がんの臨界点で奇跡が起きる


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先日の「膵臓がん患者と家族の集い」に参加された中に、複雑系の研究をされているという方がいました。このブログで過去に何度か複雑系とがんの関係について書いていますが、それを見てくださったようです。

「がんは複雑系だから、そこに治癒の希望があるのですよね。がんを複雑系の視点で研究はしていないのですか」と私が問うと、現状では社会的現象を対象として研究されているだけだとのこと。まだまだ数値化できるものしか研究の対象にはなりにくいとのことでした。

医学全般にも言えることですが、数値化できるものしかエビデンスにはなりません。患者の苦痛や生活環境、人生観など、治療を進める上で重要であっても、研究の対象にはなりにくい。AI(人工知能)も、数値化できるものしか扱うことができません。

がんの多段階発がん説では、いったん増大を始めた腫瘍が自然に縮小することはないとされています。しかし、国内でも再発した膵臓がんが治癒した例もあり、世界では末期の膵臓がんが何もしないのに消失した例も少なからずあります。

こうした奇跡的治癒例を「奇跡」として例外扱いするのではなく、研究の対象にできないものでしょうか。難しいだろうけど。

がんの周辺の微小環境に注目する「組織由来説」によれば、

細胞間の相互作用が破綻すると、それによって細胞の内部環境が変化し、非メチル化などのエピジェネティックな変化が起きてがんが発生すると主張する。発がん物質は細胞の相互作用を破綻させ、その結果がんが引き起こされる。

がんの進行の第一段階はエピジェネティックな変化であり、それは逆行させることもできる。相当進んだがんでも、適切な条件を整えれば、エピジェネティックに逆行させることが可能である。微小環境論では、その適切な条件とは、免疫反応と、周囲の健康な細胞との相互作用であるとする。

私の仮説は、そこに脳の活動による精神的要素が加わって、がんと周辺の微小環境、周辺の細胞との相互作用、白血球などとの免疫反応の「複雑系」システムが、奇跡的治癒を引き起こしているのではなかろうかというもの。

その方のと話しも、複雑系としてのがんが臨界点を迎えたときに「奇跡」が起きるのではなかろうかという点で考えが一致しました。ただ、その臨界点を引き起こすスイッチは、患者それぞれ、人によって違っているはずだろうと。

「奇跡」を科学的に解明できれば、それは必然になるのですが。

次回の「膵臓がん患者と家族の集い」は12月23日(日)に開催します。

オフィシャルサイトで、申込み受付中です。

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