医療費に関するウソ


【日 時】2020年9月21日(敬老の日) 13:00~16:00(開場:12:45)
【参加資格】膵臓がん患者とその家族
【参 加 費】無料
【定 員】 100名
【内 容】
第一部 講演:佐藤典宏先生
   「膵臓がんの標準治療と代替医療~外科医の立場から~」
第二部 患者さん同士の交流会。コロナにも膵臓がんにも負けないぞ!

ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。
スマホだけで簡単に参加することができます。


詳しくはオフィシャルサイトで

9月20日9:00AMまで参加申込受付中です。
スポンサーリンク
LINEで送る
Pocket

DP2M3688明月院門前のアジサイ、クラシックブルーで現像


国保の保険料通知が届いた。年収は減ったはずなのにまた上がっていた。

医療費について政府やマスコミが流している嘘について考えてみます。

【高齢化が医療費を破綻させる】

世界一の高齢化社会が来るから、医療費で破綻する。そのためには消費税を上げて社会保障を守らなくてはならない。患者にもっと自己負担をしてもらわなければ国民皆保険制度は破綻する。

これは正しいのか。高齢化により毎年1兆円の医療費が上がると大騒ぎするが、高齢化による医療費の自然増1兆円は諸外国と同程度である。医療技術の進歩で寿命が延びているのだから医療費が増えるのはあたりまえなのだ。

実際には、日本は諸外国と比べて医療費はかなり低く、逆に患者の自己負担率はとても高い国なのです。

日本の医療費が30兆円を超えて増え続けていることがマスコミで宣伝されますが、世界第2位の経済大国の国力からみてどうなのか。国内総生産(GDP)に占める医療費の割合を見れば、先進29カ国のなかで18位です。国力に見合った医療費を出していない。医療費30兆円は国際的に比較するなら、けっして多くない額なのです。

20150613_07_52_05

そして、こうした宣伝のもとで患者の自己負担率はどんどん上げられてきたのです。

20150613_07_46_54

【医療財政はなぜ赤字になったのか?】

理由は単純です。高齢化社会を迎え、医療費が高騰することが明かなのに、政府は国庫負担率を減らしてきたからです。当初は45%だった国庫負担率を、1980年に39%に、更に1998年に24%に減額し、その責任を自治体に押しつけたのです。年間1兆5千億円も減額しているのです。さらに子供の医療費を無料化する自治体への補助金も減額してきたのです。

なぜ国交負担率を減額したのか? 日本は借金が増えて医療費に回す金がない。医療費を減らすか増税しか道はない、というのが政府の言い分です。しかし、ここにはトリックがあります。「財政赤字が1000兆円」という政府の数字は、資産の部分を考えていないのです。経理の貸借対照表で借金の額だけを見せているようなものです。実際に企業が赤字かどうかをいうときには<借金>ー<資産>=赤字額でしょう。諸外国ではそうしています。日本の財務省は「資産」は無視して借金の額だけを見せて騒いでいるのです。企業会計や諸外国と同じ方法で計算すれば、日本の借金は256兆円にしかなりません。

【消費税は全額社会保障に使われているのか?】

政府広報オンラインにある『消費税率の引き上げ分は、全額、本当に社会保障に使われるのでしょうか?』とのQ&Aには次のように説明されています。

<A>消費税率引上げによる増収分は、全て社会保障の充実・安定化の財源となります。
消費税率引上げによる増収分は、全て社会保障の充実・安定化の財源となります。消費税率が10%まで引き上げられた際には、消費税率5%引上げ分のうち、約1%分(2.8兆円程度)は子ども・子育て支援、医療・介護、年金の各分野の充実に、残りの約4%分(11.2 兆円程度)は社会保障の安定化のための財源となります。
これにより、子や孫といった後世代への負担のつけ回しを減らすことにつながります。

これもトリックですね。この「社会保障安定化のための財源」というのがミソです。8%に増税されたときの国と地方の税収は5兆円とされています。そしてその「使途」を見ると、

20150613_15_57_11

8割以上が「年金国庫負担分2分の1の恒久化」と「既存の社会保障の安定財源確保」です。これはすでに実施している分の財源を消費税に置き換えただけです。「恒久化」という言葉はそういうことです。一方、「社会保障の充実」として「子育て支援」に約0.3兆円、「医療・介護等の支援」に約0.2兆円、計0.5兆円を充てるとしていますが、行おうとしているのは、保育水準の引き下げによる詰め込みや入院患者の追い出しなど制度改悪のための経費です。「充実」とは真逆です。

結局のところ、実際に家計の負担減となるのは、5兆円のうちの0.2兆円だけ! 4%に過ぎません。世間の常識ではこういうのは「詐欺」と言います。

がん患者しての実感でも、消費税が上がる度に医療費が増えてきたと感じます。

で、これまで実施してきた分の財源に消費税で充てて、浮いた財源はどこに行くのかというと、主に法人税の減税です。

0f27f78ff7


スポンサーリンク

ごらんのように、過去22年間の消費税増収額と法人税減収額はみごとに一致!しかも、税率が10%になったときにも、消費税11兆円のうち9兆円は法人税の減額に回せと要求しているのです。

福島の復興予算が自衛隊のヘリの修理や沖縄県の道路整備に使われたのと同じ構図です。官僚がどうにでも解釈できる文言を埋め込んでおくのです。

【なぜ医療費は上がっていくのか】

結論を言えば、高い薬価です。

E46d44d5

ドイツ、フランス、イギリスに比べて日本の薬価は最大で3.5倍ほどの違いがあります。アメリカが日本よりも高いのは、アメリカ政府には製薬企業との「薬価交渉権」がないからです。つまり、言い値で買わざるを得ない法制度に「製薬企業のロビイスト」が変えたのです。

