がん遺伝子は生命誕生に必須

4月の再放送なのですが、NHK BS の『ヒューマニエンス~40億年のたくらみ~「“がん” それは宿命との戦い」』を視聴しました。

がんはなぜ発生するのかから始まって、最近の個別化医療、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤に至るまでの概観をテンポよく、たくさんの CG も使って説明されていました。

「がん遺伝子」がコピーミスで変異して、それが蓄積するとがんになるわけです。その意味で「がん遺伝子」は悪役とのイメージですが、番組で明らかにされたのは、生命誕生にがん遺伝子は必須だという事実でした。

精子が卵子の表面に到達して卵子の内部に入るためには、卵子の細胞膜に入り口が開かれなければなりません。卵子の細胞膜に入り口のドアを開ける、その役割をするのががん遺伝子なのです。

がん遺伝子がなければ我々自体が存在できないのです。

がん遺伝子によって開いた入り口から侵入する精子(左)。入り口が開かないので侵入できない精子(右)

がん遺伝子Src(サーク)の主な働きは次の二つです。

  1. 細胞の増殖(新陳代謝)を助ける
  2. 精子の卵子への侵入を助ける

がん遺伝子は、生命にとってなくてはならないものだったのですね。がん遺伝子っていう命名は印象が悪いから、番組では「増殖アクセル遺伝子」と呼ぼう言っていました。

アクセル(がん遺伝子)とブレーキ(がん抑制遺伝子)のバランスが大事なわけです。

次回の5月20日の放送は、「“死” 生命最大の発明」です。

「死は生命最大の発明」と語ったのがスティーブ・ジョブズ。そして科学者たちは「死」は、生命が進化のために獲得したシステムだという見解を見出ている。

楽しみだ。「死」に対する捉え方が少し変わるかもしれませんよ。

私も過去の記事でこのようなことを書いています。

有性生殖と新しい遺伝子を生成する「死」があったからこそ、今日我々は生存しているのです。環境の激変にあっても子孫を残すという生物の目的のためには「性」と「死」を獲得することが最も合理的な戦略だったということです。


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