サイモントン療法とは?(1)

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【日 時】2019年8月31日(土) 13:10~16:30(開場・受付:12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分 Luz大森4階 入新井集会室
【参加資格】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参 加 費】1,000円(会場使用料及び資料代、講師謝礼)
【定 員】 130名
【内 容】
●講演:緩和ケア医 大津秀一先生「膵臓がんの緩和ケア~これだけはおさえておくこと~」(仮)
●患者さんどうしの情報交換会~フリートーキング

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6月の『膵臓がん患者と家族の集い』は、NPO法人 サイモントン療法協会認定トレーナー 川畑のぶこ氏の「がんと心の関係~サイモントン療法による癒やし~」を予定しています。

サイモントン療法とはどういうものなのでしょうか? がんの治癒との関係はどのようなのでしょうか? 私自身も、膵癌の術後早い段階からサイモントン療法を行ってきました。

何回かに分けてサイモントン療法関係の記事を載せる予定ですが、最初に川畑のぶこさんの動画「サイモントン療法のご案内」をご覧ください。

 

文字起こししたものも載せておきます。(小見出しは私が付けました)

サイモントン療法のご案内

みなさま、初めまして。サイモントン療法認定トレーナーの川畑のぶこです。今からサイモントン療法についてご説明いたします。

サイモントン療法の開発

サイモントン療法は、アメリカの放射線腫瘍医カール・サイモントン博士により開発された、がん患者さんとご家族のための心理療法です。

心理療法と聞くと、私たちは、心のケアをするプログラムなのかなという風に考えるかと思います。もちろんサイモントン療法は心のケアを行いますが、元々は、私たちの体に違いを作る、すなわちがんを癒す過程にこの心のアプローチを役立てるという目的で開発されました。

1960年代、サイモントン博士が臨床の現場に実際に立った時、ある矛盾に直面しました。同じ診断のくだっている患者さんに対して、全く同じ治療をしているのにもかかわらず、ある人はどんどん元気になり、がんが退縮して、中には消失する人もいる。ところが、ある人はがんがどんどん悪化して、中には死を迎える人もいる。こういう矛盾に直面しました。

一度だけではなく何度もこのような矛盾に直面したのです。ここでサイモントンは、一体何が医学に欠けているんだろうか、そして実際に患者さんにとって必要なものは一体何だろうかという風に悩みます。

ここでじっくりと患者さんを観察していった結果、どうやら希望を持って日常生活や治療に取り組んでいる患者さんというのは予後が好ましいという風に観察しました。

それとは反対に、絶望感に苛まれて治療や日常生活を送っている患者さんというのは、どうも予後が好ましくないということを観察したのです。

ここでサイモントンは、「希望」というキーワードを持って医療に取り組もうという風に思い至ります。どうやって患者さんに希望を与えたら良いだろうか、また、どのように効果的に絶望感を解消したら良いだろうか。これが彼の次なる課題となったわけです。

ところが、この希望の概念は医療現場では特に大きな混乱があります。やたらめったらがん患者さんや家族に希望を抱かせるものではない、あるいは、君が与えようとしてるのは偽りの希望だ、このようなコメントがされました。そこでサイモントンは混乱し、なぜそんなに希望を持ってもらうことがいけないことなのか、本当に自分は偽りの希望を与えているんだろうか、ここで「希望」が何であるかをつまびらかにするべく、サイモンとは医学部の図書館に向かいました。

ここで出会った「希望」の定義が、サイモントンのその後の人生を変えることになります。ウェブスターの図書館版の「希望」すなわち「 HOPE」の定義にはこのように記されていました。「希望とは、可能性の隔たりに関わらず、得たい結果が得られると信じること」。このように書かれていたのです。

これを健康と病気の分野に当てはめてみますと、希望とはどんなに病状が悪くとも、あるいはどんなに医学的な確率や統計が低くとも、「私は健康を取り戻すことが可能であると信じること」です。