C型肝炎薬「ソバルディ」に関して6月4日の記事で書きました。

C型肝炎の画期的な薬「ソバルディ」が承認されたとき、全米各州の知事たちはパニックになった。なんと1錠が1000ドル、1クール2週間で84,000
ドルだったのです。1ドル120円として約1000万円。この薬は先月5月20日に日本でも承認されて健康保険でも使えるようになった。一錠が「アメリカ
より安い!」6万円である。

『アメリカより安い!6万円』と皮肉を書きましたが、日本で一瓶840万円で仕入れるこの薬は、イギリスでは500万円、エジプトではなんと10万円で取引されています。

世界人口の1.4%しかない日本で、世界の薬の40%を消費するという最大の顧客です。しかし、製薬企業の言いなりで決めているアメリカの薬価を参考にしているようでは、日本の薬価が高いのは当然でしょう。

【開発費がかかるのだから薬価は高くて仕方ない?】

分子標的薬などは巨額の開発費がかかるのだから、薬価が高くてあたりまえ、は本当でしょうか?

ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実

ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実

マーシャ・エンジェル
2,484円(09/19 06:54時点)
発売日: 2005/11/30
Amazonの情報を掲載しています

ビッグ・ファーマの真実』でも書きましたが、マーシャ・エンジェル氏は、ランセットと並び世界的権威を持つといわれるニューイングランド医学雑誌(NEJM)の元編集長。著書『ビッグ・ファーマ』で製薬企業のあくどいやり方を告発しています。

「新薬が高いのは研究開発費を取り戻す必要があるからだ」という製薬会社の主張に対して、ほとんどの新薬が「ゾロ新薬」といわれる化学構造式を少し変えただけのものである。数少ない新薬は、そのほとんどが大学、バイオ企業、NIHなどの資金を使って行なわれた研究が下地になっているのであって、製薬企業が独自でゼロから開発した新薬はほとんど存在しないこと。マーケティング費用が研究開発費の2.5倍を占めており、なおかつビッグ・ファーマはこの半世紀間莫大な利益を上げ続けていること、等です。

図で示しましょう。

Img102

研究開発費と営業・マーケティング費の比は、せいぜいが同額か、もしくはマーケティング比の方が数倍になっています。製薬企業は研究開発よりもマーケティングに熱心なのです。

しかも、研究開発費の中には、マーケティング費とするのが妥当な、市販後臨床試験の費用もちゃっかりと入っているのです。利益率は10~43%と、笑いが止まらない数字です。

儲けてはいけないとは言いませんが、利益率を10%下げれば薬価はもっと安くなるのです。適切な利益と暴利とは違うのです。

世界のトップ腫瘍学者100人以上が、2013年、米国血液学会発行誌「ブラッド・ジャーナル」に、高すぎるがん治療薬の値段を下げよという内容の声明を発表しています。

私たちは政府やマスコミの言うことを鵜呑みにするのではなく、「その根拠は?」「どういう条件での数字なの?」と問いかけることが大切です。「あなたの言うことはエビデンスがあるのですか? 」ということです。


がんと闘う多くの仲間がいます。

にほんブログ村 病気ブログ すい臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

このブログの関連記事

  • 量子線メスの講演(JASTRO)第30回学術大会量子線メスの講演(JASTRO)第30回学術大会 日本放射線腫瘍学会(JASTRO)第30回学術大会が開催され、「量子メス:次世代量子線がん治療装置?がん死ゼロ健康長寿社会を目指して?」と題して、平野俊夫(国立研究開発法人量子技 […]
  • ポアンカレ予想ポアンカレ予想 22日のNHKスペシャル『100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪の謎~』を興味深く見た。 数学者を100年間悩まし続けてきた『ポアンカレ予想』を証明したといわ […]
  • 銀河系と私たちの治癒系銀河系と私たちの治癒系 世界が非線形であるのなら、私たちの体もがんも、原因と結果が一対一にならない非線形な複雑系である。 非線形科学は、全体は部分の総和ではないと考え、全摘なアプローチを唱える。がん治 […]
  • 雛祭りにベートーヴェンを聴く雛祭りにベートーヴェンを聴く 今日は雛祭り。五段くらいのひな人形もあるんだが、娘が小さいころは飾っていたが、最近は物置に入れっぱなしで出したことがない。なので、こんなおもちゃの雛飾りで間に合わせている。 […]
  • 蕎麦と桜と源泉掛け流し蕎麦と桜と源泉掛け流し その前に「ふくろう」で十割蕎麦。権現堂堤に来るときにはお昼は必ずこの店のそば。ここの店は前にも書いたが、蕎麦は絶品です。私も蕎麦好きで全国の蕎麦を試したが(と言うほど多くはないが […]
  • 【続報】話題の転移性乳がんが免疫療法で完治した症例【続報】話題の転移性乳がんが免疫療法で完治した症例 話題の転移性乳がんが免疫療法で完治した症例について、オンコロの加知さんが詳細に解説しています。一読の価値あり。インチキ免疫療法とどこが違うのか、まだ研究段階で結論を出すの […]
  • 原宿スーパーよさこい原宿スーパーよさこい 原宿で開催されている「原宿表参道元気村 […]
  • 2年目のCT検査 再発・転移なし2年目のCT検査 再発・転移なし 身体の免疫力がたいへん好ましい状態になってきていることが、この数字で実感できます。仮にどこかにがん細胞が残っていても、自然免疫を担っているマクロファージが食いちぎり、NK細胞が退 […]
LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です