も同じだが、高齢化社会がやってくることは半世紀も前から分かっていたことです。政府・厚生労働省の政策の失敗といわざるを得ません。


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