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末期がんでも治るのか?

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がん治療の現場で活躍している二人の医師の記事をもとに、「末期がん、転移したがんでも治るのか?」を考えてみた。

はじめに勝俣範之医師の日経メディカルに掲載された『「抗がん剤は効かない」の罪 腫瘍内科医の大切な役割とは?』である。近藤誠氏の「がんもどき理論」への反論として出版された著作に関連して、腫瘍内科医としての考え方を述べた内容である。その中で、今年7件の新しい抗がん剤が承認されたことに続けて、

大切なことは、これらの薬剤で患者さんに新たな選択肢が増えたことになり、延命も可能になってきたことは確かですが、決してがんが治るようになってきたわけではなく、新たな抗がん剤を投与することによる副作用が生じますし、またいずれの時期にがんは再び悪化することは確実であるということです。

われわれがん治療医は、単に「新しい薬剤が承認されたので、治療をしましょう」と言うだけでなく、積極的治療には限界があることも患者さんにお話ししなくてはなりません。

と述べています。国立がん研究センターが出している『がん診療レジデントマニュアル』は、研修医の虎の巻のようなものですが、抗がん剤の効果は、

  • 期待できる効果は、延命、がんの縮小、症状の緩和など
  • 治癒する場合があるのはごく一部

と書かれている。抗がん剤がよく効くのは白血病などの血液のがんだけであり、その他の固定がんは、良くても延命効果でしかない。

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がん情報サービスの医師向けページにある『精神腫瘍学の基本教育のための都道府県指導者研修会』テキストには、
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と、ファーストラインの治療では延命効果があるが、セカンドライン以後の治療には延命効果が証明されていないと書かれている。

もちろん例外がある。「いのちの落語家」樋口強さんもその一人だろう。抗がん剤を投与する際に、主治医からは「治ることはない。延命効果と腫瘍の縮小効果はある」と聞かされているはずだが、患者は「縮小効果=治るかも」と希望的に考えがちである。あるいは主治医の言ったことがほとんど記憶に残っていないこともあるだろう。「希ですが、治る患者もいる」と付け加えられて、あわよくば自分もその一人になりたい、なれるかもしれないと希望を抱く。結果、副作用に耐えて延々と抗がん剤を入れ続け、酷いときには亡くなったあとも、ぽたぽたと点滴で抗がん剤を入れ続けているなんて例もある。

一方で、UMSオンコロジークリニック(USAオンコロジーセンターから改名)の植松稔医師は、世界初の早期肺がんピンポイント照射をはじめて以来、20年間の経験から、

一つだけ確かなことがあります。それは、進行がんや転移がんを確実に治す方法などこの世のどこにもないのに、現実には治る人と治らない人にはっきりと分かれるということです。そして治った人、病気を克服した人は、ほほ全員が無理でない形で医療の力を利用しながらも、最終的には自分の力で病気を克服しているということです。

リンパ節転移が多発して3期と診断された人たちは、治療によって病気が完治する人と、同じ治療を受けても病気が進行してしまう人に完全に分かれます。さらに、4期になると3期より完治率はかなり低くはなりますが、それでも完治する人もいます。

と書いています。ムラキテルミ氏は石原メソッドで末期がんが治ったと本まで出版していますが、末期がんが治ることはめずらしくはないのです。

患者の免疫力がその本質でしょうが、手術や抗がん剤ではない、体に負担の少ない治療法であること、諦めないで希望を持ち続ける患者に治る例が多いと植村先生は言っています。諦めないから鹿児島まで行って治療をするのだろうし、経済的にも余裕のある患者が多く集まっている。ピンポイント治療の情報を集めるだけの情報収集力と、それを判断する知的スキルを持っている患者が多い、というバイアスはあるのかもしれませんが。

標準治療では治るはずのない(と考えられている)末期のがんでも、体への負担が少ない、副作用が容認できるレベルまで抗がん剤を減量して投与することで、”治ったもどき”で長期間がんと共存する例もあるのです。

再発転移した末期がんであっても、免疫系にスイッチが入れば、治るんです。ただ、どうすればスイッチが入るのか、確実な方法が見つかっていない。たぶん患者それぞれに違った色や形のスイッチがあるのでしょう。

  • 「私は治る」という希望を持つ
  • 一方で、治ることだけにこだわるのでなく、今日一日を精いっぱい生きる
  • 楽しいこと、やりたいことをたくさん持っている
  • 自分に酷いことをした人でさえも許している
  • 自分への愛、家族への愛、すべての人への愛を抱いている

こんな患者に、免疫系のスイッチが入りやすいのだと思います。

「愛が癒す」ことを心に刻んでいただきたい。どんなことでも愛が治すのではない。愛は癒すのであり、癒やしの過程で傷も治るのです。(バーニー・シーゲル)


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