日本人のがんゲノム異常の全体像を解明
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概要
国立がん研究センターは、約5万例のがん遺伝子パネル検査データの解析結果を発表しました。この研究は、日本人におけるがん種横断的にドライバー遺伝子異常の全体像を解明した初めての試みであり、アジア最大規模のがんゲノム解析となります。
治療薬の標的となるゲノム異常がある症例の割合は。これまで予測されていた通り、膵臓がんでは非常に少ないですね。でも症例数は最多です。膵臓がん患者さんが、僅かな希望を託してゲノム検査を受けている実情が推測されます。しかし、エビデンスレベル1のものはなくて、2,3Aを合わせても10%程度です。でも運良くそれに該当すると希望が持てますね。
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主な結果
- 13種類のがん種において、最も頻度の高いドライバー遺伝子異常を特定
- 従来の検査では検出できなかった新たなドライバー遺伝子異常を発見
- がん種間で共通するドライバー遺伝子異常を複数特定
- 患者背景や臨床病理学的特徴とドライバー遺伝子異常の関連を明らかに
エピゲノム制御因子変異
エピゲノム制御因子変異は、DNAの塩基配列自体は変化していないにもかかわらず、遺伝子の発現を制御する分子に生じる変異です。この研究では、エピゲノム制御因子変異が38.7%の症例で見つかりました。
エピゲノム制御因子変異は、ドライバー遺伝子変異としばしば共存することがわかりました。これは、エピゲノム制御因子変異ががんの発症や進行に何らかの役割を果たしている可能性を示唆しています。
しかし、この研究では、エピゲノム制御因子変異がどのように遺伝子の発現を制御するか、そしてそれがどのようにがんに寄与するかについては明らかにされていません。
この研究は、日本人のがんゲノムに関する重要な知見をもたらしました。今後、エピゲノム制御因子変異の役割をさらに解明することで、がんの精密医療や新規治療法の開発につながることが期待されます。
まとめ
この研究は、日本人のがんゲノムに関する重要な知見をもたらしました。ドライバー遺伝子異常の全体像を解明したことで、がんの発生や進行の理解が深まり、精密医療や新規治療法の開発につながることが期待されます。
エピゲノム制御因子変異は、がんの発症や進行に何らかの役割を果たしている可能性を示唆しています。今後、エピゲノム制御因子変異の役割をさらに解明することで、がんの精密医療や新規治療法の開発につながることが期待されます。