【実録】電動アシスト自転車・下り坂の惨劇 〜膝のお皿は、三つに割れるためにあったのか〜

昨日、私は愛車の電動アシスト自転車に跨り、颯爽と風を切っておりました。気分はツール・ド・フランスの覇者、あるいは銀輪の貴公子。しかし、人生という名のコースには、思わぬトラップが仕掛けられているものです。
急な下り坂で、私の「若さ」という名のエラーが発生しました。次の瞬間、私は重力に魂を引かれ、地面と熱烈なディープキス。右膝をこれでもかと激しく強打し、その場に崩れ落ちたのです。
メガネのレンズも傷がついてしまったようです。
何とか命からがら自宅まで這い戻ったものの、もはや立ち上がることも歩くこともできません。私の膝は、まるで活動を停止した活火山のよう。これでは「老いては子に従え」どころか、「老いては重力に従え」というわけです。
昨夜はろくに熟睡もできず、痛みに耐えました。本日、意を決して整形外科の門を叩きました。レントゲンという名の真実を映す鏡には、信じられない光景が。なんと、私の膝蓋骨(いわゆる膝の皿)が、見事に「三分割」されているではありませんか。
バラバラになったお皿を見て、先生はこうおっしゃいました。
「いやぁ、きれいに三枚におろされてますね」
……いや、私はアジの開きではありません。どうせなら「三ツ星」の評価が欲しかったところですが、現実は添え木でガチガチに固められた「三枚のパズル」を抱える身となったのです。
渡された松葉杖は、今日から私の「新しい相棒」です。全治2〜3ヶ月という長期契約を結ぶことになりました。当面の間、大好きな風呂も、自由な外出もお預け。自宅という名の要塞で、ひたすら膝の結合を待つ「籠城生活」の始まりです。
振り返れば、老人の自転車転倒は、時として人生のチェックメイトに繋がりかねません。一応ヘルメットは装着していたのですが、肝心の「心のヘルメット」を忘れていたようです。「自分はまだ若い、反射神経は現役だ」という根拠のない慢心こそが、今回最大のブレーキ故障だったに違いありません。
しばらくは、この松葉杖をマイクスタンド代わりに、家の中で「膝蓋骨ブルース」でも歌いながら過ごすことにいたします。皆様も、電動自転車のパワーを過信せず、重力には常に敬意を払って運転されることを切に願うばかりです。









