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O-リングテストは似非医学

がんの患者さんから、ちょくちょく「O-リングテスト」って言葉を聞くようになりました。

「がん活性」を測定できるという触れ込みです。正式には、バイ・ディジタルO-リングテスト(BDORT)といいます。

今年4月に、元東京女子医科大学教授の前田華郎氏がこんな本を出しています。

痛み、副作用、後遺症のない治療 「がん活性消滅療法」という選択

痛み、副作用、後遺症のない治療 「がん活性消滅療法」という選択

前田 華郎
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O-リングテストは、ニューヨーク在住の大村恵昭(1934 – )が発明し、1993年に米国特許5188107を取っている[1]

患者が手の指で輪(O-リング)を作り、診断者も指で輪を作って患者の指の輪を引っ張り、輪が離れるかどうかで診断する。この時、患者の体の異常がある部分を触ったり、患者の空いたほうの手で有害な薬や食物を持つと、患者の指の力が弱まりO-リングが開く、とされる。

前田華郎氏は、これを改良して次のような検査法にしているそうです。

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患者と施術者の間にメディエーターという仲介者が立つ。メディエーターは左手に細い金属の棒を持ち、その棒の先端を患者さんの身体に近づける。そしてメディエーターは、右手の親指と人差し指で OK サインのような輪を作る。施術者はメディエーターの指の輪を左右の手の指でつかみ広げようとする。メディエーターの金属棒が、患者さんの体表近くで移動する度に、指の輪を広げようとする作業を繰り返す。

金属棒を握るメディエーターの手には、がん遺伝子の標本や、各部位のがん細胞の組織標本を収めたプレパラートが握られている。体内にがん細胞があると、こうしたプレパラートを近づけるだけで、患者さんの体内のがん細胞が組織標本と「共鳴」する。

この共鳴が、メディエーターの体に金属棒を介して電波のように伝わり、メディエーターの筋力が瞬時に弱まり、輪を作っている指の筋力も低下し、輪が開いてしまう。こうして筋力の弱まりを確認することで、がん細胞が体のどこにどれだけ存在するかがわかる。

これが前田氏の言う共鳴反応検査である。

こうして「がん活性」が確認されると、マイクロ波照射療法を開始する。

遠赤外線温灸器で熱に弱いがん細胞を殺すとか、その応用編として電子レンジにも使われているマイクロ波でがん細胞温めて殺す。

「がん活性」とは、がん遺伝子ががん細胞を増やすためのエネルギーを発していることを言うらしい。

生命場だとか、波動とか、人体エネルギーとか、物理用語らしきものを羅列しているが、その実態はあいまいである。

似非科学の言葉が満載です。物理用語の波動や場と、この場合は関係がありません。

例えば、肺がんの腫瘍の標本を持ち、患者さんの生命場と接触した場合、患者さんに肺がんがなければ、患者さんの神経に電磁気的な変化は発生せず筋力低下もない。しかし患者さんの体内に肺がんが存在すると、患者さんの生命場に電磁気的変化が見られ、患者さんの筋力を低下させる。このようにして共鳴するのだと言う。

腫瘍マーカー CA19-9が上昇して膵臓がんを疑われた患者さんの例を挙げている。CA19-9が1600U/mLまで上昇したが、精密検査をしたけれどもどこにもがんが見つからない。がんを疑いながら2年以上の歳月が過ぎた。そこで共鳴反応検査を行ったところ、胃に2箇所がん活性があった。その部位にマイクロ波を2回照射したところ、 CA19-9の値は基準値内に収まり、胃腸部のがん活性はあっけなく消滅した。全ての検査値は正常になり8年経過した現在も全く異常はない。

CA 19-9は胆石症や溶連菌感染症でも上昇することはあります。2年も放置して症状も無くマーカーの変化もなければがんではなかったのでしょう。これをもって共鳴反応検査やマイクロ波療法の有効性を言われても首をかしげざるを得ません。

ただ、前田氏も加入している「日本バイ・ディジタルO-リングテスト医学会」で前田華朗氏は「医学会副会長」の肩書きであるが、

あくまでも補助的診断法なので、バイ・ディジタルO-リングテスト(BDORT)で疑いを持った病変に対して、CT、MRI、PET Scan、X線、内視鏡、血液検査などで、確認、検証する。

と書かれています。

いずれにしろ、とんでも医療オカルト医療の一種ですね。


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