内視鏡検査の結果 術後補助化学療法のエビデンス

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会社の健康診断で「食道下部に隆起の疑い」と診断され、今日は内視鏡での精密検査でした。結果は「異常なし」。 ほっとしました。

膵癌が食道に転移することはほとんどないと知っていたので、まったく心配はしていなかったのですが、それでも「異常なし」とはっきり言われるとうれしいものです。念のため少し組織片を採取して組織検査をするらしくて、最終結果は1週間後ですが。

木曜日には5/27に撮ったCTの結果を聞きに癌研です。そろそろ再発・転移の可能性が大きくなる時期ですから、こちらの方が気がかりです。しかし、自分でコントロールできないことを心配してもしかたないから「成り行き次第」で神様にお任せです。

アヘンチンキを近くのクリニックで処方してもらえることになりました。癌研はCTで経過観察するだけになっており、麻薬の阿片は2週間以上は処方できません。アヘンチンキのためだけに癌研に行くのは面倒だし、病院も迷惑でしょう。

患者は「大きな病院、有名な病院」にかかっていればそれだけで安心感があるのでしょうが、その結果特定の病院に患者が集中してしまいます。仮に再発・転移してももはや癌研で治療できる方法は「標準的な抗がん剤治療」と「放射線治療」しかありません。私の現状では癌研や国立がんセンターなどの「統計を取るための」病院に通う必然性はないと思います。木曜日にはセカンドオピニオンをお願いして、データをもらい、いくつかの病院で今後の有益な対処方法を探してみようと考えています。

術後補助療法のエビデンス(科学的な根拠)

2005年のASCO(アメリカ臨床腫瘍学会)に発表された「術後補助化学療法」でジェムザールを投与した場合のDFS(無病生存期間)が約2倍に延びるという口頭発表がありますが、その時点ではMST(生存期間中央値)は出ていませんでした。その詳細な論文がJAMA誌に発表されているようです。原文は英語ですが、それの邦訳が下記の記事です。無病生存率は確かに2倍ほどになっていますが、3年生存率、5年生存率の全生存率は統計的に有意な差がないですね。再発時期は遅らせられるが、再発すると死亡するまでの期間は無治療の群よりは短くなるということなんでしょうか。「再発は遅らせることができるが、余命は変わらない」ということです。

もう少し詳細な記事がこちらにあります。


膵がんの完全切除後にゲムシタビン(製品名「ジェムザール」)を投与すると、再発が抑制されることを示したフェーズ3試験の結果が論文発表され た。独Humboldt大学/Berlin自由大学Charite医学部に所属するHelmut Oettle氏らは、2005年の米臨床腫瘍学会(ASCO)で口頭発表した研究結果の詳細をJournal of the American Medical Association(JAMA)誌2007年1月17日号に報告した。
研究者たちは、ドイツとオーストリアで、1998-2004年に、放射線治療または術前化学療法歴がなく、R0切除(病理学的に完全に腫瘍を切 除)またはR1切除(肉眼的には完全に腫瘍を切除)が行われた膵臓がん患者(実際には80%の患者がR0切除)を登録。175人を観察のみ、179人を術 後ゲムシタビン投与に割り付けた。
治療群には6サイクルのゲムシタビン治療を実施。1サイクルは4週間。1000mg/平方メートルの静注を週1回、3週間行い、1週間休薬とした。治療群の62%が6サイクルの治療を全て終了した。
追跡期間の中央値は53カ月。再発は治療群の74.3%、対照群の92%に見られた。主要エンドポイントに設定された無病生存期間の中央値は、そ れぞれ13.4カ月と6.9カ月(P<0.001)で有意差が認められた。3年無病生存率、5年無病生存率の予測値は、ゲムシタビン群で23.5%と 16.5%、対照群では7.5%と5.5%となった。
ゲムシタビンの無病生存期間延長効果は、当初の腫瘍の大きさ、リンパ節転移の有無、R0切除かR1切除かなどにかかわらず有意だった。
二次エンドポイントである全生存率については、全生存期間の中央値は治療群22.1カ月、対照群20.2カ月(P=0.06)で、ゲムシタビン群の方が良好である傾向が見られたが、統計学的有意性は示されなかった。
ゲムシタビンに対する忍容性は高く、グレード3または4の毒性は希だった。生活の質(QOL)に有意差はなかった。
得られた結果は、完全切除可能な膵臓がん患者の術後補助療法へのゲムシタビンの適応を支持した。

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