『膵臓がん患者と家族の集い』丸山ワクチン講演の報告

14日に開催した今年2回目の「膵臓がん患者と家族の集い」も、130名とたくさんの方の参加をいただき、盛況のうちに終了いたしました。

中には、事前の予約が間に合わずに、飛び込みで参加された方も数人おられました。

遠方から参加された方もたくさんいました。北は青森県から南は宮崎県まで、この日のためにわざわざお越しくださりありがとうございました。

森省歩氏の『最終取材報告 ここまでわかった「丸山ワクチンの実力」』の講演内容は、がん患者でもあるジャーナリストの森省歩さんが、日本医科大学の研究者の方や厚生労働省などを取材した、まだ公にできない興味深い話題も含めて紹介され、皆さん熱心に聞き入っておられました。

森さんの約2時間に及ぶ講演内容をかいつまんで紹介しますと、

丸山ワクチンには確かな効果があるのだとして、その根拠に臨床試験の結果を詳しく説明されました。

P値と言われる統計的な数値で、その臨床試験が有効かどうか、統計的有意差はあるのかどうかを判断するのですが、丸山ワクチンの臨床試験では、それが6.5%と統計的有意差があると言われる5%超えており、点推定のP値を見る限りでは統計的に有効とは言えません。

しかし信頼区間と言われる別の指標で見ますと、例えば子宮頸がんのステージⅢの患者だけを見れば、明らかに信頼区間において丸山ワクチンの有効性が示唆されているのです。

この点推定あるいはピーチと信頼区間の関係については、私もこのブログで何度か紹介しており最近も『「統計的有意差」なんて、もう止めませんか?』という記事を書いたばかりですので、興味のある方はそちらを参照してください。(下の「このブログの関連記事」に挙げてあります)

丸山ワクチンは「古くて新しい免疫療法」として、最近その効果のある科学的な根拠などが研究をされております。

丸山ワクチンは樹状細胞に働きかけて、がん細胞によって抑制された樹状細胞の攻撃力を回復する能力があります。その仕組みとしてクロスプレゼンテーションというものがあると説明されました。

樹状細胞ががん細胞の抗原を提示する方法に二つの仕組みがあることが明らかになってきました。そして多くの樹状細胞ではクラスⅡといわれるがん抗原の提示の仕方があるのですが、この仕組みでは、キラー T 細胞を活性化させてがん細胞を攻撃することができません。

しかしもうひとつの仕組みクラスⅠMHC という抗原の提示の仕方を活用すれば、がん細胞に特異的なキラー T 細胞活性化させ、がんを攻撃する能力が強くなります。これがクロスプレゼンテーションの仕組みなのですが、丸山ワクチンは、クロスプレゼンテーションの働きを選択的に活性化させるということが明らかになってきております。

このようにして、丸山ワクチンがあらゆるがん種に対して効果を発揮するということと、その仕組みが徐々に解明されつつあること。丸山ワクチンが開発されて70年になりますが、最近そうした仕組みがますます明らかになってきたと、森さんは説明されました。

こうした話の概略は森さんがサンデー毎日に連載された特集で概要を説明されておりますのでそちらを参考にすることも有効でしょう。このブログでも記事の写真が貼ってあるので、読むことが可能です。

参加者から事前に提出していただいた質問事項についても丁寧に回答していただき、さらに会場からいくつかの質問もいただき、活発な議論となりました。

講演の後は、いつも通りの患者さん同士の情報交換の場です。皆さんお目当ての患者さんを探して熱心に情報の交換をされていました。

岐阜県から患者さんも含めた家族5人で参加されたという方がいましたが、帰り際に「家族全員で参加してよかった。たくさんの希望を持って帰ることができます」、そうした感謝の言葉をいただくことができました。

「丸山ワクチンとがんを考える会」の丸山達生氏も、たくさんの参加者から質問攻めにあっておられ、主治医が丸山ワクチンを認めてくれない場合の対処方法など、丁寧に相談に応じておられました。

またSmile Girlsの善本考香さんは、標準治療で効果のなくなった患者さんに対して、具体的なアドバイスをつづけ、帰りのエレベーターの中までも熱心に説明をしておられた姿が印象的でした。

毎回参加してくださっている押川勝太郎先生も、各テーブルを忙しく立ち回って、具体的な相談や困ったことに対してアドバイスをしておられました。

次回の『膵臓がん患者と家族の集い』は6月22日を予定しております。サイモントン療法と今世界的に話題となっているマインドフルネスについて、日本サイモントン療法協会の川畑のぶこさんによる講演を行います。

詳細についてはもうしばらくお待ちください。


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