「クロードアップ現在」2008年 新マネー潮流

Web交流会のご案内


【日 時】2020年12月12日(土) 13:00~16:00(開場:12:45)
【場 所】Zoomを使ったオンラインの集まりです
【対 象】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参加費】500円 (PayPal決済、郵便振替)
【定 員】100名
【内 容】
第一部 がん研有明病院 腫瘍精神科部長 清水研先生の講演
『もしも一年後、この世にいないとしたら ~4000人の患者家族と対話した精神科医の学び~』
第二部 患者さん同士の交流会

ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。
スマホだけで簡単に参加することができます。

参加申込受付中です。 詳しくはオフィシャルサイトで


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NHKの「クロードアップ現在 2008年 新マネー潮流」を見た。7日に放送されたが見逃したので、12日のBS2での再放送である。こういう良
質な番組があるから、NHKの受信料を払い続けようという気になる。原油が100ドルになり、株が下がり、物価が上がり、ワーキングプアが増える、こうし
た経済の根本的原因をずばりと突いた「生きた経済学の教科書」ともいえる番組である。番組の内容を私流に整理すると次のようになろうか。

  • アメリカの借金経済(例:住宅を担保にしてローンを組み、それで消費を拡大してきた)によって世界中に基軸通貨としてのドルを垂れ流してきた。
  • これによって、これまでの世界経済をけん引してきた。
  • ローンなどの債権を「証券化」することによってリスクを分散してきた。高度な「金融工学」を駆使して複雑な証券が世界中にばらまかれている。
  • サブプライムローン問題の本質は、誰にもリスクの総額が分からないという点にある。この証券化された再建には「市場がない」。つまりは損失の評価も証券会社・銀行任せである。
  • 「証券化」されているのはサブプライムローンだけではない。あらゆる債権が証券化されて世界市場で取引されている。
  • 新自由主義経済の破綻を象徴した出来事だ。

そして、1990年には世界のGDPの約1.7倍の規模だった世界のマネー(金融資産)が、2006年には約3.2倍の約150兆ドル
積み上がった。世界の貿易に必要なドルはせいぜい10兆ドル程度だろう。その15倍のドルが市場に流通し、その多くは実体経済の必要からではなく、資産を
増やす目的でうごめいているのだ。だから、株で儲けが出ないとみるや原油や穀物に流れる。原油や穀物が必要なわけではない。将来の値上がりを見込んで何%
かの利益を得ようとするわけである。

番組に出演した二人のパネリスト、水野和夫氏(三菱UFJ証券チーフエコノミスト)と榊原英資氏(早稲田大学教授、元大蔵省財務官)がともに述べていたのは、新自由主義経済の破綻
ということだ。「市場にすべてを任せておけばうまくいく」「規制緩和万能」と言ってきた結果が現在の世界経済の失速である。サブプライムローンの損失を抱
えたメリルリンチ・シティ・モルガンらの「ハゲタカ・ファンド」に数千ドル単位の資金を注入して救ったのは、皮肉にもオイルマネーや中国マネーなどの政府
系ファンドであった。この資金がなければこれらのファンドは倒産していたはずである。二人とも「「マネーに対する規制が必要だ」と強調していたのは当然で
ある。このままでは世界は行き詰る。一番の被害者は金融資産を持たない庶民であり、発展途上国である。原油・穀物の値上がりなど、負の遺産は力の弱い者に
集中される。

新自由主義経済の破綻が誰の目にも明らかになってきたのが今年の年初からの特徴であり、その兆候が一層明らかになる年となるに違いない。


しかしである。こうした見通しはずいぶん前に経済学者からではなく、ファンタジー作家のミヒャエル・エンデによって警鐘が鳴らされてきたことだ。
「モモ」や「果てしない物語」の作者であるミヒャエル・エンデは経済やお金の問題についても鋭い考察をしてきた作家である。「モモ」に登場する「灰色の男
たち」や「果てしない物語」の「虚無」は、ファンタジーを通してエンデの思想をつたえているのだ。

「モモ」の翻訳者である子安美知子氏が、「モモを読む」のなかで次のようなエンデの話を紹介している。

「キリストが生まれた事を喜んだ父ヤコブが1マルクを貯金した。年5%の複利で預けたとしたら、西暦2000年にはいくらになるか?何と、太陽4個
分もの金塊が手に入るというのです。一方、2000年間1日8時間働いて得られるのは金の延べ棒一本分になります。」エンデはこうして「金利」の欺瞞性を
暴露し「複利で増え続ける」ことの荒唐無稽さを突いているのです。

エンデの話はたった1マルクのことでしたが、「クロードアップ現在」の番組で紹介されたのは、150兆ドルの資金が、年率5%の利益を求めて世界を
徘徊しているということです。こんな荒唐無稽な「うまい話」が永遠に続くはずがないのは子供にもわかる道理ではないでしょうか。

エンデは言います。「この大きな差額の勘定書は、いったいだれが払っているのか」と。資本主義経済システムが続きうる条件には、「植民地が必要だっ
たこと」を、彼は真っ先に挙げます。搾取するには搾取される対象、利殖を生むには払う対象がいるというのが、エンデの持論です。植民地がなくなった現在、
負の勘定書きを押し付けられる(=搾取される)のは、自国内の貧困層であり、発展途上国の国民であり、自然であり、地下資源であり、穀物や原油です。さら
には将来の水不足を見通して水資源・地下水の買い占めすら進んでいるといいます。

年利5%で資産が増え続けるためには搾取される貧困層が必要なのです。これが我が国でワーキングプアが増え、年収300万円(今では150万円ともいわれている)層が増えてきた根本原因です。

20世紀の帝国主義は軍事力を背景にして他国を従わせてきました。アメリカは9.11以降もその考えを一層露骨にしてきましたが、そのアメリカの中
枢部をオイルマネー・中国マネーなどの政治的意図をもった政府系ファンドによって「爆撃」されたということです。21世紀の世界が大きく変わりつつありま
す。


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