今日の一冊(1)『フューチャー・オブ・マインド―心の未来を科学する』
日系三世で超ひも理論でも有名なミチオ・カクが、物理理論に反しない範囲で、心にかんする最新の研究・理論を紹介している。
ミチオ・カクの「意識」の定義は、「意識とは、目標(配偶者や食物や住かを見つけるなど)をなし遂げるために、種々の(温度、空間、時間、それに他者との関係にかんする)パラメータで多数のフィードバックループを用いて、世界のモデルを構築するプロセスのことである。私はこれを『意識の時空理論』と呼んでいる。 (P63)」としている。
テレパシー、記憶の移植など、SFの世界であったものが、現実になろうとしていることに、わくわくする。心で考えるだけでものを動かしたり、これは障害者の能にチップを埋め込んで、Wi-Fiで信号を送り、パソコンを経由して義肢などを動かすモノが既に実用化されている。さらに、感情や感覚をインターネットで送ったり、記憶や知能を強化することもできるようになったりする。
心の働きが更に解明されれば、がんに対する免疫力を高める方法や、プラシーボ効果についてもより分かるようになるに違いない。
3.11の後、カク博士は継ぎのように語っていた。
日本の専門家の中には、『多くの死者と行方不明者を出した地震津波に比べて、原発事故の被害は少ない』という人がいるようですが、それは楽観しすぎです。指先でビルの屋上の外壁にぶら下がり、『見てみろ!安定しているじゃないか!誰も死んでいないのだから、すべてOKだ』と言っているのに等しい。本当はいつ再爆発してもおかしくないーーーー これが福島第一の実態なのです。」
結果的に再爆発はしなかったが、4号機のプールに貯蔵された使用済み燃料が再爆発しなかったのは、いくつかの偶然のおかげであることは以前にも書いた。
今では、交通事故の死者数と比べて「一人も死んでいない」という”専門家”もいる。