「Zoomで膵臓がんサロン」を開催します。

スマホがあれば簡単に参加できます。このような時期だからこそ、同じ病気の仲間とつながってみませんか?

【日 時】2022年12月17日(土) 15:00~17:00
【場 所】Zoomを使ったオンラインの交流会です
【対 象】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参加費】無料
【定 員】15名
【内 容】気軽なおしゃべり会です。

ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。スマホだけで簡単に参加することができます。
申し込み受付中です オフィシャルサイトから

今日の一冊(165)『民間療法は本当に「効く」のか』大野 智

民間療法は本当に「効く」のか: 補完代替療法に惑わされないためのヘルスリテラシー

民間療法は本当に「効く」のか: 補完代替療法に惑わされないためのヘルスリテラシー

大野 智
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がん患者の多くが補完代替療法を

がん患者さんの多くが、手術、放射線、抗がん剤以外の治療法、補完代替療法に関心を持っています。

『膵臓がん患者と家族の集い』でも、それらに関する話題が中心になることがあります。

ホメオパシー、ヨガ、太極拳、丸山ワクチン、ゲルソン療法・・・。数え切れないくらいあり、流行り廃りもあります。

こうした補完代替療法にどのように考え、向き合えばよいのでしょうか。

大野 智先生は、「がんの補完代替医療ガイドブック」を中心となって編纂した方です。

20ページに「科学的根拠に基づいた医療とは?」のコラムがあり、

補完代替医療の利用について判断する際には、エビデンスだけでは決まらず、他の要素も考慮するために、ときにエビデンスの示すものとは異なった判断をすることがあります。決してエビデンス通りの判断をすることが科学的根拠に基づいた医療(EBM)ではありません。

と書かれています。エビデンスがないから補完代替医療は取り入れるべきではないという、一面的な解釈に注意を促していますが、かといって、何でもかんでも良いと言うことではありません。

補完代替療法にはエビデンスがないと切り捨てて、多くの医師は関心を向けませんが、近年、補完代替療法に関する臨床試験が飛躍的に増え、一定程度のエビデンスが揃ってきているのです。

さらに近年では、複数のランダム化比較試験の報告を取りまとめて再評価する、システマティックレビューという研究方法による報告も相次いでいます。

補完代替療法の知識を持つことは世界標準になる

患者に科学的思考法を教え、エビデンスが考え方を伝えれば、トンデモ医療に騙されることはなくなる、と主張する医師もいますが、それでは被害はなくなりません。

また、「民間療法は使う本人の問題であり、医療者が介入すべき問題ではない」と割り切って、患者を冷たく突き放す医師もいます。

教育レベルや収入が高い人ほど、怪しいがん治療法にだまされやすい
科学的根拠に基づいた8つの情報源
トンデモ医療を見分ける6つのポイント …など

などと書いても、ほとんどの患者に対して効果はありません。

だいたいにおいて、医者は民間療法や補完代替療法に対する知識がありません。勉強していないのです。大学医学部にもそうした教育課程はありません。

だから、補完代替療法に批判的な本の中では「主治医によく相談をしましょう」などと書かれていますが、相談しても無駄なんです。知識がないからです。勉強する気もないし、そのような暇もありません。

しかし新しい流れがあります。米国では、国際基準で認定されていない大学医学部の卒業生は、2023年以降米国で医師として働く道が閉ざされてしまうことになります。つまり日本の医者はアメリカに留学することもできなくなります。

日本医学教育評価機構(JACME)が世界医学教育連盟(WFME)から国際評価機関としての認証を受けて、国際基準を踏まえて医学教育プログラムを公正かつ適正に評価することになりました。

それで現在、日本全国の大学医学部は国際認証を得るために奔走しています。

そしてこのグローバルスタンダードの中には、医学教育の質向上のため確実に実施すべき項目として、「補完医療との接点を持つこと」が挙げられているのです。補完医療とは、非正統的、伝統的、代替医療を含む、と明確に表示されているのです。

これからの医者は、補完代替医療の知識がなければ世界標準から遅れているということになるのです。

患者はどうして補完代替療法に頼るのか

一つの原因は医者と患者のコミュニケーション不足です。インフォームド・コンセントは逆立ちしています。

インフォームド・コンセントによって、患者は医師から説明を受けます。病気の進行度、治療法の選択肢、メリットとデメリット、あるいは起こり得る副作用などを全て説明をしている場合もあります。

そして「それでは次回の外来受診日までに治療をするかしないか決めてきてください」と言われます。

もっとひどい場合には、「あなたは癌です」「抗がん剤が効くか効かないかはやってみなければわかりません」「医療に絶対はないのです」などと、患者が不安になる言葉が続きます。

