アブラキサン+ジェムザールで5年生存率38%に

膵臓がんの術後補助療法としてnab-パクリタキセル(アブラキサン)とゲムシタビン(ジェムザール)の併用療法(nab-PG 療法)の5年全生存率(OS)は38%、ゲムシタビン単独群では31%だったことが、6月30日から Web 上で開催されているWCGC 2021で、カリフォルニア大学のM. Tempero氏が発表しました。

これは多施設国際オープンラベル無作為化フェーズ3試験であるAPACT試験(日本は不参加)の、観察期間5年以上のOSの結果から示されたもの。nab-P/G療法のOS改善効果が示唆された。

今回発表されたのは、データカットオフを2021年4月9日とした、全員が試験中止となってか5年以上の観察期間があった段階での解析結果。OSの観察期間中央値は63.2カ月で、ITTで555件のイベントが起きていた。OS中央値はnab-P/G療法群が41.8カ月、ゲムシタビンのみ投与群が37.7カ月でハザード比0.80(95%信頼区間:0.678-0.947)、p=0.0091でnab-P/G療法群が過去の報告と同様に長かった。5年OS率は、nab-P/G療法群が38%、ゲムシタビンのみ投与群が31%だった。カプランマイヤー曲線はnab-P/G療法群が常に上にあった。

APACT試験の主要評価項目は、無病生存期間(DFS)であり、ASC O2019において、DFSについては統計的有意差がない(有意な延長効果がない)と、独立委員会の評価が発表されていました。些かガッカリしたものです。

5年全生存率で38ヶ月と31ヶ月ですからわずかな違いのようにも見えますが、生存率曲線(カプランマイヤー曲線)において常にnab-P/G療法群のグラフが上位にありました。

ゲムシタビン単独の生存率も以前よりは良くなっているような気がしますが、これは試験のデザインや対象者によって変わってきますから何とも言えません。ですが膵臓がんの手術の技術の進歩して確かに全体の生存術は良くなっているのでしょう。

私が手術をした14年前には、主治医からは「5年生存率は15%」と言われたものでした。助かる人、長期生存できる人が次第に増えてきているのは確かなことです。


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