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トランス脂肪酸はがんの栄養

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生物は傷ついた組織を修復する能力を持っている。その中心メカニズムが”炎症作用”である。ところが、がんはこの修復メカニズムを利用していることが分かっている。がん細胞は自らの成長を支えるために、炎症を引き起こそうとする。胃癌におけるピロリ菌のように、慢性的な炎症状態ががんの直接的な原因となっているがんも多い。がんは、サイトカインなどの炎症性因子を放出し、免疫システムを乗っ取ることによって自ら増殖し、体内に蔓延していく。

がんの進行において、炎症が重要な役割を果たしているのだから、がんの治療や予防において、体の炎症をコントロールすることが非常に大切である。

がんの初期状態である微小腫瘍は、栄養を得るための新しい血管網をつくらないかぎり、危険ながんへと成長することはない。血管新生を抑制する因子を投与されたマウスは腫瘍が成長することはなかった。そして、製薬企業が血管新生抑制作用を持った分子標的薬(アバスチンなど)を開発している。あるいは中村祐輔教授らのがんペプチドワクチンの中のエルパモチド(OTS102)やOCV-101も新生血管抑制を狙ったがんワクチンであった。

がんに効く生活―克服した医師の自分でできる「統合医療」しかし、アバスチンの効果も限定的であり、エルパモチドは、臨床試験の結果、膵癌に対する有効性を確認できなかったことは既報の通りである。

がんに効く生活―克服した医師の自分でできる「統合医療」』でシュレベールは次のように述べている。

それでもやはり、血管新生の抑制は、あらゆるがんの治療において重大な鍵となる。私たちは、奇跡的な薬剤の誕生を待つまでもなく、血管新生に対して強力な効果を発揮し、副作用がまったくなく、従来の治療法と問題なく併用できる以下のふたつの自然な治療法を手に入れることができる。

  1. 特別な栄養摂取法(最近では自然の抗血管新生食品として、市販のキノコや緑茶やいくつかのスパイスと食用ハーブなどがあげられている)
  2. 新しい血管成長の直接的な原因である炎症を抑えるものすべて

として、効果のある食物について詳細に書いている。一方で、「がんを育てる食物」として、

  • 精白糖などの精製糖
  • 精白小麦粉、精白米
  • 植物油(大豆油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、トランス脂肪酸)

を「がんを成長させる栄養源」だとしている。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスが重要であり、中でもオメガ3の脂肪酸(EPA、DHA)の重要性は良くいわれる通りである。なかでもトランス脂肪酸は「食べるプラスチック」と言われるほどで、栄養分もないのに、炎症作用だけは引き起こしてしまう。

日本ではトランス脂肪酸に関しては規制がないこともあり、ほとんどのがん患者が無頓着であるように見える。トランス脂肪酸については、マクドナルドのフライドポテトが3年間放置しても腐らなかったとか、ゴキブリさせも食わなかったとかの話題も紹介されている。『がんに効く生活』でも「牛や鶏のためのジャンクフード」「バターよりもはるかに危険なマーガリン」などとの節で詳しく論じられている。何度も紹介しているが、シュレベールのこの本をじっくりと読んで、実行し、継続することを勧めたい。玄米菜食、ファイトケミカルを摂ることも大切だが、精製糖、マーガリン、ショートニングなどのトランス脂肪酸を避けることも、がんを育てない体内環境をつくるためには、重要です。

こころの免疫学 (新潮選書)
藤田紘一郎『こころの免疫学 (新潮選書)』にも、最近の研究を引用しながら、トランス脂肪酸とがんの関係が書かれている。

  • トランス脂肪酸を多く摂取していると、細胞膜がうまく機能できなくなり、糖鎖の働きが悪くなる。その結果、免疫力が低下してしまうのだ。同時に発生する活性酸素が、さらに免疫力を低下させると考えられる。
  • 免疫能が低下すると、アレルギー性疾患やうつなどの「心の病」が増える。

などと指摘している。こころの病にも糖質制限食が効果的だとか、こころの健康は、食生活全体から見直すべきとか示唆に富む内容である。

一杯200円のコーヒーに好きなだけついてくる「コーヒーフレッシュ」には牛乳は一滴も入っていなくて、サラダ油を主成分としたトランス脂肪酸の塊である。コーヒーが膵臓がんのリスクを下げると言われても、トランス脂肪酸を入れては逆効果だろう。

セブン・イレブンが「トランス脂肪酸の低減」に取り組んでいるようです。

農林水産省の「トランス脂肪酸の関する情報」:日本はいかに遅れているかがよく分かります。


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