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リアルワールドデータとエビデンス

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先日の『膵臓がん患者と家族の集い』Web交流会における佐藤典宏先生の講演において、膵臓がんに対するナノナイフと抗がん剤治療の比較したデータが紹介されていました。

横軸は(年)ではなく(月)の間違いでしょう

抗がん剤だけ投与されたグループと、それにナノナイフを追加したグループとの比較をした生存率グラフでした。生存期間中央値で、約7ヶ月の差があるように読み取れます。

しかしその注釈を見ますと、「アメリカ国立がん研究所(NCI)によるがん患者の大規模なデータベース解析」という風に書かれています。

つまり臨床試験ではないのですね。

国民の医療に関するデータベースがきちんと整備されていれば、臨床試験が困難な場合でも、このようにエビデンスの元となるデータを集めることは可能です。

今「リアルワールドデータ(RWD:実臨床データ)」という言葉が注目されています。

2018年には米国FDAがリアルワールドデータプログラムを発表しています。

リアルワールドデータを、薬の新規開発や市販後調査、適用拡大に活用することが含まれた枠組みです。

リアルワールドデータ(RWD)とは、臨床現場から得られる匿名化された患者単位のデータのこと。レセプト(診療報酬明細書)や電子カルテがその代表です。

2015年ごろから、アステラス製薬やエーザイ、中外製薬、塩野義製薬などが相次いで専門部署を立ち上げており、製薬企業の間でその利活用に向けた動きが進んでいます。

RWDの注意点としては、

  • 十分なデータの中から、特定の条件で絞ったデータであれば、臨床研究と同様なことは可
    能。
  • データ収集目的が違う場合のデータ利用に当たっては注意をする必要がある。(難病DBのバイアス可能性など)
  • FDAでは、RWDを用いて、RCTを実現してエビデンスを作ることを検討している。

厚生労働省も取り組みを始めようとしているようですが、日本の場合、大規模なデータベースがきちんと作り上げることができるのかどうか、私は疑問に思っています。

日本という国あるいは政府は、統計データを大事にしない国です。

「モリ・カケ・サクラ」の事例を見るまでもなく、時の政府に都合の悪いデータは抹殺されてしまいます。

あのナチスでさえも、ユダヤ人を殺害した記録データはきちんと残してあるんですよ。

将来のためにきちんとデータを記録して残す、そういったことに、日本人はあまり力を割かないんですよね。これはISO 9000の品質管理システムを構築していて私も実感したのですが、こうした地道な作業に対して、あまりにも評価が低いのです。

とりあえず「今売り上げが欲しい」「金が欲しい」「今だけ良ければいい」そういった風潮が、コロナ禍を経験する中で、一層露骨に表れてきているような気がします。

話が飛んでしまいましたが、リアルワールドデータを使っていろいろな治療法、そういったことの評価がどんどん進んで欲しいですね。

全国がん登録も十分ではない状況の日本ですから、先行きはあまり期待できませんが。

例えばハイパーサーミアなんかねどうでしょうかね。佐藤先生の講演では一応生存期間が伸びたというデータは説明されていました。しかし世間ではエビデンスがないと言われています。

リアルワールドデータを使って、ハイパーサーミアの評価なんかはやって欲しいもんですな。

リアルワールドデータ(RWD)から、リアルワールドエビデンス(RWE)へ

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