新型コロナウイルスの集団免疫はできっこない

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私が尊敬している免疫学の第一人者 大阪大学の宮坂昌之教授は「新型コロナで集団免疫はできない」と断言します。

一般的に大きな誤解があります。

一つは抗体だけが免疫だと短絡的に考えていることです。

厚生労働省の発表では、東京で新型コロナウイルスの抗体を持っている人は0.1%だとされました。残りの99.9%は抗体がない。だから新型コロナウイルスに感染する可能性があると考え出ませんか。だとするとそれは間違いです。

なぜなら新型コロナウイルスから回復した人の1/3は、ほとんど抗体を持っていないという研究もあるからです。

これから言えるのは、自然免疫だけで新型コロナウイルスを撃退できている人が一定程度いるはずです。

アジア人に死亡率が低いということで山中伸弥教授は何らかの要因があるそれをファクター X と名付けていますが、もしかするとアジア圏の人々はこの新型コロナウイルスに対して強力な自然免疫を発揮しているのかもしれません。

抗体を獲得すれば万々歳とならないと言いますなぜならば交代にも善玉抗体と悪玉抗体があるからです。

さらに宮坂教授は仮に新型コロナウイルスの抗体を獲得してもそれは半年程度で消えるのであろうと推察しています。

となると人口の6割が一体を獲得して集団免疫ができるそれによってコロナが抑えられるそういうことは望みが薄いということになります。

となると我々はどうすればいいのか。これまでにもこのブログで書いたように自分の免疫力が適切に働くようにストレスの少ない生活をすること有酸素運動をしたりお風呂に入って体温を上げたりして血流を良くすること免疫は体内時計が司っているとですから規則正しい生活をすること十分な睡眠をとることそしてバランスの良い食事をすることです。

三密を避けるだとか社会的距離をとるということが頻繁に言われていますが、ウイルスに感染していない者同士の社会的距離を取ったりあんみつを避けたりしても何の効果がありません

そのためには PCR 検査をもっともっと拡大して潜在的な感染者を把握するその人達を隔離するそういった社会的な政策が必要なのではないでしょうか。

********************** ここから引用 **********************

抗体なし=感染リスク高、ではない

 「人間の免疫はもっと重層的です。まず、人体が持つ免疫機構を説明しましょう。免疫機構は、自然免疫と獲得免疫の二段構えです。自然免疫は生まれた時から備わっているもので、皮膚や粘膜の物理的なバリアーやそこにある殺菌物質が病原体を殺す化学的なバリアーがあり、病原体の体内への侵入を防ぎます。バリアーが突破されても、続いて白血球の一種である食細胞が病原体を食べて殺してくれます。ここまでが自然免疫です。食細胞は全身に分布し、常時、異物の侵入を見張っています。いわば城のいたるところでたくさんの足軽が槍(やり)や刀を持って常時見回りをしていて、外敵を見つけたら、その場で撃退してくれるようなものです。病原体が侵入して数分から数時間のうちに発動します。だから、抗体など持たなくても、自然免疫が強ければ、自然免疫だけで新型コロナウイルスを撃退できる人もいるのです。ここが完全に見落とされています。
 自然免疫で新型コロナウイルスを排除できなかったら、獲得免疫の出番です。獲得免疫は発動するまでに数日かかります。最初に刺激されるのは、ヘルパーTリンパ球で、獲得免疫の司令塔です。これがBリンパ球に指令を出すと、Bリンパ球は抗体を作ります。一方、ヘルパーTリンパ球が兄弟であるキラーTリンパ球に指令を出すと、キラーTリンパ球はウイルスに感染した細胞を殺します。獲得免疫はいわば本丸を守る役目の高級将校ですね。
 ここで大事なのは、抗体はウイルスを殺しますが、ウイルスに感染してしまった細胞を殺すことはできないのです。抗体は大きなたんぱく質なので細胞の中には入れず、細胞膜の中に隠れているウイルスは殺せません。細胞の外にある、これから細胞に感染してやろうというウイルスや、感染細胞から放出されるウイルスは殺せますが、すでにウイルスの侵入を許してしまった細胞は殺せません。それができるのは、キラーTリンパ球なのです。キラーTリンパ球は抗体と同様に重要です。
 そして、人間の体は、自然免疫が強いと獲得免疫も強いという性質があります」

