イカサマ治療にだまされる患者

Web交流会のご案内


【日 時】2020年12月12日(土) 13:00~16:00(開場:12:45)
【場 所】Zoomを使ったオンラインの集まりです
【対 象】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参加費】500円 (PayPal決済、郵便振替)
【定 員】100名
【内 容】
第一部 がん研有明病院 腫瘍精神科部長 清水研先生の講演
『もしも一年後、この世にいないとしたら ~4000人の患者家族と対話した精神科医の学び~』
第二部 患者さん同士の交流会

ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。
スマホだけで簡単に参加することができます。

参加申込受付中です。 詳しくはオフィシャルサイトで


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科学的根拠のない似非医療、いかさま治療に騙されて犠牲になる患者が後を絶ちません。

先日の記事『白衣を着た詐欺師』でも書きましたが、イカサマ免疫療法だけでなく、怪しげな食事療法に惹かれる患者もたくさんいます。

どうすればこうしたイカサマ医療の犠牲となる患者をなくすることができるのでしょうか。

金魚さんと大須賀覚医師がそれぞれこの問題について書いています。

読み比べてみて、皆さんはどう感じたでしょうか。

大須賀医師の言われていることは正論に違いありません。ご提案なさっているような活動をさらに進めてほしいと願っています。

しかし法律で取り締まったり、官民を挙げて正しい知識を普及したとして、それで騙される患者が減るのでしょうか。

私にはそうとは思えません。むしろ金魚さんの言われていることが、がん患者としての思いや苦悩をよく伝えていると感じます。

米国で乳がんの治療や研究をされている上野直人医師や、 東京大学医学部附属病院放射線科の 中川恵一医師も、自分ががんになって「がん患者の気持ちが初めてよく分かった。これまでは分かっているつもりだった」などと述べています。


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標準治療には限界があります。ヒトの身体は複雑系であり、医療は不確実性に充ちています。

「自分にもまだ何かできることがあるはずだ」

治らないがんを宿した患者は「絶望的な命の危機」を感じているのです。彼らを正論だけで説き伏せ、納得させることはできません。

標準治療にはなっていなくても、統計的なエビデンスとして確立はされていなくても、良い治療効果を示している治療法はあります。そうした治療法を主治医から紹介されることは稀です。

患者は自分で探そうとしてイカサマ医療に引っかかることになるのです。

人間は部品の集合体ではない。鼻の形が違うように臓器の形も特性も、がん細胞の遺伝子変異も異なっている。患者にはそれぞれの人生の歴史があり、なじんできた生き方がある。その生き方まで標準化することはできない。

文化人類学者 磯野真穂氏の『医療者が語る答えなき世界』に、こんな一節が書かれています。

正しい医学的知識をかれらに教えたり、かれらの身体をモノとみなして介入すれば解決する問題ではない。むしろそこで重要になるのは、医学を目の前の患者にインストールすることではなく、標準化が不可能なそれぞれの患者の人生の文脈に、医学という知をどう混ぜ合わせていくか、医療者の持つ専門知と患者の人生の間にどのような再現性のない知を立ち上げ、実践し続けていくかである。

医療者の仕事の根幹は、モノとしての人間を徹底的に標準化することで体系づけられた医学という知を、それぞれの患者の人生にもっとも望ましい形でつなぎ合わせ、オーダーメイドの新しい知を患者と共に作り出していくことにある。そこで作り上げられる知は、標準化されることもなければ、再現されることもないが、人間の営みが本来そのような再現性のないものである以上、医療という知もまた再現性のなさをはらむ。

医療者の仕事は医学を医療に変換することである。

「標準医療が最高の治療法」であり、「治せない」患者は「あとは緩和」へ、「緩和も治療です」と言うだけでは、患者の人生に寄り添い、患者とともに新しい知の地平を拓く医療はできないだろう。


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イカサマ治療にだまされる患者” に対して2件のコメントがあります。

  1. 金魚 より:

    キノシタさん
    いつも、ありがとうございます。
    時々、友の悲しいことや自分の色々に、思いのたけをブログに投入してしまう日があり、ビックリされたり、優しく受け止めていただいたり・・・キノシタさんはじめ多くの仲間に癒されております。
    最近、少々忙しく(段取りが悪いのはケモブレインか加齢か微妙ですが)、週末色々をちゃんと読んで、大須賀先生のご発表も先ほどようやく熟読しました。
    学会の場で、権威ある方がご発表いただくのは本当にありがたいことです。一定の意味はあると思いました、ただその先に進める一手が欲しいですね。
    なぜならば「病院にたどり着かない患者」ではなく、「がん」と診断されるにあたり、少なくとも何某かの医療機関(多くは総合病院または大学病院などの当該科)を受診してから、来院途絶しているはずだからです(1~3回程度は診断のためにかかるのが普通です)。その貴重な最初の来院を、医療者は逃しています、そして医療者が逃してしまうような日本の医療制度の問題があるということを、サバイバーであり一看護師として憂えます。この2年何が変わったか、自戒も込めて医療者は本気にならなければいけないですね。
    そう今日、下記のような先生のNOTEも見つけました・・・正論への違和感こそが、医療者と患者の間にある深くて暗い川なのですよね。
    https://note.mu/otsukaman2018/n/nd03fd45ba405

    1. キノシタ より:

      金魚さん。
      大塚先生はTwitterもやっているので、このnotoは私も読みました。
      私と金魚さんの考えに近いですよね。

      >切った刀の先には、ニセ医学を信じて苦しんでいる患者さんがいる。

      そうなんですよね。
      『膵臓がん患者と家族の集い』でも、こうした方にたくさん会います。否定はせずに話を聞いてあげ、その後に望むなら私の考えを述べます。

      プラシーボで治る(治ったもどき)になることもあるから、難しいですね。
      遮二無二と否定しても、二度と参加して来なくなるだけです。

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