樹状細胞療法の追跡調査、米国ではがん患者減少、アマニに癌縮小効果

ニュースを3件

  1. 信州大学附属病院などが、樹状細胞療法の効果を確認するため、来年度から治験を実施。
  2. アメリカではがん患者が減少。ただし、白人の膵臓がんは増加
  3. アマニがガンを縮小する効果(MDアンダーソンがんセンター)

1. 樹状細胞療法の追跡調査を開始

 信大病院を中心とした数カ所の大学病院の研究グループが来年度、新たながん治療法として期待される「樹状細胞療法」について百人規模の全国的な追跡調査
を始める。比較データが乏しく、効果の程度が明確でなかった同療法の有効性を検証し、医療保険適用へのステップにする狙いだ。
 信大病院のほか、愛媛大などの大学病院が連携して調査。最初の1、2年間は膵臓がん、乳がん、胃がんなど5、6種類のがんについて、同療法を受ける患者と受けない患者合わせて、それぞれ数十人ずつ治療効果を調べる。(信濃毎日新聞 1/6)

3人に1人のがん進行抑制 信大付属病院、新療法で成果

2010年1月6日 09時23分 

信州大付属病院(長野県松本市)が、手術などでは治療が難しいがん患者を対象に、免疫細胞の司令塔とされる「樹状細胞」を使った新たな免疫療法を
施したところ、3人に1人の割合でがんの進行が抑制されたことが分かった。副作用も少なく、同病院分子細胞診療室の下平滋隆室長は「がんの標準的な治療法
にしたい」と話している。

 がん治療は手術、抗がん剤などの化学、放射線の3つを組み合わせた療法が基本だが体への負担や副作用が懸念される欠点がある。

 
同病院は2008年11月から、症状が進行し他の治療が難しい患者に樹状細胞療法を実施。10代から70代の男女30人に施した結果、10人程度にがんの
縮小や進行を抑えるなどの効果が見られた。胃がんの50代男性、卵巣がんの50代女性の2人からはがん細胞が完全になくなったという。

 ただ、この治療法は実績が少なく公的医療保険が適用されないため、患者の費用負担が重いのが課題。同病院は治療効果を証明するデータなどをまとめ、保険適用が認められるようにしたい考えだ

樹状細胞療法  樹状細胞は人間の体を病原菌などの外敵から守る免疫細胞の一種。がん治療では患者の体内から樹状細胞を取り出し、がん組織をそれに与え
たり、がんの目印を人工的に持たせたりしてがん細胞を外敵と認識させる。その後体内に戻すと樹状細胞はほかの免疫細胞に指示を出し、がん細胞を攻撃させ
る。(中日新聞 1/6)

この「樹状細胞療法」はテラの技術ですね。この日のニュース後、ジャスダックに上場しているテラの株が168円高の1233円と急騰してます。同社ホームページでは、事業内容に、「樹状細胞ワクチン療法等の研究開発及び同技術・ノウハウの提供」とあります。テラは最近全国で「最新がん免疫療法セミナー」も開催しているようです。アイマックスがん治療の研究開発も進行中で、東京大学医科学研究所発のベンチャー企業です。同じ研究所の中村祐輔教授らの「がんペプチドワクチン」とは違い、こちらはWT1ペプチドを使った技術です。


2. 米国年次報告書で全体的な癌発症率の持続的低下を発表

NCIニュース 2009年12月7日

主要な保健および癌機関の報告によると、すべての癌を総合した場合の新規診断率および死亡率は米国の男女全体とほとんどの人種および民族集団で最新の期間中に顕著に低下した。


の低下は男性の3大癌(肺癌、前立腺癌、大腸癌)、女性の3大癌のうちの2つ(乳癌、大腸癌)の新規発症率および死亡率の低下によるところが大きい。米国
の全癌種の新規診断率は1999年から2006年にかけて平均でほぼ毎年1%低下し、死亡率は2001年から2006年にかけて年間1.6%低下した。

これらの結果は米国国立衛生研究所の一機関である米国国立癌研究所(NCI)、疾病対策予防センター(CDC)、アメリ
カ癌協会(ACS)、北米がん中央登録協会(NAACCR)の研究者らが著した報告書によるものである。本報告書はjournal
Cancer誌早期電子版に2009年12月7日付で発表された。

全体的な癌発症率は依然として女性よりも男性で高いが、男性は発症率(新規症例)と死亡率(死亡)が著しく低下した。大
腸癌は男女ともに3番目に多い癌で、米国で癌による死亡原因の第2位となっているが、全体的な発症率は低下しつつある。しかし、50歳以下の男女の発症率
増加が懸念されると報告書で述べられている。

人種および民族集団別に見ると、癌による死亡率は黒人の男女で最も高く、アジア系および太平洋諸島系の男女で最も低かった。人種および民族による死亡率の
傾向はほとんどの癌部位で類似していたが、米国で癌による死亡原因第4位である膵臓癌の死亡率は白人の男女で増加したものの、黒人の男女では低下した。


3. 植物由来のアマニが前立腺がんを縮小させる潜在的能力は?

オメガ-3脂肪酸、リグナンおよび食物繊維が豊富なアマニ(アマ科に属するアマの種子)は、日本ではあまり馴染みがないが、欧米では早くからがん、心臓病、動脈硬化、高血圧など生活習慣病を予防する食材として利用されてきた。

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの最近の研究によって、アマニは前立腺がんのリスクを低下させる可能性があると、その抗がん作用が裏づけられた。

人々がもっと植物由来の食事をしていれば、前立腺がんを含め、がんのリスクは30~40パーセント低下する可能性があることが明らかになっている。

この健康的な食事としては、果物、野菜、全粒の穀物、豆、ナッツ、ならびにアマニなどの種が含まれる。

「がん細胞は他の細胞に付着することで転移します。アマニに含まれるオメガ-3脂肪酸は、細胞同士が結合したり、血管壁に付着したりすることを防ぎ、リグナンは男性ホルモンの一種であるテストステロンや他のホルモン値を低下させる可能性があります。テストステロン値が下がることで、男性は前立腺がんに罹患する可能性が低下するとみられます」

とMDアンダーソンの行動科学教授であり、パワーフードとしてのアマニの可能性を調べた医学博士・登録栄養士は述べた。

この研究は、161人の男性を対象に行ったもので、アマニががんを縮小させる潜在能力についての知見を得るものであった。

男性らは前立腺がんであると診断されていたが、まだ治療を開始していなかった。


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