盛り上がらない総選挙だが

総選挙が告示されたが、各党首の討論会をみていてもさっぱり面白くない。どことなく緊張感に欠けている。先の総選挙は民主党に愛想を尽かした国民の選択だった。そして自民党と第三極が台頭してきた。その第三極は目を覆いたくなるような混乱、胡散霧消してしまった。一人勝ちした安倍自民党は、党内の正統的保守派の意見すら無視してやりたい放題である。

安倍総理が、この国を故意にダメにしようとしているとは思わない。彼なりに「正しい」と信じて善意と使命感を持ってやっていることなのだろう。私からみると日本の制度をぶち壊しているとしか見えないのだが、彼らなりの主観的合理性を持ってやっている。しかし、「地獄への道は善意で舗装されている」というマルクスの言葉もあります。

安倍総理が「この道しかない」という道は、地獄へ一直線に続いているのではないのか。彼が登用した例えばNHKの経営委員、作家の百田尚樹や籾井勝人会長らの発現を聞いていると、昔の大日本帝国の時代が「美しい日本」であり、東京裁判で押しつけられた戦後レジュームをひっくり返すことこそが正しい道だと言っているのであり、まちがいなく安倍総理もおなじ考えなのだろう。

消費税を増税して、その一方で法人税を減額する。これは過去の「富国強兵」そのものではないのか。非正規雇用を増やして、それでも食えないやつは兵隊になれ、ということだろう。

今回の争点はずばり、安倍の暴走をどうやって止めるか、だ。

しかし、大事な選択が問われている選挙だというのに、盛り上がらない。盛り上がらない理由はマスコミにもある。告示前から「低投票率」は確実だという報道ばかりではないか。マスコミの役割が「民主主義の健全なる発展に資する」ということなら、投票所に足を運ぶように言うべきだろう。大事な選挙の意義を説くべきだろう。有権者も5年前の選挙では民主党に裏切られ、2年前の選挙では第三極に裏切られたのだから、無力感が漂っているのは分かる。

だが、先日亡くなった菅原文太さんは、

これが最も大事です。絶対に戦争をしないこと!

日本が再び戦争をしないという願いが立ち枯れ、
荒野に戻ってしまわないよう
共に声をあげること!

という遺言を遺した。

国民というのは、いま生きている我々だけではないのです。すでに亡くなった多くの先人と、まだ生まれていない未来の国民も含めての日本国民なのです。先人が血を流して勝ち取った平和と普通選挙権、民主主義を、次の世代に確実にバトンタッチする「義務」がある。「政治家は信用できない」「どうせ俺が棄権したって」という考えは、先人と未来の子どもたちへの侮辱でしょう。

それにしても政治家が劣化したよなぁ。まともな人間は政治家なんかにはならないのかね。


膵臓がんと闘う多くの仲間がいます。応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ 膵臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

盛り上がらない総選挙だが” に対して4件のコメントがあります。

  1. キノシタ より:

    NEWさん。コメントありがとう。
    末期のがんでありながら、菅原文太さんの沖縄知事選での翁長応援演説は、すばらしかったです。生きるとはどういうことなのか、命を賭けて示してくれました。
    若いころは私もトラック野郎でしたが、映画のようにトラックの改造をする金もなく、実現しない夢で、あこがれでしたね。
    しかし老年になった今、「暗黒の世界」にしないために、文太さんには及びませんが、なにがしかの行動をしなければと思っています。とうりあえずは選挙に行くこと、自分の考えを記事にすることです。

  2. NEW より:

    キノシタさん
    いつも癌関連の記事を参考にさせていただいています。
    本日の記事にも、また以前の「阿呆のミス」「7.1は歴史に残る・・・」の記事にも深く共感しました。
    安倍さんの目指す先には「美しい日本」とは反対の「暗黒の世界」が待っています。
    とても怖いです。
    さらに今このことに危機感を持たずに選挙に無関心でいられる人のいることが恐怖です。マスコミも確かにおかしいですが、ここ20年ほどの日本の教育の成果?とも思います。
    菅原文太さん、素晴らしい遺言を遺されましたね。
    それをしっかり発表してアピールした奥様も素晴らしいと感じました。

  3. キノシタ より:

    コシヒカリ命さん。早速の賛同、ありがとうございます。
    抗がん剤も効いているようで、何よりです。もちろん文太さんの記事も拝見しております。
    安倍路線の行く末は、がん患者にとっても地獄でしょう。医療費の自己負担分をどんどんと上げて行くに違いありませんから。

  4. キノシタさん こんばんは。
    全く同感です。
    安倍の、薄笑いをして他人を言いくるめようとする態度にいつも不快感を覚えます。
    私も今日、同郷人である菅原文太さんに哀悼の意を込めて一文を書かせてもらいました。

キノシタ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です