定位放射線+オプジーボ+ヤーボイ併用の第2相試験

難治性/転移性膵臓がん患者(N=84人)を、【A群】オプジーボ+定位放射線治療(SRT)を実施する群(N=41人)、【B群】オプジーボ+ヤーボイ+定位放射線治療(SRT)を実施する群(N=43人)に無作為に振り分け、の有効性・安全性を比較検証した第2相試験(CheckPAC試験)です。

主要評価項目として臨床的ベネフィット率(CBR:完全奏効率+部分奏効率+病勢安定)。

臨床的ベネフィット率(CBR)は:

  • 【A群】の17.1%(95%信頼区間:8.0-30.6%)
  • 【B群】で37.2%(95%信頼区間:24.0-52.1%)

部分奏効持続期間:

  • 【A群】群で部分奏効(PR)が確認された1人の患者は、奏効持続期間(DOR)4.6ヶ月を示した。
  • 【B群】で部分奏効(PR)が確認された6人の患者は、奏効持続期間(DOR)中央値5.4ヶ月(95%信頼区間:4.2ヶ月-未到達)を示した。

グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、【A群】の24.4%(N=10人)に対して【B群】で30.2%(N=13人)

CBR:完全奏効率+部分奏効率+病勢安定の合計が、17.1%と37.2%なので、20%程度増加している。

しかし、5ヶ月程度の奏効持続期間を得るために、オプジーボとヤーボイを加えたら、治療費・薬剤費はどれぐらいになるのだろう。

『悪いがん治療』でも述べられているが、奏効持続期間などという代理アウトカムで良好な結果が得られたとしても、真のアウトカムであるべき全生存率(OS)がどの程度伸びるのかが、本来評価すべき項目であろう。

このような併用療法が臨床的に意義があるかどうか、疑問である。

このように、たいして効果のない治療法が、代理のアウトカム評価だけで、しかも莫大な医療費を費やす方向で認証されているのが、近年のがん治療の傾向です。

本当に必要なのかどうか、患者さん自身もよく吟味して発言する必要がありそうです。


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