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ウイルス療法の第3相試験に中止勧告

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日経バイオテクによれば、フランスのウイルス治療薬の第3相試験が中止勧告を受けたそうです。

フランスTransgene社は、2019年8月2日、ウイルス療法であるPexa-Vec(JX-594)の肝臓癌に対するフェーズIII(PHOCUS試験)において、得られたデータの中間解析を行っていた独立データ監視委員会(IDMC)が、無益性の評価を完了したことを明らかにした。

効果が期待できず、中止勧告を受けてしまいました。

この治療法も2000年頃の開発初期には「夢の治療法」とマスコミでも取りあげられました。

遺伝子組み換え技術などを使って、がん細胞だけを破壊するウイルスを人工的に造り、患者に投与する治療方法です。

Wikipediaの「腫瘍溶解性ウイルス」の項によれば、「2014年7月時点で、少なくとも12種類のウイルスで臨床試験が実施されている」と記載されています。

しかし、

T-VECは、2015年12月(進行悪性黒色腫の治療薬として)最初に承認されたウイルスとなった。懐疑論者は、発表されなかった全生存期間(英語版)こそが最終的な判断の材料となることを理由に中間解析結果の臨床的妥当性について疑義を申し立てていた。

との見方もあり、実際に無憎悪生存期間の延長は証明できなかったのです。

日本では、東京大学医科学研究所附属病院 藤堂具紀教授らの研究グループが、第三世代のがん治療用ヘルペスウイルス G47Δ(ジーよんじゅうななデルタ)を用いた、膠芽腫(こうがしゅ、悪性脳腫瘍の一種)の患者を対象にした医師主導治験の第2相試験において、中間解析の結果、G47Δの高い治療効果を確認したので、患者登録を中止し、悪性神経膠腫を適応症としたG47Δの製造販売承認申請の準備を行っているとのこと。

フランスの対象は肝臓がんであり、日本は膠芽腫との違いはあるが、日本の場合は主要評価項目が1年生存期間であり、副次評価項目である5年生存率については、当然だが結果は出ていません。

すでに米国と欧州承認されている、がん溶解ウイルス製剤 (T-VEC)” タリモジーン・ラハーパレプベックは、悪性黒色腫(メラノーマ)の組織内に注射すると、がん細胞だけを破壊し、大きな腫瘍縮小効果があります。その意味ではとても良く効く薬です。

しかし、腫瘍が縮小=延命効果がある、とはならないのががん治療の世界です。

(T-VEC)も、無増悪生存期間(PFS)については統計学的有意差はなく(従って、全生存期間(OS)の延長効果も期待できない)という結果になっています。

その一方で「経済毒性」は顕著です。

「T-VEC+ヤーボイ」の一回の治療費は5600万円あまり、ヤーボイだけの治療費は1500万円ですから、T-VECの治療費は4000万円ということになります。

第2相試験で顕著な効果が認められても、第3相試験でだめになる臨床試験は掃いて捨てるほどあるという例です。


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