トンデモ本 安保免疫学 (2)
安保徹氏の「免疫学」の要点は、
- 生活習慣病といわれる病気のほとんどは働き過ぎによるストレスが原因
- ストレスが自律神経の偏りをもたらす。
- ストレスが多いと交感神経が優位に、少ない(リラックスする)と副交感神経が優位になる。
- 自律神経と白血球の関係を、安保・福田が発見した
(晴れた日ほど虫垂炎の患者が多いという現象から)
- 交感神経が優位になると、白血球の中の顆粒球(好中級が大部分を占める)が増え、副交感神経が優位になるとリンパ球が増える
- こうして体の免疫力が低下する。
- 顆粒球は活性酸素を必要以上に増やし、活性酸素が細胞特に上皮細胞のDNAを破壊して様々な病気・癌を誘発する。
ということになろうかと思います。
だから、仕事を減らしなさい、40歳になったら仕事のやり方を変えなさい、50代になったら生き方を変えなさい、夜更かしはやめて早寝早起き、インターネットのやりすぎは自律神経に良くない、と主張します。
慢性病(生活習慣病)は文字通り「生活習慣」からきた病ですから、薬では治せません。薬は単に対症療法で、症状を一時的に抑えるだけであり、元の生活習慣を正さなければ真の治療にはなりません、と。
こうした主張には全く異論はありませんし、私自身もストレスの多い生き方、真面目すぎる生き方をしてきたように思うので、それらが癌の大きな原因になったのではないかと感じています。
安保氏は免疫学の世界的権威(と本人や取り巻きが言っているだけですが)であり、対して私は一介の素人ですから、彼の免疫理論がすべて正しいのかどうか、よく分かりません。だた、自分の体験からは彼のいうことの多くは的を得ているような気がするだけです。
しかし、免疫力を高めればガンは治る、抗がん剤治療は不要だ、となると噴飯ものです。臨床医でもない基礎研究の学者がどうしてそう言い切れるのか。彼の「免疫革命」に出てくる症例(と言えないような、体験談)などはやめて、きちんとした学会で症例報告をすればよいのでしょう。
ここまで書いてきて、ばかばかしいのでやめにします。こんな癌患者を食い物にするようなエセ教授のいかがわしい著作に付き合っている時間がもったいなくなってきました。
彼の学説を批判的に取り上げたURLを記して終わりにしましょう。私なんかが一知半解で書くよりよほど正確に分析されています。
患者の皆さん、くれぐれもインターネット上のいかがわしい情報に騙されないようにしましょう。
- そのウェブサイトは、誰が運営していますか。
- そのウェブサイトは、なにか資格認定を受けていますか。
- そのウェブサイトは、誰のために何を目的としていますか。
- そのウェブサイトは、製品を販売したり勧めたりしていませんか。
- そのウェブサイトの情報の出典は、どこですか。
- そのウェブサイトの情報は、事実に基づいているものですか。
- そのウェブサイトの情報は、どのように選ばれたものですか。
- そのウェブサイトの情報は、最新のものですか。
などに気をつけて、冷静に判断しましょう。
( 『がんの補完代替医療ガイドブック』厚生労働省がん研究助成金 「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班)
安保教授が64冊もの著作を出していると知った時点で「おかしいぞ!」と思い、健康食品の本の監修や説明会と称する「販売促進会」に賛助の言葉を提供していることを知った時点で感じた第6感は間違っていなかったということです。