自然免疫だけで撃退できる人も

 ――つまり、抗体の保持率イコール既に感染して治った割合ではないと?
 「その通りです。先ほど述べた、感染者の3分の1が抗体を持っていなかったか、あるいはごくわずかしか持っていなかったのは、自然免疫だけでウイルスを排除したか、キラーTリンパ球が活躍して感染細胞を殺した結果、回復したと考えられます」
 ――どのくらいの割合の人が自然免疫だけでウイルスを排除できるのでしょうか。
 「それは分かりません。我々全体の10%くらいは自然免疫だけで新型コロナウイルスを排除できるのではないかと私は推測しています」
 ――キラーTリンパ球の活躍でウイルスを撃退した患者さんは何割くらいになるのでしょうか。
 「こちらも分かりません。一般的には、ヘルパーTリンパ球は、抗体を作るBリンパ球にもキラーTリンパ球にも同じように作用すると思われます。インフルエンザウイルスが侵入すると、抗体もキラーTリンパ球も同程度作られます。キラーTリンパ球がどれくらい作られたのかを測定するのは、生のウイルスを扱う必要があり、安全性が高い研究施設でないと測れません」

抗体にも「悪玉」がいて・・・

 ――抗体だけではすでに感染した人の割合を知る指標にはならない、感染細胞を殺すキラーTリンパ球の量も簡単には測れない。私たちは何を基礎に議論を進めればいいのでしょう。
 「その前にもう一つ、抗体の役割についても、大きな誤解があります。抗体であれば、すべてウイルスを撃退すると考えていませんか」
 ――抗体は、病原体を殺し、排除する役割を持つのだから、そう考えるのは当然では?
 「そうではありません。抗体は3種類の振る舞いをします。一つは、みなさんがよく知っている、ウイルスを攻撃し排除する抗体、私はこれを『善玉抗体』と呼んでいます。逆にウイルスを活性化させる抗体『悪玉抗体』もあれば、ウイルスを攻撃もしないし活性化もしない『役なし抗体』もあるのです。
 武漢医科大学で感染者の血液を調べたところ、感染者のうち無症状の人は抗体量が少なく、重症者は発症後何日たっても、無症状、軽症の人より常に抗体が多い傾向がはっきりと示されました。善玉抗体がたくさんできてウイルスを撃退すれば軽症で済むはずなのに、重症者は常に抗体が多いということは、新型コロナウイルスは悪玉抗体をたくさん生み出し、抗体がウイルスの増殖を助けていると考えられます。
 病原体によって、3種類の抗体のでき方に差があります。多くのウイルスは獲得免疫が働くと善玉抗体がたくさんできるのですが、エイズは役なし抗体が圧倒的に増えます。また、3種類の抗体のでき方は、同じ病原体に感染しても個人差があります。善玉抗体を作りやすい人は治りやすく、悪玉抗体や役なし抗体を多く作る人は治りにくいのです。そしてやっかいなのは、善玉、役なし、悪玉のどれが増えているかは、ウイルスを培養細胞にかけて感染試験をしないと分かりません。そのためには高度な設備を持つ研究機関でないとできず、そうした研究施設は極めて限られているのが現状です」

免疫、半年程度で消える?

――抗体だけで免疫を語るなということですが、集団免疫についてはどうですか。
 「先ほども述べたように、自然免疫だけでウイルスを撃退する人もいるのですから、抗体の保持率だけを考えるのは意味がありません。それと、集団免疫を考える時、一度獲得した免疫が長期間にわたって続くことが前提ですよね。すぐに免疫が消えてしまったら、多くの人が免疫を持っている期間がなくなってしまうわけですから。しかし、新型コロナウイルスの免疫が続いている期間はとても短いようなのです。私は半年程度ではないかと考えています。免疫が半年程度しか続かないとしたら、集団免疫はいつまでたっても獲得できないことになります」
 「先ほどの武漢医科大学の研究では、8週間後にもう一度抗体量を測定したところ、軽症者で4割近く、重症者でも2割の人が抗体が検出不可能なほど少なくなり、持っている人も抗体量は8分の1程度に減っていました。こんなに早く抗体の量が減るのは、ほかのウイルスではあまり考えられないことです」
 「破傷風やポリオなど、ワクチンを一度打てば免疫が数十年も続く病気もあれば、インフルエンザウイルスのように、3カ月程度しか続かないものもあります。私は新型コロナウイルスワクチンが出来ても、インフルエンザと同じように有効期間は極めて短いものになるのではないかと考えています」

自然免疫をフル稼働させるには?

