医者にかからないのは、良い医者にかかったのと同じ

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3.11福島原発事故の後では、「専門家」と言われる人たちが、実際には専門的知識に乏しく、現場で役にたつ知識を持ち合わせていなかったことが明らかになった。テレビに出たがる学者・専門家ほど胡散臭い者はいないと思ってきた。金に目はないのに、責任は取ろうとしない。中央官庁の役人も同じだ。3.11後はそれが誰の目にも明らかになった。一方で、地位や研究費や名誉などに見向きもしないで、学者・専門家としての使命を果たそうと努力してきた人たちがいたことが、日本にとって救いであった。

医療の世界でも同じだろうと思います。マスコミに頻繁に登場し、厚生労働省の何らかの委員をしている医者と聞いただけで、私は一?引いて構えてしまう。もちろんまじめな先生もたくさんいるには違いなかろうが、だいたいが胡散臭い医者だと考えておいた方が無難。そんな医者と対局にいるのが近藤誠氏や梅澤医師だろう。このふたりは「抗がん剤は効く」「抗がん剤は効かない」と逆のタイトルの本を出しているが、世間の常識を鵜呑みにしない、反権力という点では一致しているように見える。

「NATRONの日記」など、インターネット上では近藤誠、新谷弘実、養老孟司らと並んで「トンデモ浜六郎」と言われている浜六郎氏も、私から見ればまともな医学的情報を流してくれる大事な情報源だ。イレッサの承認を取り消すべきだと主張してきたことを非難されてきたのだが、米国FDAが今年4月25日付の官報においてイレッサの承認を正式に取り消したことは、彼の主張の正当性の証しだろう。しかし、日本のマスコミも医学会もFDAのイレッサ承認取り消しは一切無視しています。

抗インフルエンザウイルス剤「タフミル」の副作用で「突然死」する子供が増加したと、一次ニュースになりました。浜六郎氏は一貫してタフミルは危険だと言っています。これにも「トンデモさんだ」との非難があります。しかし、タフミルに関してはコクラン共同計画のグループが2009年12月に解析結果を発表しており、2012年1月には肺炎を防止する効果はなく、突然死を招くなどの「危険な薬」と発表しています。(浜氏もこのレビューアーのひとり)

コクランレ・ビューを評価して取り上げているがん情報サービスやその他の日本の「信頼のおけるがん情報サイト」では、こうしたニュースが取り上げられることはありません。

がん患者のために活動している組織であっても、多額の寄付金を出している製薬企業の不利益になる情報は決して載ることはないのです。CNJは日本で唯一HON認証を取得しています。認証基準には「8.もし、広告がその資金源である場合は、そのことを明確に宣言すること。広告に関する方針を、そのサイトに表示すること。」となっています。しかし、利益相反が起きたときに、どのような基準で判断をするのかは明確ではありません。患者の利益のためなら広告主に不利益な情報も載せるとは言っていないのです。

新版のんではいけない薬
都合の悪い情報を流さないのは原子力ムラだけではないということです。浜六郎氏の新著『新版のんではいけない薬』は、世間の常識、専門家たちの常識には、結構危ない知識が多いと考えている人には参考になるでしょう。少数の反対意見も取り入れて、自分なりに分析・評価しておくことが、わが身を守る最善の方法です。

本の内容から一つ紹介すれば、今政府やがんの情報サイトが熱心に勧めている「子宮頸癌ワクチン」。未だに子宮頸癌を予防したというエビデンスはない。国立がん研究センターは「30代女性の子宮頸癌が増加している」というが、その原因がHPウイルスだという証拠がない。ウイルス感染防止ではなく、ウイルスによる細胞の異型が防止されたかどうかで判定しているのだが、62%で防止できなかった。100種類もあるウイルスの型のなかで、16型と18型以外のHPウイルスには効果がない。

抗がん剤についても一章が設けられているが、近藤誠氏の主張とほぼ同じ。効果のあるがんは10%程度で、大部分のがんは化学療法で腫瘍は少し縮小したとしても延命効果がないか、証明されていないかであり、逆に寿命が縮まることさえあります、と。

中国のことわざに「医者にかからないのは、中くらいの医者にかかったのと同じ」というらしいが、浜氏は、今の時代は「医者にかからないのは、良い医者にかかったのと同じ」になってきたのではないかという。世界一の長寿国に住んでいて、まだそれでは足りないと、ますます健康志向に走っている日本人。いったい何歳まで生きれば満足するのだろう。


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