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今日の一冊(27)『がんのPET検査がわかる本』

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がんのPET検査がわかる本

がんのPET検査がわかる本

聖栄, 安田
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膵臓がんに関する内容は、

膵臓がんではもっとPETが活用されてよいと思うのですが、実際には膵臓がんを扱う医師に十分に利用されていません。理由のひとつは、PETの価値が正しく伝わっていないことです。

特に膵臓がんでは、「黒く写ればがん、写らなければ良性」と単純に解釈できません。

一般的な話ですが、がんの塊を顕微鏡で観察すると、それが数多くのがん細胞と、その周囲の間質組織から成っていることがわかります。その塊のがん細胞の緻密度は「腫瘍の細胞充実性」といわれ、がんの種類によって、また同じ種類のがんでも個人によって異なります。膵臓がんでは、この細胞充実性にばらつきがあり、低いケースが多いのです。

一般に、FDGはがん細胞に高集積しますが、間質組織には集積しません。その結果、がん細胞の充実性が高いとFDGの集積が目立ちます。しかし、間質組織の中にがん細胞がバラバラみられる程度で細胞充実性が低い場合、集積はみられなくなります。膵臓がんでPET画像を正しく評価するには、この細胞充実性の情報、すなわち組織検査の結果が大切です。

膵臓がんで2㎝以下の腫瘍(これは膵臓がんとしては小さいほうです)であれば、検出感度は81%です。これは悪くない数字です。PETには膵臓がんを初期の段階で発見できるポテンシャルがあるのです。 しかし、良性であっても炎症があれば FDGが集積します。その結果、良性の慢性膵炎でも炎症の強い時期は濃く写ります。このため、慢性膵炎とがんをPETで100%正確に区別することはできません。しかしこの点を理解しておけば、かなりのケースでPETは役に立つと思います。

膵臓がんでは、FDGが高集積して濃く写るタイプと、写らないタイプがあり、写るタイプではPETが役立ちます。どちらのタイプ かは、手術後であれば切除標本の病理組織像が参考になります。組織型が不明の場合には、PET検査をしてみないとわかりません。そして PETで写れば写るタイプということになります。

膵臓がんでは、転移・再発の発見が予後を改善するというエピデンス(科学的根拠)が示されていないという問題はありますが、転移・再発の発見でPETは今以上に有効活用できるでしょう。


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