トンデモ本 安保免疫学 (1)
今後の癌との戦い方を考えています。
すい臓癌の5年生存率は5%ほど、手術が可能な場合はいくらかは生存率も良くはなるが、他の癌に比較するとやはり予後はあまり良くない。
であるならば、今後癌との戦いを進める上でどのような戦略を立てるべきかということを考えなければなりません。
- まずは「敵」を知ること
- 使える武器を知ること
- 自分の望む理想の戦い方を決定すること(完全勝利か和解か、それとも不戦か)
この一年間で「敵を知る」ことに関しては幾分の知識を持てるようになりました。まだまだ十分ではありませんが、医者と同じような知識を持つ必要はなく、これからの治療方法を話し合うときに意思の疎通がうまくいく程度で良いと思います。先生にしても基本的なことから説明するのでは時間もないだろうし、それでは治療方針を決める前に時間オーバーになってしまいます。
次の「武器を知る」こと。今はこれを集中的に情報収集しています。その過程で「安保免疫学」なるものに出会いました。免疫学の世界的権威と言われている新潟大学医歯学部教授の安保徹氏の提唱している免疫学だということです。
アマゾンで早速検索してみますと、「安保徹」氏が書いたあるいは監修した書籍が64件ヒットしました。私の感性からすると、もうこの時点で「胡散臭いなぁ」と感じました。こうした第一印象は割合あたっているのがこれまでの経験則です。
ともかく相手を知ることが必要だと、いくつかの本を購入して、先週はずっとそれに没頭してすごしました。
- 免疫革命
- まじめをやめれば病気にならない
- 安保免疫理論と上野式代替医療でガンは治る
- がんにならない「生活術」?実践!安保免疫学 (別冊宝島)
- 病気をよせつけない生き方(安保徹 ひろ さちや対談)
の5点です。
書かれていることはどの本の内容も似たり寄ったりで、どうしてこんなにたくさんの本を書く必要があるのかと、また一つ疑問がわいてきます。
安保教授の理論を強引に要約すれば次のようになります。
血液中の白血球は顆粒球とリンパ球に大別される。このバランスは自律神経に支配されており、自律神経はその人の精神状態により変化する。ストレスが加わる
と、交感神経優位となり顆粒球が増加し活性酸素が組織を破壊する一方、リンパ球が減少し免疫力が低下する。その結果がんが発生しやすくなるという。だから、ストレス
をためない生活習慣ががんを防ぐのだと。
これは安保教授の行ってきた基礎研究から導き出された仮説です。免疫学に素人の私でもストレスが様々な病気の一つの原因であるということには納得できます。彼のいうように、顆粒球と白血球の割合によってストレスの程度が把握できるという点は、手術前と入院中および退院後の私の血液検査のデータを見れば納得できます。手術後の入院中の血液像は白血球数も割合も安保教授のいう理想的な状態でしたから。
また、ストレスをためないために仕事を減らしなさい、夜更かしはやめなさい、食事は玄米菜食が良い等もその通りだと思いました。
問題は、ストレスをためない生活に変えれば、治療や手術、抗がん剤、その他の薬も必要なく、癌は必ず治ると断言している点です。
長くなるので続きは明日以降ということにします。
|