がんが治るのは、その人が恐れを手放したとき『がんが自然に治る生き方』
がん患者なら誰しも、自分にだけでも奇跡が起きて欲しいと願うものでしょう。
現代医療、標準医療を無視するわけではありませんが、それだけでは統計的な生存率、生存期間はだいたい定まっています。手術不能のがんであれば、抗がん剤には延命効果しかなく、治癒を期待することはできません。
治癒の可能性があるとすれば、それは代替療法と現代医療を併用した統合医療にあるのでしょう。
どのような代替医療を選択するべきか
どのような代替医療を選択するべきか。そのヒントを『がんが自然に治る生き方――余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと』から得ることができます。
がんが自然に治る10の習慣――余命宣告から奇跡的な回復を果たした劇的寛解者たちの希望
代替医療の効果は人それぞれ
しかし、第一章の「抜本的に食事を変える」をみても、実にさまざまな方法で奇跡的に治っている患者がいます。どれが正しいのか混乱しそうです。
結論から言えば、どの方法に効果があるのかは、人それぞれ。あなたに合う方法を試して探すしかありません。中には胡散臭そうなものもあります。しかし、それでがんが劇てきに治った人がいる。どうしてだろうか。
肉類をまったく食べないことにした人もいれば、積極的に摂取した人もいる。短期間の断食や体内洗浄で効果があった人もいれば、そんなことは危険だという意見もある。
私が思うに、食事において何を摂取するか、何を避けるかということよりも、強い決意でがんを食事で治すのだという思いが、治癒に導いた主な要因ではないだろうか。
もちろん、多くの人に共通することはある。砂糖を避け、野菜や果物をたくさん摂るなど。それらの共通項をまとめたのが、「がん生存者のためのガイドライン(第4版)」(邦訳版は『「がん」になってからの食事と運動―米国対がん協会の最新ガイドライン』)に推奨されている内容なのでしょう。
「心のありよう」が大切
ターナー女史の本を読んでも食事の内容を決められないようなら、シュレベールの『がんに効く生活』に推奨されている内容でやってみれば良いでしょう。
それよりも、ターナー女史も書いているように、自然寛解=劇的に治癒した人に共通して実践している九つの項目のうち、身体に関することは二つ(食事を変える、ハーブやサプリメントの助けを借りる)だけで、あとの項目はすべて感情や精神に関することなのです。
私も闘病の初期から「心の有り様」が大事だと漠然と考えて、ブログにも書いてきました。『膵臓がんも治す統合医療』においても「心の平安」が治癒への貢献度が一番大きいと、紹介しています。
ターナー女史の本を読んで、その思いをますます強くしています。
一部を抜粋して紹介します。
第5章「抑圧された感情を解き放つ」
- わたしにとって驚きだったのは、劇的な寛解の経験者が実践していた九つの項目のうち、身体に関わることがたった二つ(食事を変える、ハーブやサプリメントを使う)しかなかったことです。残りの七つは、感情や精神にかかわることでした。
- 「病気とは、私たち人間の身体・心・魂のどこかのレベルで詰まっているものである」これが、がん回復者と代替治療者が共通して持っていた考えでした。
- 劇的な寛解を経験した人々は、彼らの身体・心・魂の三つのレベルにおいて「詰まり」を除去しようと、真剣に取り組んでいました。人によってはその「詰まり」は身体に発生します。人によっては心、あるいは魂のレベルで発生します。どこにそれが生じたとしても、目指すことは同じです。その存在に気づき、なぜ生じたかを理解し、完全に除去するのです。
- 抑圧された感情とは、良いものであれ悪いものであれ、意識的であれ無意識的であれ、わたしたちが過去から引きずってきたすべての感情のことを意味します。
- この二十年間で、抑圧された感情の開放は身体に良い影響をもたらすことが、科学的に解明されてきました。
- わたしたちの心を形成するのは、感情に反応して分泌される神経ペプチドです。神経ペプチドは体内のどの細胞にも存在するので、ストレスのような感情は、免疫システムのみならず、身体の全細胞に負の作用をもたらします。
- ストレスを抱えたままにしていると、がんと闘ってくれる免疫機能を弱体化させてしまいます。逆にストレスを解き放つと、免疫システムは強化されるのです。
- (死への)恐れは、がん患者を支配する感情です。まずこの感情への対処が必要だ、と治療者たちは語っています。
- 抵抗をやめることです。物理的な身体と、感情の身体と、魂の身体。この三つのバランスを取りもどすために、恐れること自体をやめるのです。
- 恐れることをやめなさい。安らかに死に、おだやかに生きるために。治癒する可能性が高くなるのは、身体のバランスがとれているときです。でも恐れを心に抱いていると、エネルギーの場全体がーー微細なエネルギーの場も免疫システムもーー閉ざされてしまうのです。
- がんから劇的に回復した人々は、ほぼ全員が、死の恐怖を直視したとき、ある意味で気持ちが和らいだ、と話していました。ずっと抱えていた仕事を片付けたように思えた、と言うのです。
- 恐怖を感じていたら、身体は治癒しません。身体が自己治癒するのは、その人が恐れの感情を抱えていないときなのです。
- がんが治るのは、その人が恐れを手放したときです。劇的ながんの緩解を経験した人、そして、たとえ途中で治療に戻っても長期間うまく寛解状態を保っている人たちは、「不確かな状況」と上手につきあえる人なのです。先行きの見えない、不確かな状態とつきあう。これはとても大切なことです。「いま」に腰を据え、先行きへの不安を思い描かない人は、うまく治癒するものです。
がんが治るのは、その人が恐れを手放したとき
