ASCO 2010 Gemcitabine & nab-paclitaxel(アブラキサン)

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ASCO 2010は今日まで開催ですね。膵がんに関してもたくさんの発表があるようですが、抗がん剤の多剤併用療法が多いように思います。

なかで気になるのが、Gemcitabineとnab-paclitaxel(アブラキサン)の併用療法。実はこの発表はすでに4月に「癌Experts」で紹介されている。こちら

nab-paclitaxelは、アルブミン結合をさせたナノ粒子にパクリタキセルを封入した製剤であり、nab-paclitaxelは溶媒を含まず、転移性乳癌に対する化学療法の治療選択肢として開発された。抗腫瘍活性を示す薬剤の周囲でアルブミンと結合することで高用量の投与が可能で、溶媒を含むパクリタキセルよりも高濃度のパクリタキセルを腫瘍部位に送達できる。
米食品医薬品局(FDA)は、nab-paclitaxelをIIB~IVの黒色腫と膵癌の治療薬として、オーファンドラッグに指定している。

さて、ASCO 2010のPancretic Cancerでは、nab-paclitaxel関連の発表が3件ある。

その中でAbstract No: e14675が非常に興味を惹かれる研究である。切除不能膵がん及びボーダーライン上にある患者に対する試験において、Gemcitabineとnab-paclitaxelの治療を受けた13人中3人(23%)の患者が腫瘍が縮小して(ステージダウンして)手術が可能になった、とある。

Results: 3/13 (23%) underwent surgical resection with curative intent. CA19-9 response was 13/13 (100%), RECIST response was: PR-9/13 (69%), SD-3/13 (23%) and PD-1/13 (8%). EORTC PET response was: PR-7/10 (70%), SD3/10 (30%). No patients encountered drug related grade 4 or higher toxicities. There were 2 cases of grade 3 neutropenia,1 case of grade 3 anemia and no cases of grade 3 or higher thrombocytopenia; 4 patients had grade 2 neuropathy.

結果:3/13(23%)が治療の結果(腫瘍が縮小し)、外科的切除術が適用された。CA19-9は全員に反応が見られた。RECIST(固形がんの治療効果判定のためのガイドライン)による判定は、PR(部分寛解)-9/13(69%)、SD(不変)-3/13 (23%)、PD(増大)-1/13 (8%)。EORTC(欧州癌研究治療機関) によるPET判定基準では、PR-7/10 (70%), SD3/10 (30%)であった。

Conclusions:
Gemcitabine and nab-paclitaxel has a very
promising antitumor activity in unresectable and borderline resectable
pancreatic cancer patients. Investigation in a larger cohort of patients
is ongoing.

ゲムシタビンとナブ-パクリタキセルは、切除不能膵がん及び切除可能かどうかの境界線上にある膵がんに対して、非常に有望な抗腫瘍効果を有する。より大規模な試験が進行中である。

70%に部分寛解であり、その他は不変、増大した患者は一人もいない! 手術不適用のすい臓がん患者には希望の持てる発表です。日本での早期の治験と承認を要求していきましょう。


ASCOなどの英語サイトを見るには「ライフサイエンス辞書ツール」をインストールしておくとマウスオーバー辞書として機能し、多くの難解な医学用語の日本語訳が表示されます。詳細は「ライフサイエンス辞書をマウスオーバーで」の記事に紹介しています。


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