今日の一冊(142)『がん患者さんのためのマインドフルネス瞑想法』
今日の一冊を書くのは約2ヶ月ぶりですね。この間に読んだ本ももちろんあるのですが、積極的に紹介したいと感じる本には出会っておりません。
コロナのせいですかね。なんとなくやる気が起きません。なぜなんですかね。
YouTube への動画のアップを滞っておりますが、動画は作っているんですよ。ただ仕事に関するものでそれを約80本作ってました。
さて今日紹介するのは、精神腫瘍医の保坂隆先生の書かれた『がん患者さんのためのマインドフルネス瞑想法』です。
保坂先生は、聖路加国際病院に新設された「精神腫瘍科」で長らく活躍され、いまは保坂サイコオンコロジー・クリニックを開業しています。
このブログではがん患者さんにとって、がん治るために一番大切なことは、心の平安であると。それが一番重要なことだと書いてきました。
そして心の平安を得るためにはヨガや瞑想、太極拳そういったものがありますが、その有効性は今ではエビデンスがあるわけです。
一方で、自分で情報を集めてがんの治療を行おうとする患者さんほど、形のあるもの、物質的なものに傾倒していく傾向があります。
しかし、心つまり脳の働きと免疫システムは、密接に情報を交換して連携をしているのです。ストレスや無力感があれば確実に免疫力は低下します。特に諦めの気持ち、無力感ががん患者の予後を一番悪くするんだということも分かってきています。『がんに効く生活』のシュレベールも、「無力感」が、がん患者の予後を最も低下させる、と述べています。
そのようながん患者さんの心の平安、リラックスをしストレスをコントロールし、心を元気にする。その結果として体も元気になる。そうした方法の一つとして、私もサイモントン療法やマインドフルネス瞑想法を行っています。
精神腫瘍であり保坂隆先生のこの本は、タイトルにもあるように”がん患者さんのための”ということを強調しています。
マインドフルネス瞑想法には、決して主観的、経験的に留まらない数々の効果があり、精神面でもまた脳や免疫系への影響という面でも、多くのメリットをもたらすものであることが知られるようになってきました。今日では「マインドフルネス瞑想法は怪しいもの」と考える医療者は少数となっているでしょう。
と語っています。
美味しいものを食べる、良い香りを嗅ぐ、好きな音楽を聴く、美しい景色を見るなど、五感を刺激することで、幸せホルモンと言われるオキシトシンがたくさん放出されます。
脳から分泌されるオキシトシンは社交性や愛情に関わっていると言われています。体内の自律神経を整えてストレスをなくし、免疫力をアップさせることも分かってきています。
また瞑想することにより、脳の中で記憶を司る場所である「海馬」が5パーセントも大きくなるということが研究によってわかっています。
この本ではがん患者さんのために簡単にできる瞑想法を紹介しています。
がん患者さんにとって「食事」も「運動」も大事です。自分なりに考えて効果があると言われるサプリメントを摂るのもいいでしょう。しかしそれにプラスして「心の平安」「リラックス」そういったことも考えてみませんか。