医療の不確実性があるから、医師としては「絶対治る!」と断定的な言葉は言えるはずがありません。エビデンスに基づいて、科学的に正確に説明をしようとすればするほど、曖昧な表現になってしまわざるを得ないのです。

その結果「主治医の話を聞いたら余計に不安になった」という患者も出てきます。

ならば、自分でも何かできることはないかと、補完代替療法を探すことになるのです。

がん患者を対象としたあるアンケートによると、補完代替療法の利用者は52.5%で、その内容はサプリメント、運動、マッサージ・骨格改善、温泉・温熱療法、マインドフルネス・芸術セラピー、食事療法、免疫療法・ビタミン療法、鍼灸と多岐にわたっています。

そして、がん患者が補完代替療法に期待していることは、精神的な希望、免疫力向、苦痛症状の緩和、病気の進行抑制、病気の治癒となっています。

つまり、がん細胞があっという間に消えてしまうとか、なくなる、そうしたことを期待している患者は少数派です。

多くのがん患者は基本的にQOL が向上することを補完代替療法に期待していると言ってもよろしいでしょう。

なかには「健康食品が効かないことは分かっているが、安心感を得るためのお守りがわりに利用している」という人もいます。

がん患者は、自分の治療をするチームの一員として、自分自身にも何かできることはないか、あるはずだと考えているのです。

正しい情報、正しい判断は存在するのか?

大野先生がこの著作の中で医療従事者に伝えたいことという項目を設けております。

そこから一部を抜粋します。

医療者は、補完代替療法に関心を持ったり、利用したりする患者を、道を踏み外しかけた迷える子羊とみなし、医学的に正しい道へ戻してあげなければ!と説得しようとしたり、正そうとしたりしがちです。

これまでも医療者から「患者さんを、どうやって説得するのですか?」と相談を受けたことがありますが、私は「説得はしません」と回答すると、よく驚かれました。驚いた医療者には、さらに次のような説明もします。

患者が不安、後悔、葛藤を抱えていることは紛れもない事実であり、その解決策として患者自身が悩み、もがき、あがき導き出した答えが補完代替療法だった場合、それは患者にとっては正しい道なのかもしれません。

そこに医療者が医学的に正しい道を示したとしても、場合によっては二項対立に陥り、コミュニケーションが成り立たなくなってしまいかねません。

ですから、補完代替療法の相談を患者から受けたとき、その背景に何があるのかを丁寧に聞き取り、患者が抱えている不安、後悔、葛藤に対して真摯に向き合い、解決・解消のために何ができるのかを一緒に考えていく姿勢を示すことが、何よりも重要だとお伝えしています。

『民間療法は本当に「効く」のか』P.123

また、大野先生は「日本医事新報社」のサイトに「『正しい情報』は存在するのか?」との記事を寄稿されています。

そもそも意思決定の場面において、情報は価値中立な判断材料という位置付けである。もちろん情報としての信頼性や正確さに高低はあるものの、「正しい」「間違い」と線引きできるものではない。さらに「正しい判断」に至っては、それこそ人の数だけあり、万人に共通の正しい判断などはありえない。

世に溢れる「正しい情報で正しい判断を!」のフレーズには、どこかに唯一の正解があると誤解させたり、患者の自己決定権を奪っていたりするのではないかと、筆者は感じることがある。これが冒頭で述べた違和感の正体である。

実は、筆者自身、医師になりたての頃、補完代替療法について患者から相談を受けた際、それこそ「正しい情報」「正しい判断」を押し付けてしまい、「私を否定するな!」と叱責された苦い経験がある。

その反省から、筆者は「(“正しい”ではなく)正確な情報をもとに、あなたにとって正しい(あくまで本人の価値観と照らし合わせて“正しい”)と思える判断ができるよう一緒に考えていきましょう」と対応するように心がけている。

【識者の眼】「『正しい情報』は存在するのか?」大野 智

私自身も、多くのすい臓がん患者さんから「丸山ワクチンは効くのでしょうか?」と訊かれることがあります。

エビデンスはありませんが、免疫力は向上するかもしれません。それに副作用は全くありませんし、月1万円程度の治療費なら、自分でもできる何かとして、丸山ワクチンをやってみるのもよろしいでしょう、と答えることにしています。

医療者らからは、「丸山ワクチンは効果があるとあなたは思っているのですか」と訊かれたことがあります。

それに対する答えは、このページの記事です。

上から目線で”迷える子羊を救ってあげなければ”という考えでは、がん患者の期待に沿うことはできないでしょう。


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