今日の一冊(155)「がん消滅の罠 暗殺腫瘍」

『このミステリーがすごい!』大賞受賞作である前作に続くシリーズ第2弾。

日本がんセンターの夏目医師と羽島博士は、保険会社勤務の森川からまたも奇妙な事例を聞くことになりました。

住宅ローンのがん保証付き団体信用生命保険の特約を悪用した保険金詐欺が頻発します。1億円近い物件を住宅ローンで購入し、90日の免責期間を過ぎた直後にがんが見つかり、住宅ローンの返済が不要になるという仕組みを悪用した犯罪です。

しかもそのがんが全てメラノーマとの点で共通しています。

一方で埼玉県内では連続医師殺人事件が発生。夏目のもとに刑事が話を聞きにやってきます。さらに脅迫を受けていると言う政治家が「人を人工的にがんにさせることができるのか」と訪ねてきます。

がんを体内にを仕組んだのは、夏目の恩師でもある真栄田医師です。真栄田は、人工授精によりやっと妊娠をした妻を一人残して米国に留学するのですが、日本に残した妻に乳がんが見つかります。胎児への影響も考えた妻は、効果の定かでない代替医療を選択するのです。そして亡くなります。

標準治療を選べば助かったはずの命が、代替医療を勧める悪徳医師によって奪われていく。これをなんとしてでも阻止したいと考えた真栄田は、それらの医師に人工的に癌細胞を体内に注入する。しかも証拠は残さない。

近藤誠医師と思しき「がんは治療をするな」という人物も登場します。この医師も暗殺の対象です。効果が実証されていない免疫細胞療法も、アメリカならば明らかに犯罪ですが日本では野放しです。

効果のない代替療法で患者の命を奪い、その挙句に、高い診療費をとって贅沢な暮らしをするこれらの医師を野放しにしておくことはできない~~~~。

人体という密室で起こす、前代未聞の犯罪計画の全貌とは? 背後には「代替医療の闇」が潜んでいた。

作者の岩木一麻氏は、国立がん研究センター、放射線医学研究所を経て、現在は医療系出版社勤務です。随所にゲノム医療やDNAの解析の記述があり、がんを発生させたり消滅させたりするメカニズムの根拠を科学的に説明を加えています。

これらを参考に勉強してみるのもよろしいのではないでしょうか。


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