話題のシンギュラリティー癌との関係は?

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【日 時】2019年4月14日(日) 13:10~16:30(開場・受付:12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分 Luz大森4階 入新井集会室
【参加資格】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参 加 費】1,000円(会場使用料及び資料代、講師謝礼)
【定 員】 130名
【内 容】
●講演:森省歩氏(ジャーナリスト)『最新取材報告 ここまでわかった「丸山ワクチンの実力」』
●患者さんどうしの情報交換~フリートーキング

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申込み受付は、3月1日(金) 8:00からです。
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「シンギュラリティ」が話題になっています。AI(人工知能)が飛躍的に発展した結果、2045年までにはシンギュラリティ(技術的特異点)が来て、人間は永遠の命を得ることができるようになる。もちろん癌も克服されている、と言うのですが・・・

シンギュラリティとは?

宇宙物理学の分野では、ブラックホールの中には、密度や重力の大きさが無限大になる「特異点」があると考えられています。(重力の特異点)

しかし、いま注目されているシンギュラリティは、正確には「技術的特異点(Technological Singularity)」のことです。科学技術が「無限大」に発展すると予測されており、単に「シンギュラリティ」といえば、この技術的特異点のことを意味するようになりました。

シンギュラリティ(Singularity)とは、人工知能(AI)が人間の能力を超えることで起こる出来事とされ、テクノロジーが急速に変化し、それにより甚大な影響がもたらされ、人間の生活が後戻りできないほどに変容してしまうとする未来予測のこと。未来研究においては、正確かつ信頼できる、人類の技術開発の歴史から推測され得る未来モデルの限界点と位置づけられている。

「100兆の極端に遅い結合(シナプス)しかない人間の脳の限界を、人間と機械が統合された文明によって超越する」瞬間のこと。(Wikipediaより)

レイ・カーツワイルの『シンギュラリティは近い[エッセンス版] 人類が生命を超越するとき』には、

シンギュラリティとは、われわれの生物としての思考と存在が、自らの作り出したテクノロジーと融合する臨界点であり、その世界は、依然として人間的ではあっても生物としての基盤を超越している。

人間が生みだしたテクノロジーの変化の速度は加速していて、その威力は、指数関数的な速度で拡大している。

と説明されています。

コンピュータの処理能力の飛躍的な進歩により、AIやシミュレーションによって社会的な難解な問題が次々に解決されて、創薬や医療の分野でも革命が起きる。2045年頃までにはシンギュラリティが到来し、それ以前の2025年頃にはプレ・シンギュラリティが来るだろうと言われています。

癌との関係は?

レイ・カーツワイルの『ポスト・ヒューマン誕生ーコンピュータが人類の知性を超えるとき』は2007年に邦訳版が出版されているのですが、癌については、直接的には多く触れられていません。

癌を克服するために、いくつもの戦略が探られているが、特に有望なのは、免疫系を刺激して癌細胞を攻撃する癌ワクチンだ。また、免疫システムの見張り番としての樹状細胞の刺激も期待できる。

それ以外には、①癌が成長するための戦略である、新生血管の阻止、②細胞分裂の回数を制限しているテロメアの増殖法などが書かれているだけです。20年以上も前の著作だから、歴史的制約から致し方ない面もあるが、物足りない。

しかし、シンギュラリティによって、人間は「永遠の生命」を得ることになるとの結論は変わらないようだ。

だた、そのとき人間は「サイボーグ」になっているというのが、私にはグロテスクすぎて、私という自我や意識はどこにあるのかと、いささか戸惑ってしまいます。

PEZY Computing 代表取締役社長で起業家の齊藤元章氏は、人工知能とスパコンを駆使して、日本人に合わせた癌の遺伝情報の収集・選別システムを開発している。

齋藤氏は、シンギュラリティは医療や生命科学の領域も例外ではないとして、メトホルミンの例を挙げている。

メトホルミンは古くから使われている糖尿病治療薬であると同時に、老化を抑える作用を期待されている。さらに今回、消化器系がんに対する効果が明らかになった。

これらの事実は一見、メトホルミンが「病気」「老化」という別個の生命現象にそれぞれ効果を発揮するように見えるが、実際には糖尿病・消化器系がん・老化に共通する「未知の状態や概念が介在するのかもしれない」(齊藤氏)。

つまり、生命現象には人間に把握できる“1対1”の対応では捉えきれない「1対n、n対1、n対nの関係がたくさんある」可能性がある。人工知能がこうした複雑な対応を次々と明らかにしていくことで、「医療や生命科学の固定概念を見直さなければいけない」時代が来る

