「膵臓がん患者と家族の集い」のご案内


3/16『膵臓がん患者と家族の集い』

【日 時】2024年3月16日(土) 14:00~16:00(開場:13:45)
【会 場】大田区産業プラザPiO 6階D会議室
【参加費】1,000円
【対 象】膵臓がん患者とその家族、ご遺族
【定 員】60名
【内 容】
   第1部 ミニレクチャー:「粒子線治療(重粒子・陽子線)」運営サポーター
   第2部 患者・家族の交流会
申込締切は3月13日(水)19:00です。

詳しくはオフィシャルサイトで

術後補助化学療法でTS-1が継続できないときは?

副作用でTS-1が続けられない

先日の『膵臓がん患者と家族の集い』で、maaさんから次のような質問がありました。

術後補助療法でTS-1を服用中ですが、休薬期間の方が長い状態です。抗がん剤は、どこまで我慢すればいいのか、付き合い方に困っています。

これに対して、参加者からは

  • さらに減薬することで継続できないか?
  • ゲムシタビン(ジェムザール)に変更することも考えてみては

などの意見が出されました。

和田さんからは後日調べてみましたと、以下の内容のメールをいただきました。

木下さんがおっしゃっていたとおり、S-1とゲムシタビンの直接比較試験(JASPAC 01)が行われた結果、前者が優位ということで第1選択となった訳ですが、それまでの第1選択であったゲムシタビンも切除単独とのランダム比較試験では生存期間を有意に延長させることが確認されているので、レジメンとしては残っているようです。

膵癌診療ガイドライン 2019年版でも、「S-1に対する忍容性が低い患者などでは,ゲムシタビン塩酸塩単独療法を行うことを推奨する〔推奨の強さ:強い、エビデンスの確実性(強さ):A(強)〕」と明記されています。

https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0037/G0001105/0058

和田さんより

S-1とゲムシタビンの比較臨床試験(JASPAC-01)

膵臓がん手術後の5年生存率はわずか「約10%」。

私が手術をした15年前はそのように説明されました。ゲムシタビン(ジェムザール)を使えばそれが20%になるといわれたものです。

2013年にこのようなニュースが流れました。

JASPAC-01試験の途中結果が予想外に良すぎたので、早期に報告するよう勧告がされたのです。

JASPAC-01試験は、手術で切除可能と診断されたI期~III期の膵臓癌患者385人を手術後に、既存の標準治療薬であるゲムシタビン(注射薬)を投与する群(GEM群)、S-1(経口薬)を投与する群(TS-1群)の2群に割り付け、全生存期間、2年生存率、無再発生存期間を比較するというもの。

症例の登録は2007年4月から2010年6月までの3年3カ月にわたって実施された。2012年7月までの追跡データに基づいて中間解析を行った結果、第三者評価機関である「効果・安全性評価委員会」から中間解析の結果を早期に報告するように勧告され、今回の発表となった。

その結果、全生存期間はS-1がGEMより優れていることが統計学的に証明され、ハザード比は0.56(95%信頼区間:0.42-0.74)だった。2年生存率は、GEM群の53%に対して、S-1群は70%。また無増悪生存期間(中央値)はGEM群の11.2カ月に対してS-1群は23.2カ月でハザード比は0.56(95%信頼区間:0.43-0.71)であった。

日経メディカルオンラインから

JASPAC-01試験は膵腺癌の術後補助化学療法として、S-1がOSについてゲムシタビンに非劣性であることを証明する目的で実施されました。

ゲムシタビンに劣らないだろうと予想をして試験をした結果が、なんと! とんでもない優位性を示したのです。

  • ゲムシタビン群の2年生存率は53%(95%信頼区間:46-60)、S-1群の2年生存率は70%(95%信頼区間:63-76)
  • 全生存率(OS)のハザード比が0.56。OSのハザード比が0.56ということは、ゲムシタビンの死亡のリスクを1としたときに44%死亡のリスクを下げることを意味します。これは驚異的な数字です。
  • 5年生存率および生存期間中央値はS-1単独療法群:44.1%,46.5カ月,ゲムシタビン塩酸塩単独療法群:24.4%,25.5カ月
  • OSの5年生存率では20%程度の差が生じています。

再発生存期間(RFS)中央値はS-1群が23.2カ月(95%信頼区間:17.5-32)、ゲムシタビン群が11.2カ月(95%信頼区間:9.7-15.3)、ハザード比は0.56(95%信頼区間:0.43-0.71)でした。

進行癌では同程度の効果を示したゲムシタビンとS-1という薬剤が、術後補助化学療法では大きな差がついた理由の1つは、直接の抗腫瘍効果の差、つまり、S-1の方が、肉眼では検出できない微小な遺残癌をきちんと排除する力があると考えられます。

このブログに2013年に掲載した記事です。詳細に経過を説明しています。⇓

『膵癌診療ガイドライン2022年版』では

新しいガイドラインでは以下のようになっています。(「膵癌診療ガイドライン2019」と全く同じです)

S-1単独療法が第一選択肢であるが、副作用などに耐えられない患者ではゲムシタビンを推奨する。

他にゲムシタビン+カペシタビン併用療法、mFOLFIRINOX療法もあるが、保険に収載されていない。

以上から、maaさんには減薬してでもS-1(TS-1)を使うほうが良いが、どうしても耐えられなければゲムシタビン(ジェムザール)を、主治医に相談して決めてはいかがでしょうか。

悩ましいですけど。

と報告をしました。


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