わたしの最初のがん、直腸がんのステージⅢで手術をしたとき、主治医の先生は「初期ではないが、5年生存率は70%程度だから、あまり気にしない方が良いですよ」と言われました。医師にとっては治りやすいがんかもしれませんが、患者にとっては「10人に3人は死ぬのか!」と考えてしまうものです。
2度目のがんは膵臓がんのステージⅢですから、手術ができても5年生存率は10%(がん研の場合は15~20%)。当然「死」を考えます。「がん=死」ではない、と言われたとしても、「死」への恐れを滅却することはかなり難しいことです。
「死」を恐れないようになるためにはどうすれば良いのか。私のこのブログを最初から読まれている方はお分かりかと思うのですが、術後の早い時期から老子、良寛、道元などの本を読み、自分なりに死への覚悟と準備をしてきました。おかげで「死ぬことへの恐怖心」はほとんど覚えずに今日まで過ごせたと思っています。そのことが治癒に大きく影響したとも感じています。ターナー女史の述べていることに深く納得できるのです。
恐怖心は免疫力を確実に下げます。がんと言われたら、頭が真っ白になることはしかたがないにしても、できるだけ早くに「死」との向き合い方を自分なりに模索した方が良い。
そんなことは無理だよ、難しい、と言われる方には、例えば前野隆司氏の『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』はどうでしょうか。前野さんには受動意識仮説という考えで「心とは何か」を解き明かした良書『脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説』があります。心の問題を扱っていくと、とうぜんのように「私とは何か、死んだら心はどうなるのか」と考えざるをえません。それに対する彼の答え、死の恐怖への対処法をいくつか提案しています。
こちらの記事で詳しく紹介しています。
死への恐れを抱えていては、治ることは難しい
前向きに生きることで免疫力が高まる
第6章「より前向きに生きる」
- 人が幸福感と愛を感じているとき、その人の体内には、がん細胞を退治する免疫細胞があふれ出ています。
- がんから劇的に寛解した人々は、愛やよろこび、幸福感の感受性を高めるため、「いまを生きる」という意識を持つように心がけていました。
- がん治療に取り組みはじめてすぐに、わたしは、これは闘いではないと気づきました。これは人生の新たな一章で、わたしはこれを受け入れ、なじんでいくしかないのだと。そのためには、人生を感謝とよろこびと楽しみに満ちたものにするしかない、と思いました。
- がん患者は、治療よりも、日々の暮らしを良くする方法について、もっと考えるべきです。それができれば、すべてが変わっていくはずです。
- 愛やよろこび、幸福を感じると、脳内の腺が作動し、身体を治癒させるセロトニン、リラキシン、オキシトシン、ドーパミン、エンドルフィンなどのホルモンが大量に血中へと放出されます。これらのホルモンは、細胞に次のような指令を即座に出すのです。
- 血圧や心拍数、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を下げる
- 血流を良くする
- 呼吸を深くして、細胞に酸素を行きわたらせる
- 食べたものをゆっくりと消化し、栄養の吸収をよくする
- 白血球と赤血球の活動を活発化させ、免疫システムの働きを向上させる
- ナチュラル・キラー細胞の活動を促し、がん細胞と闘う免疫システムを強化する
- 感染のない状態にする
- がん細胞の有無を精査して、あれば取り除く
- 感情による身体への作用は驚異的です。
- 闘病中であっても、楽観的な人は悲観的な人よりも長生きするという報告もあります。
- 西洋医学では、損傷を受けた細胞は修復不可能で殺すしかないと考えますが、機能回復させて正常な細胞に戻ることが可能だという研究が出てきました。
- 代替療法のグループの人々の前立腺がん遺伝子の発現状況を調べると、たった3ヶ月代替療法に取り組んだだけで、オンの状態だった遺伝子の発現がオフになっていたのです。(前向きな感情を抱くトレーニングを含む)一連の代替療法に取り組んだ前立腺がん患者は、すでに発言していた癌遺伝子を「発現なし」に変えたということです。さらに、体内に存在していたがん細胞を減らすことができたのです。
- どんなに病んだ日も、恐怖に打ちひしがれた日も、一日五分だけでいいから笑う、または幸せを感じる時間をつくる。
幸せを感じられるような楽しいことをたくさんやる。私の場合はチェロに写真。写真はその現場に行かなければ撮れないから、否応なしに運動になる。チェロのけっこう体力を使う。こうしてエンドルフィンがわき上がってきて、残ったがん細胞を根こそぎ取ってくれる。
がんのことで悩むのは、楽しいことをやった一番最後にすればよい。悩みからは逃れならないだろうが、堂堂巡りになるような悩み方はやめておきましょう。
sakanaさん。
乳がんで四年目の検査、異常なしも朗報ですね。
ただ、膵臓がんも同じですが、乳がんも10年までは安心できないそうですから、再発・転移予防のために、免疫力を高める生活と心の平安を大切にして過ごしましょうね。
これからもよろしくお願いします。
品川の、大目玉さんの読書会にでお会いした sakana です。
この度は、退院おめでとうございます。
私、先日、乳ガン4年目の検査で、異常なしとの診断をいただきました。
夫を看取って心は穏やかに過ごせない日々でしたので、ホッとしました。
ブログ、大変勉強になります。
日々の忙しさに“忙殺”されることなく、心穏やかにすごす…。
私も含めて特に、一度ガンと診断された人にはリラックスできる時間 が必要なのだと、あらためて教えていただきました。
あと、1日に1万歩歩くように心がけていることも、今回 無事 の診断につながったのかもしれません。
これからも、愛読させていただきます。目指せ7年、目標にしていますので。
肩、くれぐれもお大事になさってください。