血糖値の季節性変動
膵臓がんの患者さんでは血糖値管理でインスリンを打っている方も多いです。
私は、膵体部、膵尾部を切除して数年間はインスリンなしでも正常範囲内であったのですが、人間の体も徐々に変化していくのでしょうね。服薬だけでは血糖値のコントロールが難しくなったのでインスリン注射を始めました。
ただし持効型のインスリンを朝一回だけです。
先月あたりから空腹時の朝の血糖値が高めになってきたので、インスリンの量を10単位に変更しました。
そうしたらば朝の血糖値は徐々に下がってきましたが、重い荷物を移動するだけの運動で低血糖を起こしてしまいました。
空腹時にお酒を飲むとか、いつもよりも激しい運動をすると低血糖の恐れがあります。
春から夏にかけて血糖値は低くなる
また、血糖値の季節的変動はあるのでしょうか。
この研究から言えるのは、血糖値は秋から冬にかけて高くなる。逆に春から夏にかけては低くなる傾向があるということです。
しかしその原因はわかっておりません。
昨日もトイレで低血糖状態になりました。ブドウ糖を噛み砕いて飲み込んですぐに回復しましたが、季節性変動が影響しているのかもしれません。
ということでインスリンの量を2単位減らして8単位でしばらく様子を見てみることにします。
膵臓がんの術後、私の体を観察した結果からわかったのは、このボデーはインスリンに対する反応が敏感だと、そんなふうに感じています。
厳格な血糖値管理は寿命を縮める:ACCORD試験
血糖値管理をしていただいている先生は常に「低血糖には気をつけてくださいね」と言われます。
「あなたの場合はHbA1c は7%程度でもいいと思いますよ。逆に厳格な血糖値管理では死亡リスクが高くなります」
上の記事でも書いていますが、高齢者で膵臓がん患者である私の場合ですが、
血糖値とHbA1cの目標値
- HbA1c:7.0 %
- 空腹時血糖値:150 mg/dL
- 食後血糖値:250 mg/dL (できれば220 mg/dL)
よいと考えています。
これは厳格な血糖値管理よりも、緩やかな管理の方が良いというアメリカで2008年におこなわれたACCORD試験の結果によるものです。この試験に関しては江部康二先生のブログ(こちらも)と日経メディカルオンラインの記事をリンクしておきます。江部先生の話の方がわかりやすいですね。
2008年の米国糖尿病学会学術集会で、ACCORDという大規模臨床試験の結果が報告されました。
ハイリスクな糖尿病患者を対象に、HbA1cの目標値を従来より低く設定して厳格な血糖管理を行い、大血管合併症予防効果を検討した試験でした。
大血管合併症とは、心・脳血管の障害で心筋梗塞や脳卒中のことです。
その結果は、予想を大きく覆し、有意な大血管障害予防効果は、証明できませんでした。しかも「厳格血糖管理群」の死亡率が、「通常血糖管理群」を上回るという、衝撃的な結果となりました。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-1741.html
簡単に言ってしまえば、厳格な血糖値管理を続けると低血糖による死亡率が高くなり、そのデメリットが血糖値管理のメリットを上回るということです。
朝はブラン食パンにするなどして糖質を抑えていますが、これももっと緩やかな考えていいのじゃないでしょうか。