このウェブスターの「希望」の定義を持って、サイモントンは揺るぎない精神で患者さんの希望を提供していこうと決めました。

プラセボ効果から学ぶ

そこから、様々な分野から、いかに患者さんの絶望感を解消して希望をサポートするか、また患者さんの心の状態を良くするか、ということに取り組んでいきます。いくつかの分野から彼は学びました。

まず最初に精神科の領域から人々の抱く期待感について、また薬学の領域から偽薬効果、プラセボ効果とかプラシーボ効果と言われる分野があります。プラセボ効果というのは実際には物理的な薬効がないにもかかわらず、そのような薬効があると信じた人には、実際にその信じたような効果が得られるというものです。何の薬も入っていないお水を、とっても効く抗がん剤だと信じて飲んだ場合に、実際にがんの退縮が見られるとか、消失が見られるとか、このような効果のことをプラセボ効果、あるいはプラシーボ効果と呼んでいます。

このプラセボ効果の領域からたくさんを学びました。

イメージがパフォーマンスを向上させる

また三つ目に、これは非常に変わった分野からなんですけれども、ビジネスパーソン向けの分野、ビジネスマンに対して、心のあり方がそのビジネスのパフォーマンスを向上させるという、こういうセミナーがありました。

私たちの持つイメージが、実際に行動や人生に違いを作るというものでした。このビジネスパーソン向けに行われていた研修が、サイモントンは、がん患者さんにも応用できるという風に思ったわけです。すなわち、私たちが得たい結果をイメージする、がん患者さんであれば、自分のがんがどんどん退職して、消失して、自分が元気に豊かな人生を送るというイメージ。

もちろん、ご家族にもこのイメージは重要になってきます。ご家族であれば、患者さんがどんどん元気になっていくイメージを持って患者さんと接していくということになります。ここから、患者さんの心のアプローチを具体的に取り組もうという風に考えるわけです。

第1号の患者は喉のがん

そして、1971年の4月に第1号の患者さんに向かい合います。この患者さんは喉に進行したがんを患っている患者さんでした。余命1、2ヶ月、持っても3ヶ月と言われている患者さんでした。喉の中は潰瘍状態になっていて、食べ物も飲み込むことがままならない状態でした。自分自身の唾を飲み込むのがやっとという患者さんでした。当時のサイモントンの上司で放射線科の部長は、もう何をしても無駄なので何もしないように、ということをサイモントンに告げました。放射線はすればするほど副作用がひどくて死期が早まるだけだという風に伝えました。

放射線科の部長が、彼のキャリアの全てをもってしてもこの患者さんのケースで治癒したケースはないので、みんなすぐに悪くなってすぐに亡くなるという風に伝えました。

ここでサイモントンが、この状況を逆手に取りました。医学的に何にもなすすべがないのであれば何をしてもよいではないか、という風に捉えたわけです。ここで患者さんと向かい合って、自分がこれまで数年間にわたって勉強してきた心のアプローチについて説明をしました。そして患者さんに、是非この心のアプローチを持って治療してみたいんだけれどもやってみる気はないか、という風に話を持ちかけたんです。この患者さんは喜んでそのオファーを受け入れました。

病は気からと心身一如

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実は、この患者さんは東洋哲学に精通している患者さんで、私たちは「病は気から」という言葉をよく聞きます。あるいは「心身一如」というような言葉をよく耳にしますけれども、東洋人の私たちにとっては馴染みのある概念かもしれません。ところが西洋人にとってはあまり馴染みのない概念であるかもしれないんですけれども、この患者さんは、この東洋の哲学に関心が強かったので、この「病は気から」あるいは「心身一如」というような概念がしっくりきました。そして彼自身も、この心の状態が体に影響を与えるということを深く信じていました。

