スポンサーリンク
Web交流会のご案内


第12回『膵臓がん患者と家族の集い』Web交流会

【日 時】2021年12月12日(日) 13:00~16:00(開場:12:45)
【場 所】Zoomを使ったオンラインの交流会です
【対 象】膵臓がん患者とその家族
【参加費】1000円
【定 員】50名
【内 容】
第1部 佐藤典宏先生の講演「膵臓がん患者の運動と食事・サプリメント」
第2部 膵臓がん 何でも質問箱:事前の質問に佐藤先生がお答えします。
第3部 患者さん同士の交流会

ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。
スマホだけで簡単に参加することができます。
参加申込受付中です。

詳しくはオフィシャルサイトで

今日の一冊(145)藤岡陽子『きのうのオレンジ』

きのうのオレンジ (集英社文芸単行本)

きのうのオレンジ (集英社文芸単行本)

藤岡陽子
1,760円(10/25 17:51時点)
発売日: 2020/10/26
Amazonの情報を掲載しています

現役の看護師でもある藤岡陽子さんは、生と死に対峙する作品を多く発表しております。

今回の長編小説は、がん患者の立場から、どのようにして死を受け入れていったのか、死を受容しつつ希望を持って生きるとはどういうことなのかを描写した感動的な作品です。

東京のレストランの店長を務めている笹本遼駕が大学病院で受けた胃カメラの検査結果を聞くシーンから始まります。

結果は胃の幽門部にできた悪性の腫瘍です。遼駕は「なぜ自分が・・・」と恐怖にへたりこんでしまいます。その時郷里の岡山で体育の教師をしている双子の弟の恭平から宅配便が届きます。(実際には双子ではなかったのですが)

ダンボール箱の中にはオレンジ色の登山靴が入っていました。2人が15歳の時父親に連れられて冬山に登って遭難したときに履いていた靴でした。

登山道から滑落した二人は、テントを張り少ない食料を食べて朝を迎えます。しかし死を覚悟した二人はテントの中で、どちらか一人が生き残ったらこの手紙を両親に届けようと約束をして遺言状を書くのでした。

遼駕の入院した大学病院には、偶然にも高校で同じクラスであった矢田泉が看護師として勤めていました。この矢田泉は遼駕の主治医である松原とは過去に同棲関係にあって、今は別れています。

手術をした遼駕でしたが、すでに多くのリンパ節に転移していることがわかります。術後の再発率は50%と告げられるのです。

死への恐れ葛藤や孤独、もう治療をやめようかとも考えた遼駕でしたが、恭平から送られてきたオレンジ色の登山靴を見て、15歳の時に冬山で遭難した時の記憶、生きるか死ぬかは五分五分だと思ったその時の記憶が蘇ってきます。

「あの日のおれは、生きるために吹雪の中を進んでいったのだ。逃げ出したいなんて、一度たりとも思わなかった・・・」

泉は残された最後の時間をふるさと岡山で過ごそうとする遼駕の後を追うように、看護師をやめて介護士となり、遼駕の担当を希望するのでした。

最後のシーンは遼駕と恭平、矢田泉そしてレストランで遼駕を手助けしてくれていたアルバイトの高那と、遭難した冬山に登って頂上を目指す場面です。

父や母や兄弟や泉らの友人に支えられて、何の取り柄もない自分ではあったけども、自分は生きてきた意味があったのだと、遼駕は悟ります。

泉がこう言うのですね。「遼駕くんは電卓の真ん中で突起のついた5のボタンに似ている」と。

数字の5には小さな突起があって、目の見えない人であっても、あるいは暗闇であっても、その突起を頼りに他の数字を手繰っていくことができます。

そういう存在だと言ってくれたんですね。何か困った時に頼りになる人だと。

なんの取り柄もないと考えていた遼駕でしたが、そういう風に言われて自分の生きてきた命を肯定でき、人生に納得して死を迎えることができると感じたのでした。

生きた時間の長さではないですよね。自分として納得できるものを貫いてきた、そう言えるかどうか、それによって自分の生命の価値が測られるのではないでしょうか。

落涙必至の小説です。

偶然にも、次回の『膵臓がん患者と家族の集い』は、清水研先生の講演「もしも一年後、この世にいないとしたら。」が予定されています。

がんと死、命とはなにか、一緒に考えてみませんか?


がんと闘う多くの仲間がいます。応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ すい臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

このブログの関連記事

  • 今日の一冊(29)『抗がん剤治療を受けるときに読む本』今日の一冊(29)『抗がん剤治療を受けるときに読む本』   有名病院の有名腫瘍内科医の先生は、抗がん剤を60%以下まで減量することはまかりならん。それは人体実験になる、とおっしゃいます。武蔵小杉の勝俣医師、前回 […]
  • 赤城山と谷川温泉赤城山と谷川温泉 2週間前には谷川岳の一ノ倉沢に行ってきたが、今回は妻と2人で赤城山と谷川温泉へ。 白樺牧場。あいにく牛さんにいなかった。 赤城山大沼の気温は5度、 […]
  • ビタミンDが、癌の転移を押さえる可能性 メイヨークリニックビタミンDが、癌の転移を押さえる可能性 メイヨークリニック またビタミンDが癌の転移予防に効果的だという研究結果が出ました。メイヨークリニックでの研究です。このブログでも何度がビタミンDについて取り上げており、リンクを張ってある「米国統合 […]
  • いまさらですが、癌って何?いまさらですが、癌って何? 「Keep On! […]
  • 星峠の棚田星峠の棚田 14日に新潟・松代の星峠に行ってきました。運良く朝霧が出て、幻想的な雲海を見ることができました。まだ写真の整理ができていませんが、とりあえず星峠の3枚だけ。 家族全員が風邪 […]
  • 金スマ 「異端の医師」近藤誠金スマ 「異端の医師」近藤誠 以前にも撮った場所だが、HDRで撮り直してみた。背景の絵はたぶん十日町市の美人林だろう。 木曜日はチェロのレッスンに自分のチェロを持っていった。車で行ったのでレッス […]
  • がんが自然治癒した人の「9つの共通する実践事項」がんが自然治癒した人の「9つの共通する実践事項」 がんは摩訶不思議な病で、自然治癒することがたまにあることは、よく知られている。しかし、それを系統だって研究しようとする研究者は、最近ではいなかった。何故だろうかと不思議に思ってい […]
  • IMRT:次のターゲットは膵臓がんIMRT:次のターゲットは膵臓がん BIGLOBEニュースなどに、プレジデント社の最新の放射線治療装置の情報が掲載されています。ただ、これは2013年6月の特集記事。どうして今頃ニュースに?と思うのですが・ […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です