今日の一冊(38)『がんでも長生き 心のメソッド』


【日 時】2020年6月14日(日) 13:15~15:30(開場:13:00)
【参加資格】膵臓がん患者とその家族
【参 加 費】無料
【定 員】 20名
【内 容】ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。
スマホだけで簡単に参加することができます。


詳しくはオフィシャルサイトで

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精神神経免疫学(PNI)という分野があります。このブログでも何度か触れていますが、がんと心の関係を研究する分野です。二つの特徴があります。一つは、がんになったことで患者の心にどのような影響があるのかを考えること。もう一つは、心の有り様ががん=腫瘍にどのように影響するのかを考えることです。どちらかというと、私は後者の方により興味と関心があって、このブログに書いてきました。(右の検索窓から検索すれば10件ほどの記事が表示されます)

しかし、これらの記事で紹介した書籍は、専門的だったり、哲学的だったりして、なかなかなじみにくい。がん患者にとっては切実で重要なものであるにもかかわらずである。

聖路加国際病院の精神腫瘍科部長 保坂先生と、乳がんの中でも予後が悪いと言われる炎症性乳がんのステージⅣを宣告された、コピーライターの今淵恵子さんの対談は、この難しげな精神腫瘍学のエッセンスを分かりやすく、読みやすく案内してくれる。

がんでも長生き 心のメソッド

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がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点

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がん患者の心を明るくする処方箋は、二つの内容からなっている。1. 日本人の2人に1人ががんになるが、がんで亡くなるのは10人に3人である。がん=死ではない。

2. がんは慢性病である。高血圧、糖尿病などと同じように、コントロールしながら気長に付き合う病気である。(でも、膵臓がんにはあてはまらないよなぁ)

治らない病気は、がんだけではないのです。高血圧も糖尿病も治ることはない。食事に気をつけて、運動をして、よい睡眠をとるようにして、気長に付き合うしかない。でも、がん=死という観念にどっぷりと浸かると、うつ病にもなるし、免疫力も下がる。高血圧の患者が心筋梗塞を心配するのと、がん患者が再発や転移を心配するのに、本質的な差はありません。

がん患者の2割がうつ病になると言われますが、うつ病のがん患者は予後が悪いし、再発や転移の確率もずっと高くなることが分かっています。つまり、「心の有り様が腫瘍=がん細胞に影響する」のです。

  • 運動すると脳のセロトニン代謝が活性化し、抗うつ剤と同じ効果がある。ただし、激しすぎる運動は免疫力を下げる。
  • 脳にはネガティブな感情が標準機能で備わっている。さまざまなストレス解消法でストレスを貯め込まない。
  • 絶望感に囚われると、がんの進行が早い。
  • がんの最期は99%痛くはない。
  • 統計は数字のマジック。生存率曲線の裾野に入ればいい、と考える。(わたしはこれを「恐竜の尻尾になる」と言っていますが)
  • 免疫力の改善が予後の安定につながる。しかし、これは統計の数字からは見えてこない。
  • 「死にたくない」を、「自分が生きているうちにすべき目標」に変換していこう。
  • スピリチュアリティのある患者ほどおだやかな気持ちで死と向き合っている。

がんが自然に治る生き方』について、大場大医師は否定的な意見でしたが、保坂隆医師は「オススメの本」として推薦しています。サイモントン療法も。

量子力学の「多世界解釈」を「あの世」に結びつけるのには、ちょっと首をかしげるが、『「あの世がない」というエビデンスもないのだから、あると考えた方がお得でしょ』と考えている。

【追記】
本日付のNature アジア誌にもがんとストレスの関係が記事になっていました。
ストレスがあるとリンパ系を介したがんの転移が増える

ストレスホルモンは、リンパ系(体内でリンパ液の輸送を担う導管ネットワーク)に悪影響を及ぼすことによって、がんの転移を促進することがマウスの研究で明らかになった。詳細を報告する論文が、今週掲載される。

ストレスのあることが、がん患者の死亡率が上昇することと関連し、かなり進行した段階の動物のがんとも関連していることを示す証拠がある。また、これまでの研究では、ストレスホルモンが、がんの転移にとって重要な血管新生に影響を及ぼすことが報告されている。また、リンパ系は、がんの転移も促進するが、そのことがストレスの影響を受けるのかどうかはこれまでよく分かっていなかった。


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今日の一冊(38)『がんでも長生き 心のメソッド』” に対して2件のコメントがあります。

  1. キノシタ より:

    ババリーナふじこさん。
    すばらしいレポートですね。ありがとうございます。どんどんコメント欄を使ってください。なんならコピペして本文に掲載しましょうか?
    コメント欄では目に留まる機会が少ないでしょうから。
    サイコオンコロジーを、私は精神腫瘍免疫学と受け取っていますが、心がガンに及ぼす影響、こちらを重視した先生が少ないですよね。これらの研究がもっと進んで欲しいと願っています。
    それと、「がんは複雑系」という観点も広めたいのです。

  2. ババリーナふじこ より:

    お待たせしました(誰も待ってないよね)。ババリオーナふじこの『不定期レポート』でございます。
    3月11日(金)に、『熊本がん心のケア研究会』という集いに参加しました。私がお世話になっている病院の内科医とその弟さん(心療内科クリニックを開業)が運営されている会です。テーマは「がんが自然に治る生き方 -がんの自然退縮についてー」
    「サイコオンコロジー(精神腫瘍学)とは」から始まって、『がんでも長生き 心のメソッド』やケリー・ターナーさんの本の紹介など。今後は、保坂先生やサイモントン療法トレーナー川端伸子さんの講演も予定されているそうです。
    私も体験談を少し話したら、心療内科医である弟さんから「すばらしい」と誉めていただいたので、調子に乗ってイメージ療法実践効果(?)について報告。
    「『がんに効く生活』にヒントを得て、手術前から3か月程『ガヤトリーマントラ』を聴いたり歌ったりしていたんです。術後ICUに運ばれると、そこはまるで薄暗い洞窟の中。女神のように美しい看護師さんが「よくがんばりましたね。ゆっくり休んでください」と。安らかな気持ちになり、黙って頷く私。担当看護師さんに話すと、『それって、あの方じゃないんですか?』そう、夢に出てきたのは、ガヤトリー女神(日本では弁天様)だったらしいです。それ以来、家事をする時も色んなマントラを聴いたりして、今やヒンズー教徒化してます」
    弟さん曰く、「守られてるんだね~」 
    他にもイメージ療法のエピソードはあるのですが、今回はここまで。
    最後に、一言。このお二人のように《心の問題》に取り組んでくださる方がもっと増えるといいな。

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