と語っている。この齋藤氏は、新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の助成金約4億3000万円をだまし取ったとして、昨年12月に、詐欺の疑いで東京地検特捜部に逮捕されている。

このような人物が、未来は薔薇色であると言っても、詐欺師と未来論=シンギュラリティは親和性が高いのかと思ってしまう。

シンギュラリティは来ないと考える理由

メトホルミンが消化器がんに効果があると分かったのはAIのおかげだとしても、AIが分析した元のデータは”人間の臨床試験”である。人間の生体反応、化学反応の時間は有限である。技術が指数関数的に発展し、AIの能力が倍々に増加しても、人間の生体反応が倍々になることはない。臨床試験の結果を数ヵ月や1年に短縮することはできないのである。

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AI(人工知能)によってすべてが解決されるのだろうか。AIと言っても所詮は「数学」である。

数学の構成要素は論理・確率・統計である。これらを使って、人間が考える価値や意味を近似しているに過ぎない。患者個人が感じている、しびれや倦怠感などの抗がん剤の副作用を、確率や統計で表すことはできない。したがって、抗がん剤で「統計的に」余命が3ヵ月延びるが、これこれの副作用がある「確率」でおきることがある。これで治療しますか? と問われても、AIが「患者にとって」正しい結論を出すことはできない。

統計と確率だけでは、「49人に効いた抗がん剤よりも、51人に効いた抗がん剤の方が優れている」というような、紋切り型の価値観・結論しか出てこない。

人間の知性は、論理と確率と統計では表すことができないのである。

ロシアン・ルーレットを考えてみよう。6個の弾倉に弾が一発入っている。6分の1の確率であなたは死ぬ。しかし、実弾が出なければ、6分の5の確率であなたは1億円もらえるとする。あなたの命の値段は1億円(安すぎるか?)である、としたとき、このゲームの期待値は、

1億円×5/6ー1億円×1/6≒6666万円

であるから、このゲームの「期待利益」はプラスであり、絶対にトクになるのだからゲームに参加すべしとなる。しかし喜んで参加しようとする者がいたとしたら精神鑑定をした方が良いだろう。

ここには二つの問題がある。期待利益は「無限回の繰り返しを行なった場合」に言えることであるが、私の命は一つしかない。私の命の値段は、社会的には1億円の価値かもしれないが、私や家族にとっては札束の厚さではない

そして、数学的に解決するすべしか持たないAIでは、このゲームに参加すべしという答えを出しかねないのである。私の命は確率では計算できない。

癌も人間も複雑系である(と、ブログでさんざんと書いてきたが)。原因と結果が1対1には対応しない、1対nのnが無限大にもなる”超”非線形なシステムである。技術が無限大に発展しても、無限大の要素を分析することはできないだろう。

不老不死で人間は幸福になるのか?

不老不死は、秦の始皇帝以来の人類の夢だが、いつまでも死なないことはありがたいことなのだろうか。人生が永遠というのは、今日やるべきことを永遠に引き延ばしができるということである。果たしてこの時、今日やることのない人間は何のために生きているのだろうか。

誰も死ななければ、人口は増加する一方である。しかし、地球の資源は有限である。使うことのできるエネルギーの総量は、太陽からとどくエネルギーの制約の範囲内である。

病から解放されたい、もっと長く生きたいは、個人にとっては切実な悩みであり、科学技術はその解決策を提供してくれるだろう。しかし、個人的には合理的な判断であっても、社会全体、人類全体にとっては不合理な結果になることがある。シンギュラリティはそうした問題を引き起こさざるを得ないだろう。

今日の一冊(87)『科学知と人文知の接点』で紹介した本で、山中伸弥教授は島薗進氏の対談において、

高齢化で、平均寿命がどんどん延びてしまう恐れがある。この場合は、多くの人に比較的均等にそういう利益が及ぶ。利益なんだけれども、社会的には害悪になりかねないという話しです。一方で早い段階から新しい格差といいますか、人類を二分するようなことになってしまうんじゃないかという懸念が出されています。つまり、遺伝子レベルにいたるような医療技術で心身の能力などを、改善した人たちと、そうでない人たちが別れて、一つの人類という意識も失われてしまうんじゃないか。

と、社会的には害悪となる恐れと、進歩した技術の恩恵を受けられるのが金持ちだけとなり、社会的格差が広がることを懸念している。

NEDOの補助金を詐取した齊藤元章氏のような人物がAIの旗手等と、もて囃されているようでは、この懸念もまんざら根拠のないことではなかろう。

2025年頃にはプレ・シンギュラリティが来るだろうというが、光免疫療法でさえも実用化されているかどうか怪しい。


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