膵臓がんに免疫チェックポイント阻害薬が効かない理由

「海外がん医療情報リファレンス」からの記事です。

オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害薬は、膵臓がんには効かないと言われますが、その原因が明らかになってきました。

膵臓がんの腫瘍には非悪性の支持細胞である間質が高密度で含まれている。膵臓がんは30%の悪性細胞と70%の間質で構成されている。

免疫チェックポイント阻害薬で誘導されるT細胞は、膵臓がんの場合、その多くが間質に存在し、悪性細胞を攻撃することができない。

研究者らは、膵臓がんの腫瘍にはVISTAと呼ばれる免疫チェックポイントが多数発現していることを発見した。

7つの膵臓サンプルの分析で、CD68陽性マクロファージがPD-L1とVISTA経路を別に有しており、それぞれ免疫反応を阻害していることがわかった。転移膵臓がん患者3人の腫瘍から採取したT細胞を用いて実験をしたところ、活性化VISTA経路が、PD-L1による阻害以上に腫瘍における活性化T細胞反応を低下させていることがわかった。これは、PD-1/PD-L1阻害薬での治療が奏効しないのは未治療のVISTA経路が免疫反応を抑制することが原因かもしれないことを示唆している。

膵臓がんで免疫チェックポイント阻害薬の効果を高めるためには、抗CTLA-4チェックポイント阻害に加えてVISTA抗体を利用するなどの対応が必要になる。

VISTAを直接対象にした免疫チェックポイント阻害薬が開発されたら、膵臓がんの治療に希望が見えてくるだろう。


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