北大とNIHが光免疫療法の仕組みを解明

光免疫療法のニュースが続いています。

光を当ててがんの治療を試みる「がん光免疫療法」の詳しい仕組みを解明したと米国立衛生研究所(NIH)や北海道大などのチームが6日、発表した。がん細胞にくっついた薬の形が光によって変形し、がん細胞の膜を傷つけ破壊していた。

新聞社のニュースでは簡単すぎて詳細が分かりませんが、こちらのサイトに詳しく書かれています。(北大はerrorになる)

光免疫療法は,全く新しい光化学反応を用いた細胞の殺傷方法であり,近赤外光が狙った細胞上にある「デス・スイッチ」をONにして選択的に殺すことができることを証明した論文を発表した。
光免疫療法ではIR700という化学物質を抗体に結合させた薬剤を用いる。研究グループは光反応によるIR700の化学構造変化に着目し,質量分析装置・原子間力顕微鏡などによる解析を行い、この結果,光化学反応によるIR700の化学構造変化とそれによる物性変化が,抗体の結合した細胞を殺す「デス・スイッチ」の本体であることを突き止めた。光免疫療法では,がん細胞膜上で近赤外光のリモコンでこのスイッチをONにすることで,がん細胞膜のみ殺傷することができる。

なお,本研究成果は,米国東部時間2018年11月6日(火)公開のACS Central Science誌に掲載された。

ACS Central Science誌に掲載された論文です。

光化学反応は、反応した分子の物理的特性を劇的に変える可能性がある。 この研究では、近赤外(NIR)光が、軸方向のリガンド放出反応を誘発し、シリコンフタロシアニン誘導体(IR700)色素の親水性を劇的に変化させて、コンジュゲートの形状の変化および凝集傾向水溶液中で行う。 この光化学反応は、分子標的癌治療薬として最近開発されたNIR光免疫療法(NIR-PIT)によって誘導される細胞死の主要なメカニズムとして提案されている。 抗体-IR700コンジュゲートがその標的に結合すると、NIR光による活性化は、細胞膜内に物理的ストレスを誘導すると考えられる抗体抗原複合体の形状の物理的変化を引き起こし、膜貫通水流の増加をもたらし、最終的に細胞破裂および細胞死を誘導する。

島津製作所のリアルタイム顕微鏡によって仕組みが解明された。

  • NIR光に曝露されると、標的細胞は高度に選択的に壊死/免疫原性細胞死(ICD)を迅速に受ける。
  • ICDは治療の1分後に早期に起こる。光照射の数分以内に標的細胞膜の腫脹、泡立ち、および破裂が観察された。
  • NIR-PITによって誘導されるICDは、死んでいる癌細胞に隣接する未成熟樹状細胞を急速に熟成させ 、宿主抗癌免疫応答を開始する。
  • これは、標的細胞および隣接する非標的細胞の両方において壊死とアポトーシスとの組合せを誘導し、免疫応答ではなく炎症を生じる傾向がある光線力学療法とは非常に異なる。

光線力学療法との違いも解明されつつあるようで、樹状細胞を急激に熟成させることによって、転移したがん細胞を攻撃できる仕組みの解明にもつながります。

ますます期待が大きくなります。


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