光免疫療法ー頭頸部がんの次は膵臓がんか

放射線医学総合研究所(放医研)と国立がん研究センター東病院が共同で、光免疫療法(NIR-PIT)の膵臓がんに適用できる抗体を研究しているようです。

光免疫療法は、がん細胞の細胞膜表面にくっつく「抗体」に化学物質を付けた薬剤を投与し、患部へ近赤外光を当てることによって、がん細胞だけを破壊する治療法ですが、現在治験が行われている頭頸部がんでは、EGFRをターゲットとした抗体が用いられています。

EGFRは頭頸部がん、肺がん、乳がん等に存在することがわかっています。

その他のがんでは、それぞれのがんの抗原に特異的に結合する抗体を選ぶ必要があり、小林久隆氏によれば、既存の抗体を使って8~9割のがんには光免疫療法が適用できるだろうと述べていました。

昨年12月28日付で『World Journal of Gastroenterology』誌に発表されたこの論文によると、膵臓がんに対する抗体として、インドシアニングリーン(ICG)で標識化したモノクローナル抗体である抗TF抗体-1849を使って、マウスの膵臓がんモデルで実験をし、蛍光顕微鏡を使って観測しましたとのこと。

その結果、

  • NIR-PIT誘導性の細胞死を観察した。
  • NIR-PITを照射された群は、他の群とは対照的に腫瘍の増殖を有意に押さえることができた。

結論:
1849-IGCコンジュゲートを有するTF標的化NIR-PITは、潜在的にTF発現膵臓癌の治療のための新たな基盤を開くことができる。

まだマウス実験のレベルですが、頭頸部がんの次は膵臓がんが視野に入ってきました。

楽天の三木谷会長の父親も楽天球団の星野元監督も膵臓がんで亡くなっていますから、膵臓がんへの適用は早い段階で考えるのではないかと思っていました。

膵臓がんに対する一日も早い臨床試験の開始を期待しています。


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