 ――新型コロナウイルスに対抗するためには自然免疫が大切だということですが、自分の自然免疫の力がどの程度のものか、測定する方法はありませんか。
 「自然免疫を測るものとして白血球の数があります。簡単に測れますが、これは機能を表すものではありません。血中のナチュラルキラー(NK)細胞を刺激して自然免疫の強弱を測る方法が最近、がん患者さんに使われるようになりましたが、まだ一般的ではありません。残念ながら、自然免疫の力を簡単に測れる物差しは今のところありません」
 ――免疫を強くするために、私たちは何をしたらいいのでしょうか。
 「免疫を強くするといういい方は適切ではありません。免疫が強くなりすぎると、健全な細胞を攻撃することになりますから。各種のアレルギーや関節リウマチなどは、免疫が強くなりすぎた結果です。強くするのではなく、自分が持つ免疫がフルに活躍できる状態に保持することが大切です。そのためには、まずはストレスの少ない生活をすること。なかなか難しいですが。リンパ球は血液の流れに乗って全身をパトロールしていますから、有酸素運動をしたり、毎晩お風呂に入って体温を上げたりして、血流をよくすること。
 もう一つは、免疫は体内時計がつかさどっているので、昼間は免疫が強くなり、夜は弱くなります。ですので、体内時計を毎朝きちんとリセットして、規則正しい生活をすること。朝日を浴び、軽い体操や散歩するなどして、体内時計が狂わないようにするのは大きな意味があります」
 ――食事はどうですか。
 「私は乳製品をよく食べ、納豆も好きですが、これ一つだけ食べれば、免疫を強くする、なんていう食品はありません。何事も過ぎたるは及ばざるがごとしです。満遍なく、バランスのよい食事を心がけることでしょうか」
 「免疫は加齢が非常に大きな要素です。50代を過ぎると、免疫力は半分になると言われます。新型コロナウイルスの重症者の95%は60代以上というのは、うなずける数字です。獲得免疫はさまざまな病原体を記憶しています。ですから高齢者は免疫の経験値は高いのですが、それぞれの免疫が弱体化する。いわば、免疫も老兵化するのです。そして数も少なくなります。元に戻すことはできません」

ウイルスは変異してる?

――新型コロナウイルスは変異が速いと言われます。それで第2波、第3波は病原性が大きく変わり強くなって襲ってくるという説があります。
 「変異が速いのは間違いありませんが、それはRNAウイルスの特徴です。でも他のRNAウイルスに比べ、変異の幅は大きくない。遺伝子をコピーするときに、エラーが起きるのですが、コロナウイルスはそれを修復するメカニズムを持っているのです。たとえば、同じRNAウイルスであるインフルエンザウイルスは変異の幅が大きい。だから、ブタやトリからヒト、またヒトから動物へ感染する、とんでもない変異を起こす。新型コロナウイルスで、明らかに病原性が高まった変異は今のところありません。病原性の強さでいえば、大体同じくらいです。
 一部に、『日本では最初に病原性が弱い新型コロナウイルスが入ってきて、その後に病原性の強い新型コロナウイルスが入ってきた。日本人は新型コロナウイルスの免疫が出来ていたから、死者が少ないのだ』という説を唱える人もいますが、これまでのところ、病原性の強弱に明らかな違いのある変異は確認されていません。
 変異といっても、悪い方向への変異もあれば、良い方向への変異もある。五分五分です。SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)は致死率が高く、宿主が死んでしまうので、結局ウイルスも死んでしまい、人間社会に定着できなかった。新型コロナウイルスはSARSやMERSの近縁ですが、重症化する患者は2割で、病原性は強くありません。だから宿主が死んでウイルスが消滅することはありません。しばらく、私たち人類は新型コロナウイルスと共生することになるでしょう」

私たちの暮らしは・・・

 ――新型コロナウイルスが猛威を振るい始めて半年。相手の素性がだんだん分かってきたところで、免疫学者として、私たちはどんな対策を取るべきだと思いますか。
 「練習で大声を出すため、相手に飛沫が飛ぶことを懸念した全日本剣道連盟に頼まれ、私が実験した結果、①よほど大きな気合を出しても多くの飛沫は2メートル以下で地面に落ちてしまい、1.5メートルの距離を取れば直接に飛沫を浴びる可能性は極めて小さい②マスクを着用すれば9割の飛沫の飛散は防げる③微少飛沫は残るが、換気すれば飛散することが確認できました。従って、他人と1.5メートルの距離を保つ、他人に感染させないためにマスクを着用する、換気する、しっかり手洗いする、といった緩やかな接触制限と行動変容で対応できます。一時期言われた、人々の全体の接触率を8割減らすといったマスの対策は必要ないと思います。
 ワクチンが出来れば、新型コロナウイルスインフルエンザウイルスと同程度の病原体となりますが、作りやすく、安く作れる良いワクチンが出来るのには2年以上かかるでしょう。重症化を止める薬が出てくれば、普通の感染症となりますが、それにはまだ時間が必要でしょう。しばらくは、新型コロナウイルスと共生していかなくてはなりません」(聞き手・畑川剛毅)

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