後々サイモントンは、この彼自身が深く信じていたということも、とても重要な要素であるということを気づきます。

4週間後にがんが消失

いずれにしましても、この患者さんの同意を得て心の治療を行っていきました。6週間の計画で取り組んでいきました。この心のアプローチにプラスして高線量の放射線治療も行うことにしました。本来であれば高線量の放射線治療などしたらばこの患者さんはすぐに悪くなってすぐに死ぬというような所見だったんですけれども、患者さんが望んだので心のアプローチと共に放射線の治療もおこなってきました。6週間の治療計画で行ったところ、2週間後に固形物が食べられるようになりました。そして4週間後にがんの消失が認められました。

高線量放射線による副作用がゼロだった

このことは、とても目を見張るべき結果なんですけれども、サイモントンが、何にも増して驚いたのは、医学者として驚いたのは、もう余命いくばくもないと言われている患者さんのがんの消失が認められたことよりも、このような弱った患者さんに対して高線量の放射線治療をしたにもかかわらず、副作用がゼロだったということなんです。

この体験を持ってサイモントンは、私たちの心のあり方が治癒の過程また治療にも影響を及ぼしうる、特に治療の副作用にも影響を及ぼし得るという風に判断します。

臨床試験で画期的な成果

そしてそこから4年間、1974年から1978年の4年間で大掛かりな研究をすることになります。

193名の進行したがんを患った患者さんに対して、通常の治療にプラスして心のケアを行いました。その結果、この心のケアを行った患者さんというのは予後は好ましく、生存率に関しては、生存期間が通常の2倍以上になるということがわかりました。そして、何にもまして大切な QOL と呼ばれる、私たちの人生の質あるいは生活の質 Quality Of Life の略で QOL と呼ばれていますが、この人生や生活の質が高まるということが分かったんです。

もちろん生存期間が伸びるってことは、私たちにとって喜ばしいことではありますけれども、何も増して大切なのは、がんの恐怖に脅かされることなく、あるいは死の恐怖に脅かされることなく、私たちが生き生きと命を輝かせて日々を送る、ここが最も重要なポイントになってきます。そしてこれがサイモントン療法の意義です。

何が悪いのかでなく「何が良いのか」

この私たちのQOL を高めることを目標に、様々なアプローチをしてきます。通常基本的なサイモントン療法は6日間の滞在型の研修スタイルで行われますけれども、今日本ではこれがマンツーマンの個人カウンセリングとしても、様々な医療機関あるいはカウンセリングルームで提供されるようになっています。あるいはマンツーマンでなく、夫婦であったりご家族であったり、グループでこの療法が提供されています。

6日間のプログラムでは、基本的にまず私たちの健康にとって「何が良いのか」ということに主眼を持ってアプローチをしていきます。病気になると、どうしても私たちは何が悪いのか、何が問題なのか、それをどう正したらいいのかということにエネルギーを奪われがちですが、そうではなくて、私たちの生命力や気を高めるもの、エネルギーを高めるもの、すなわち私たちにとって「何が良いのか」ということにアプローチしていきます。

そのことをするのに様々なアプローチの中から、これは私はサイモントンの中で最も重要なアプローチという風に思っていますけれども、私たちの心が躍動するもの、心がときめくもの、私たちに深い喜びや深い充足感をもたらすもの、これは何だろうか。ここに取り組みます。

喜びの感情は治癒力を高める

この私たちにとって何が良いかということに取り組んでる時に、私たちの治癒力も心の治癒力も高まり、これは心だけでなく整体にもいい影響を及ぼすという風にサイモントンは判断しています。

また、それらを裏付けるような学術的なバッグブランドも最近では得られるようになってきています。1980年代以降には、精神神経免疫学という学問が確立されて、私たちの感情というのは神経系やホルモン系を介して免疫に影響を及ぼす、喜びの感情、肯定的な感情というのは免疫を高めるということが分かってきました。

