がん研での膵がんセミナー

昨日はがん研有明病院で開催された「難治性がん医療セミナー・膵臓がん編」に参加してきました。都合で二人の先生の講演を聴いただけで、質疑応答の前に退席しましたが、いくつかの要点を紹介します。

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石井先生の「膵癌の化学療法について」では、アブラキサン(nab-パクリタキセル)が、今年末か今年度末までには公的保険で使えるようになりそうだという話でした。

アブラキサンは昨年に欧米での大規模臨床試験の結果が発表されています。

FOLFIRINOXよりも延命効果は小さいですが、そのかわり、使い勝手は良さそうです。FOLFIRINOXは年齢などやさまざまな制限がありますが、こちらは年齢やに関係なく投与できます。私が今後、転移・再発した場合には年齢制限でFOLFIRINOXは使えません。アブラキサンが保険収載されると選択肢が広がることになるので期待しています。

齋浦先生の講演では、「膵がんサバイバーになるためにあなたにできること」として、がん研での膵がんの手術実績なども交えて話されていました。

  • 年間手術数が50例以上の病院を選ぶこと
  • 膵がんは「足が速い」ので、1週間単位で状況が変わる。3ヵ月後の手術予定では切除不能に変わることもある。
  • したがって、がん研ではスピードを重視し、細胞診で膵がんの確定を確かめてからという悠長な対応はしていない。

これはとても大切な点です。手術数の多い病院は必然的に多くの患者が集まるので、初診でCT予約に2週間後、その結果がでるのが更に2週間後、膵がんの確定をするために細胞診をしていると、さらに数週間後に結果が分かり、それから手術の予約をしようとしたら、2ヵ月後でなければ空きがない、などということになりかねません。

結果的に切除可能だったのが、3ヵ月後には切除不能なまでに腫瘍が増大していたというような例が実際にあります。足の速い膵がんは、乳がんなどのようにのんびりとしていては後悔することになります。がん研では最短で6日後、平均では16日後に手術ができるということで、膵がんだけの特別枠があるのだそうです。

私の場合も、初診でのCTの結果から、その場で2週間後の手術の予約を入れて、細胞診はなしでした。「仮に良性であったとしても、手術不能になるリスクよりは良い」という判断でした。

患者の命よりも、膵癌腹腔鏡手術の症例をこなして論文の数を稼ぎたい、などと考えている医者もいますから、「病院と医者を選ぶのも寿命のうち」と言ってしまえばそれまでですが、私の場合はがん研で正解だったと感謝しています。


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がん研での膵がんセミナー” に対して3件のコメントがあります。

  1. たか より:

    キノシタ様、丁重なるコメントありがとうございます。この、トモセラピーはジェムザールとは相性が悪いらしく、抗癌剤は変えるとの事です。来週から毎日、35回・トモセラピー打ちます!また報告させて頂きます。ありがとうございました

  2. キノシタ より:

    たか様
    たいした知識は持ち合わせておりませんが、陽子線、重粒子線治療と同程度の効果があると言われているようです。また、転移がんでなければ保険の適用もあるので、患者の負担は3万円/回ほどで済むことも魅力ですね。
    膵臓がん:胃、十二指腸、小腸、肝臓、など危険臓器に囲まれた膵臓に可能な限り正確に照射できる。しかし、放射線による制御は限定的であり、照射野を絞って、GEM1000mg/m2を3投1休などとした方が、現時点では良好な成績。
    と書かれています。ジェムザールとの併用となるようでしたら、現在の主治医とも相談する必要があるでしょう。また、腫瘍と血管の位置関係によっては照射が難しいこともあります。腫瘍が完全に消失することは難しいかもしれませんが、縮小することによって手術が可能となることもあり得ると思います。
    先生に効果のほどを良く確認して、メリットとデメリットをよく相談の上で判断することでしょうね。

  3. たか より:

    はじめまして。お世話になります。
    家の父も膵臓癌ステージ4aです。ジェムザールを一年続けて来ましたが、ある方からの紹介で、トモセラピーを来月から打つことになりました。トモセラピーはご存知ですか?トモセラピーなら膵臓癌にも効くと思いますが、いかがでしょうか?トモセラピーに何か知識がありましたら、ご教授下さい

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