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今日の一冊(82)『不老超寿』

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高城剛氏は、この本の執筆中の2016年6月に膵臓がんが見つかったという。

ステージ -1の膵臓がん?

実際はマイクロRNA検査によって膵臓がんの兆候が見つかったということです。

マイクロRNA検査とは、現在国立がん研究センターなどが開発している「血液一滴で13種の早期がん」を見つけようとする検査方法です。

国立がん研究センター(東京都)などは、血液1滴で乳がんなど13種類のがんを早期発見する新しい検査法を開発し、来月から臨床研究を始める。同センターの研究倫理審査委員会が今月中旬、実施を許可した。早ければ3年以内に国に事業化の申請を行う。

一度に複数の種類のがんを早期発見できる検査法はこれまでなく、人間ドックなどに導入されれば、がんによる死亡を減らせる可能性がある。

検査法では、細胞から血液中に分泌される、遺伝子の働きを調節する微小物質「マイクロRNA」を活用する。がん細胞と正常な細胞ではマイクロRNAの種類が異なり、一定期間分解されない。

同センターや検査技術を持つ東レなどは、がん患者ら約4万人の保存血液から、乳房や肺、胃、大腸、食道、肝臓、 膵臓すいぞう など13種類のがんで、それぞれ固有のマイクロRNAを特定した。血液1滴で、がんの「病期(ステージ)」が比較的早い「1期」を含め、すべてのがんで95%以上の確率で診断できた。乳がんは97%だった。

膵臓がんの検出率が95%と精度が高い期待される検査法である。

高城氏が受けた検査は、このプロジェクトにも参加している広島大学の田原栄俊教授の開発した「ミアテスト」である。

この本で高城氏は、「予防医学」ならぬ「予測医学」を提唱し、病気の早期発見と細胞の寿命を決めるといわれているテロメアを伸ばすことで「不老超寿」を得ようと提唱する。そのための国内で可能な最先端の検査方法を紹介している。

  • 分子栄養学に基づく「栄養分析プログラム」
  • 遅発性の食物アレルギーを知る「IgG検査」
  • 体の酸化度を知る「酸化抗酸化検査」
  • 腸内細菌を知る「腸内フローラ検査」
  • 遺伝子強度(テロメア)とがんリスクの評価を行う「ミアテスト」

等を上げている。

未病の発見は、現在のところ個人に委ねられている。いまや、いかに病気にならないかは医療ではなく、自己で身を守る防衛手段を活用することによる。その手段がテクノロジーの普及によって、誰もが手に取れるようになったのは、ここ数年の話だ。

一方で、国内の大手企業が販売している高価なEPAサプリメントのほとんどが酸化しており、返って害になると、手厳しい。

マイクロRNA検査は確かに期待される検査方法であるが、この検査で見つかったがんの兆候が、本当に腫瘍として大きくなるのか、これからの開発の過程で臨床試験によって明らかになるでしょう。また、がんを持った患者の血液だけにマイクロRNAが流れているのではなく、健常者に比べて数倍多いということなので、その閾値をどう設定するかも課題です。

さて、高城氏のステージ-1の膵臓がんは、頻繁な航空機での海外旅行による放射線被ばくを低減(仕事を控える)と大容量ビタミンC点滴によって、膵臓がんのリスク値が下がったそうである。

膵臓がんのリスクは放射線被ばくだけではないし、大容量ビタミンCががん細胞に効くとは思えないが、高城氏も言うように効果は人それぞれだ。

ビタミンCががん治療に無効であることは、30年も前に実証されているのであり、臨床的に活かせると思えるエビデンスは皆無です。高城氏が持ち出している論文は実験室のマウスレベルの試験であり、人間に対するものではありません。

不老超寿

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高城 剛
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高濃度ビタミンC点滴療法に関する今村文昭氏の論考『[第5話]高濃度ビタミンC点滴療法』が参考になります。

VitC(ビタミンC)点滴療法を肯定する意見には,疑うべきバイアスが数多く存在します。そのいくつかについて解説します。
■「がんが消えた」:よくある症例の記載ですが,これはVitC点滴療法の効果というより,並行して行われた適切な治療の効果と考えるべきです(CMAJ. 2006[PMID:16567756])。
■「動物実験で効果が得られた」:鍵となる論文の一つでは,がん細胞株をマウスに移植しVitC点滴によりがんの縮小を観察しています(PNAS. 2008[PMID:18678913])。この細胞株の選択は43種についてin vitro実験により効果が期待できそうなものを3つ選んだものです。その他の細胞株種については検討されていません。


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