膵がんには、悪性とより悪性の2つのタイプがある

DP2M4640


パンキャンのサイトに『膵臓がんのオリゴ転移型と広範囲転移型』との記事が載りました。膵がんにはオリゴ転移型と広範囲転移型という2つのタイプがあり、オリゴ転移型にはより積極的な治療の可能性があるという内容でした。

日経メディカルのこの記事では、より詳しく解説されています。
どうする転移なき膵がんの治療 遺伝子変異は患者選択の基準になるか』

内容は、

膵臓がんには2種類ある。遠隔転移するがんと、しないがんだ。また、終末期も「局所破壊型」と「全身転移型」の2つに分類できる。

膵がんの遺伝子変異は、KRAS、P16/CDKN2A、TP53、SMAD4のわずか4つに集中していることがわかっている。

この4大遺伝子のうち変異した遺伝子が多くなればなるほど「全身転移型」の割合が上がる傾向が明らかになった。

転移が少ない「局所破壊型」と多い「全身転移型」とを分けるのが4大遺伝子の後半の2つと見ることができる。つまり、TP53とSMAD4、あるいはTP53に変異があると転移する傾向が強く、予後も悪い。対照的にTP53とSMAD4双方に変異がない場合は転移する傾向も弱く、また予後も比較的良好だ。

これらの遺伝子変異のパターンを事前に知ることができれば、患者の予後の予測が可能になる。
********************* 以上、要約***************

う~ん。ということは、局所破壊型(オリゴ転移型)では、転移があっても手術などの積極的な治療が可能であるが、後半の2つの遺伝子変異(TP53とSMAD4)を持っている患者は、何をやっても駄目ってことですかね。これらの遺伝子変異があると、抗がん剤の効き方も良くないのでしょうか。

これからも遺伝子解析がどんどん治療の現場に取り入れられてくるに違いありません。

FOLFIRINOXを40回もやり、今日8日に、膵頭十二指腸切除術ができるようにまでなったARISUの連絡帳さんも、このタイプの膵がんなのかもしれませんね。

ARISUさん、手術頑張ってください。

昨年末に国立がん研究センターが発表した研究成果『血液から膵臓がんで治療標的となり得る遺伝子異常を検出』も、遺伝子変異を利用して新たな治療法を開発しようという試みですね。

遺伝子の変異の数によってがんの悪性度が進行するというのは、「多段階発癌説」と言われています。

細胞内で複数の遺伝子異常が蓄積するにしたがい,癌化ならびに悪性度が増していくとする説.膵癌ではKRAS,CDKN2A,TP53,SMAD4の順に遺伝子異常が起こるとされ,それにともない前癌病変である膵管内腫瘍の異型度が 増し,最終的に浸潤癌に至ると考えられている。

こうした事実があるのだから、近藤誠氏が「がん細胞は生まれたときに転移するがんか、転移しない”がんもどき”かが決まっている」という、ある種の運命論が誤りであることは明かです。


膵臓がんと闘う多くの仲間がいます。応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ 膵臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です