ボーダーライン膵癌の2つの術前療法に有意差なし

もう6月、早いものです。6月はASCOの季節です。

ASCO 2024で、ボーダーライン膵癌の術前療法として、ゲムシタビン+nab-パクリタキセル療法(GEM+nab-PTX療法)とS-1併用放射線療法は全生存期間(OS)に有意な差はないことを、国立がん研究センター東病院の池田公史氏が発表しました。

がんが主要な血管に接していても、術前療法でがんが小さくなり、切除ができる可能性があるがんを、ボーダーライン膵臓がんとして分類しています。

ボーダーライン膵癌に術前治療が有効であることは分かっているものの、術前化学療法と術前化学放射線療法を比較した無作為化試験はありませんでした。

国立がん研究センター東病院で、2017年6月から2022年12月までに、112人がGEM+nab-PTX療法群(56人)とS-1併用放射線療法群(56人)に無作為に割り付けられ、その試験結果が発表されました。

観察期間中央値22.7カ月(IQR:14.8-34.7)で、試験の結果、OS中央値はGEM+nab-PTX療法群が23.1カ月、S-1併用放射線療法群が31.5カ月で、ハザード比0.786(95%信頼区間:0.489-1.265)、p=0.2518で有意な差はなかったただし、カプランマイヤー曲線は18カ月以降大きく離れてS-1併用放射線療法群が上にあり、曲線が離れている状態は観察期間の最後まで継続していた。OSのサブグループ解析ではS-1併用放射線療法群が優位なサブグループが多かったものの、統計学的に有意なものはなかった。

GEM+nab-PTX療法群で好中球数減少症と血小板減少症が多く見られ、S-1併用放射線療法群で食欲不振が多く見られた。


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