それとは反対に、悲しみだとか不安、恐怖、怒りといった否定的な感情というのが、私たちの免疫系を抑えてしまうということも分かってきました。

このように、私たちの心の状態を良い状態にしていく、すなわち「何が私たちにとって良いのか」、ここをアプローチすることは、とっても重要な課題になってきます。

がんはメッセンジャー

また病気を攻撃者として捉えるのではなく、特にがんのような生と死に関わるような病気になりますと、私たちはどうしても、なぜ自分たちががんに蝕まれなければいけないのか、がんを攻撃者として、敵としてみなすというような姿勢を抱きがちです。

そうではなくて、がんを攻撃者ではなくメッセンジャーとして、私たちの日常生活の中の何か大切なバランスが崩れているということを伝えてくれるメッセンジャーとして捉え、その メッセンジャー のメッセージに耳を傾けてバランスを取り戻していく、ということを重要視します。このバランスを取り戻していくためにも、先ほどお話した、何が良いのか、何が喜びをもたらすのか、何が私たちに深い充足感や生きがいをもたらすのか、ここが重要なアプローチになってきます。

問題が出てきたのであれば、もちろん問題に目を背けることはせず、問題にも目を向けていきます。この足かせとなるものは不安であったり、恐怖であったり、焦燥感であったり、自責の念であったり、罪悪感であったり、否定的な感情です。この否定的な感情を効果的に解消して安定した感情にするか、安定した感情をもたらすか、あるいはより肯定的な感情にしていくかということは非常に重要な部分であります。

ここも専門的な、特に認知行動療法という心理学的なアプローチを用いて、感情の安定というものを図っていきます。

正しい死生観を持つ

また病気に対する捉え方だけではなく、その背後にある、そして私たちが恐れがちな死に対してもアプローチしてきます。健全な死生観を育むことによって心の平安をもたらし、死を恐れることなく、生と死をきちんとバランス感覚を持って統合して、これは決して諦めるという意味ではないです。死をきちんと受容して、体の一部として統合して、死に対してリラックスして、今日何ができるか、私たちの与えられた日々これを大切に丁寧に生きていくか、また輝かして生きているか、このようなアプローチをしていきます。

病気を受け入れ死を受け入れ、決してこれを否定的に見ることなく、生と死を統合し、健康と病気を統合していくことによって、私たちは安定感が得られます。また信頼感が得られます。この信頼感こそが私たちの癒しの要となってきます。

家族は第二の患者

また、がん患者さんをサポートするご家族やサポーターの方にとっても、このサイモントン療法はとっても有効です。私たちのサポートやコミュニケーションというのは、患者さんの癒しの過程に大きく影響を及ぼします。私たちが良かれと思って行なっているサポートが時として患者さんにとって負担になってることもあります。逆に患者さんがしてほしくないことをしていたり、してほしいことがされていなかったり、これはストレスを生む原因になってしまいます。

サポーターが、安定感をもって質の伴ったサポートをするためにも、まずサポーターご自身が感情の整理ができている、また日々の中でリラックスしたり喜びの時間を持つということはとっても重要な課題になってきます。

サイモントン療法では患者さんとご一緒に、このサポーターの方のケアも行っていきます。サポーターというのは第二の患者とも呼ばれています。決して患者さんだけがケアされれば良いのではなく、サポーターのケアというのもとっても重要なポイントになってきます。

そういった意味で、サイモンと療法は、患者さんだけが受けられることでも価値はありますが、サポーターの方とご一緒に受けることによって、より効果が増します。ご家族の皆さんで揃ってお受けすることをお勧めいたします。

サイモントン療法は全国で受けられる

この療法は、現在日本全国で各地のセラピストが、医療機関であったり、カウンセリングルームであったりで提供しています。皆さんのお近くのセラピストを調べたい場合は、サイモントン療法協会のホームページに掲載されていますので、一度お目通しください。またサイモントン療法の6日間のベーシックプログラムに関しても、ご関心のある方はホームページでスケジュールをご確認ください。

皆様が今取り組まれている治療や健康法にプラスしてサイモントン療法を取り入れることによって、癒しの道がさらに大きく開かれることと思います。希望を持って取り組みましょう。ありがとうございました。


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