アブラキサンとジェムザール併用療法はDFSを延長せず
ASCO 2019の詳細報道が次々に出てきますね。
膵腺癌の術後補助化学療法で、アブラキサンとジェムザール併用療法(nab-P/G療法群)は、ジェムザール単独に比べて、無病生存期間(DFS)を延長できなかった。
国際的オープンラベル無作為化フェーズ3試験APACTです。
無病生存期間(DFS)は、疾患がない状態での生存を評価する指標ですね。
研究グループの評価によるDFS中央値は、nab-P/G療法群は16.6カ月、ゲムシタビンのみ投与群が13.7カ月で、有意にnab-P/G療法群が長かった。
しかし、独立審査による判定では、DFS中央値は、nab-P/G療法群は19.4カ月、ゲムシタビンのみ投与群が18.8カ月であったが、有意差はなかった。
研究グループの評価は、自分たちの研究ですから、やはり甘くなるのでしょうか。
サブグループ解析で有意にnab-P/G療法群が良かったのは、中分化型患者、リンパ節転移陽性患者、ベースラインのCA19-9の数値が正常範囲内のグループだった。
また、研究グループの評価による中間解析での全生存期間(OS)はnab-P/G療法群で延長していた。
ちょっと解釈に戸惑いますが、術後補助化学療法でアブラキサンを加えた方が良いのかどうか、悩みどころですね。
日本での術後補助化学療法の標準はTS-1なのですが、日本でも同じような試験をやっているのでしょうか。