KRAS/p53変異はCREB1に作用して膵臓がんの転移を促す

膵臓がんにはKRAS及び p53変異が高頻度に見られます。

これらの変異に対する薬剤があればと、多くの膵臓がん患者さんが期待しています。しかし現状ではKRASおよびp53遺伝子変異に有効な治療薬はありません。いちぶで研究開発中だとは伝えられているようですが。

今回 MD アンダーソンがんセンターの研究者等は、KRAS及び p53変異がCREB1タンパク質を介した相互作用によって腫瘍の転移や増殖を促進することを発見しました。

KRASおよびTP53遺伝子における変異は、すべてのヒトのがんにおいて最も高頻度にみられ、膵臓がん患者の約70%がこれら2つの遺伝子の共変異を有する。膵臓がんの95%にみられるKRAS変異は、タンパク質を活性化し、下流で多くの異常なシグナル伝達経路を発生させる。TP53変異は、タンパク質のがん抑制機能を喪失させ、変異したタンパク質が転移などのがん化プロセスを亢進する。

がん医療情報リファレンスより

KRASおよびp53人に対する治療薬がない現状では、その下流にあり相互作用をしているCRBE1タンパク質を標的とした治療法の開発が有効ではないか。その可能性があるという研究です。

これらの発見は、早い段階でCREB1を標的とすることが、膵臓がんにおけるKRAS変異およびp53の転移効果をブロックするための実行可能な戦略である可能性があることを示唆しています。

https://www.mdanderson.org/newsroom/pancreatic-cancer-study-finds-mutant-kras-p53-cooperative-drive-metastasis.h00-159460056.html

細胞の中のシグナル伝達回路は非常に複雑ですから、そしてがん細胞もそれを利用しているのですが、逆に人間の方も別の相互作用・シグナル伝達回路を研究し、治療法の戦略を考えことで、膵臓がんの新たな治療法が見つかる可能性があります。


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