今日の一冊(14)『新自由主義の自滅』

アベノミクスの失敗は誰の目にも明かです。最近は「アベノミクス」という言葉もあまり聞かなくなりました。株が乱高下して恐慌の様相すら取りざたされています。「尻尾(株)が犬(実体経済)を振り回す」こんな状況がなぜ生じたのか。

小泉改革以降の新自由主義路線、グローバリズムとはいったい何だったのか。経済優先の政治がいま、原発の再稼働、福祉の切り捨て、正社員の減少と短期雇用の増加、給食が唯一のまともな食事であるため、夏休みになると子供の食事にも困るような母子家庭の貧困、自殺者の増加、凶悪犯罪などの社会の不安定化を生んでいます。

福祉の切り捨てはがん患者にも直接の影響をもたらします。「地域包括ケア」という美名で患者を病院から追い出し、在宅医療による介護を進めようとしています。療養病床は更に削減される計画が進行しています。末期がんになったらいったいどうすれば良いのか、多くのがん患者が途方に暮れています。

どうしてこのような日本になってしまったのか。その鍵を説くのが「新自由主義」と「グローバリズム」です。菊池英博氏の『新自由主義の自滅 日本・アメリカ・韓国 (文春新書)』は、安倍総理の掲げる「成長戦略」の柱である”5つの政策”、すなわち、法人税減税などの財政改革、派遣法改正や高度プロフェッショナル制度導入などの雇用制度改革、混合診療導入などの医療改革国家戦略特区、そして農協解体を含む農業改革が、日本を破壊する活動だと、一刀両断にしている。

新自由主義の自滅 日本・アメリカ・韓国 (文春新書)

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また、日本は法人税が諸外国に対して高すぎる、だから法人税減税をして日本企業の海外流出を抑えなければならない、という主張が真っ赤なウソであることを、これもデータを使って論証します。

もうエコノミストに騙されないために   紫炎のMBA講義録』は、アベノミクスを「アホノミクス」とぶれないで一貫してこき下ろしてきた浜矩子氏が、金融危機はなぜ起きるのか、小泉構造改革からアベノミクスまでの歴史的な背景から導きだした最新の経済問題に対する浜氏の考えを解説しています。そして、恐慌が来ても、どのような経済状況でも、それに対処する方法は、結局は人と人とのつながりにしかない、との考えを述べています。

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