腕を元の位置に戻す神経細胞

今月は毎週のようにチェロのレッスンが続きました。自宅での練習もほぼ毎日のようにチェロを出しては短い時間でも弾くようにしています。Photo_4

レッスンは108回目でちょうど丸3年になると先生。そうか、早いものですね。時の経つのは早いが上達は遅いなぁ。「野バラに寄せて」が今の課題曲。第一ポジションでA線のシからはじめて3小節目の3番目の音ミで第4ポジションになる。4小節目のミから再び最初の音シにスラーで戻る。このとき左指の位置がきちんと元の位置に戻らなければならないが、これがなかなか難しい。何しろ左手はほぼ耳の位置にあるので、目で確認することはできない。どうするかというと腕と肘の角度で覚えるしかない。肘の高さを同じ高さに保っていないと、角度もいい加減になるので、どうしても下がり気味で高い音になってくる。練習で覚えるしかない。

進化しすぎた脳 (ブルーバックス)

練習で記憶するとはどういうことか。脳のどこが記憶するのか。脳細胞のシナプスが電気信号として記憶するのだろうか。記憶ということすらまだ科学的に明らかになっているとは言い難い。おもしろい話しを見つけた。講談社ブルーバックスの『進化しすぎた脳』にこう書かれていた。

「いつでも同じ場所に腕を移動させる神経細胞」
これは2002年5月の『ニューロン』という雑誌に載ったもの。脳のいろいろなところを刺激して調べていく過程で、この研究者たちはおもしろい場所を見つけたんだ。(略)
最初は腕がどこにあってもかまわない。だけどある場所を刺激すると、その直前まで腕がどこにあろうと、ある場所にきっちり移動する。これはものすごく画期的なことなんだ。
どうしてかって言うと、その神経は単純な運動を司るのではなくて、どういう風に腕を動かしたらいいのかをコントロールしている。つまりプログラムしている。

これまではある神経を刺激すると、ある筋肉が収縮して、身体の関節通りに動作するような現象はわかっていた。こうした単純な動作だけではなく、連続した複雑な動作を司る神経細胞が見つかったという画期的な論文です。この実験はサルで行ったのですが、口に手を持って行くという動作はある神経細胞群にプログラム化されて記憶されているという。ほかにも顔の筋肉がこのように動き、ある決まった表情になるなんていう神経の領域があるらしい。「手に職を付ける」とよく言うが、これは「脳細胞に職を付ける」と言い換えた方がよいかもしれない。

チェロで左手の人差し指を元のシの位置にもってくる神経細胞を育てなければ、正しい音を出すことは難しいということになる。どうすればその神経細胞ができるのか、そのための効率的な練習方法があるのか。いろいろと試行錯誤している。

記憶とは、こころとは、免疫とは何か。脳という小宇宙を探検してみたくなった。

「小宇宙」と書いたが、宇宙と脳や神経、レセプターとは本当に繋がっているかもしれないという。脳や癌細胞の表面で行われる化学反応、レセプターと情報伝達物質の反応は量子化学的にみれば電子レベルでの反応であり、電子の位置に大きく依存する。そしてボーアの不確定原理、相補性によれば、電子の位置とエネルギーを同時に正確に測定することはできない。電子の位置は測定するまでは確率の波として、一個の電子が全宇宙に広がっていると考えざるを得ない。もちろん、遠方ではその確率が限りなくゼロに近くなるが、ゼロではない。

このようなことを今考えて調査しているが、いずれ紹介したい。


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