米国対がん協会のガイドラインが8年ぶりに改定

新型コロナの陽性者が急増しています。この4連休は「我慢の4連休」だというし、小池都知事は「なるべく外出しないで」と言っています。そんなことよりも、もっとできることがあるんじゃないのかという不満も感じます。

こんなんで、がん患者としては運動不足になりそうです。がん患者が運動することによって余命が延びることはほぼ科学的に実証された事実です。

米国対がん協会は「がん予防のための食事と運動に関するガイドライン」を8年ぶりに改定しました。 いずれ翻訳されて出版されると思いますが、ここではその概要を見ておきましょう。

  1. 健康的な体重を維持し、太らないように気をつけよう。
  2. 成人は週に150~300分の中強度の運動か、75~150分の高強度の運動をしましょう。
  3. 青少年は少なくとも1日1時間の中強度~高強度の運動を
  4. ゲームや動画視聴など、座りっぱなしになる行動は制限すること。
  5. 健康的な食事パターンを取り入れましょう
    1. 野菜は濃い緑、赤、オレンジなど様々な色合いのものを摂り、食物繊維が豊富な豆類を食べる。
    2. 果物も様々な色合いのものを丸ごと味わうこと。
    3. 全粒粉のパンや玄米など全粒穀物を選ぼう。
    4. 赤身肉や加工肉、加糖飲料、インスタント食品など高度加工食や精製された穀物を避けよう。
  6. アルコール飲料は飲まないのが最善だ。飲むのなら女性は1日1ドリンク、男性は2ドリンクまで。(1ドリンクはアルコール10~15gに相当)。

ぱっと見て気がつくのは運動に関する項目ですね。以前のガイドラインでは、運動に関しては「1週間に150分以上の中強度の運動をすることを目標としましょう」となっていました。それが150から30分の中強度の運動もしくはその半分の高強度の運動という風に推奨レベルがより高くなっています。

今回のガイドラインは「がん予防のためのガイドライン」であり、がんサバイバーを対象にしたものではありません。

がんサバイバーを対象にしたガイドラインとしては、『「がん」になってからの食事と運動』という米国対がん協会のガイドラインが出版されています。

「がん」になってからの食事と運動―米国対がん協会の最新ガイドライン

「がん」になってからの食事と運動―米国対がん協会の最新ガイドライン

米国対がん協会
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その概要については、国立がん研究センターのがん情報サービスに紹介されています。

8年前のがん予防のためのガイドラインをベースにしたものですが、がん患者がんサバイバーに焦点を当てて食事と運動についてのガイドラインは概ね今でも有効です。

もちろん食事も運動もともにランダム化比較試験によってその効果が証明されたものは非常に少ないです。しかしコホート研究などによってある程度確からしいものは分かってきています。

サプリメントや、「これでがんが消えた」などという一発逆転の食事療法はありません。

ガイドラインに示されたような、バランスのとれた食事をすること、食物繊維をたっぷりとっとり豆類を食べること、全粒穀物を選び、赤身肉や加工肉は食べ過ぎない。こういった当たり前の食事生活を続けることが、がんサバイバーが長生きする秘訣です。

そして何よりも自分に適した運動を定期的に続けることです。ジョギングやマラソンをする必要はありません。散歩やスクワットなど、無理なく続けられそうな運動を考えてみてはどうでしょうか。

佐藤典宏先生のブログによれば、高品質の食事をしているがんサバイバーは、がんによる死亡率が65%も低くなるという報告があります。


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